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TONARIの 色撮り撮りの「その他」 |
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旧広島陸軍被服支廠倉庫 |
2020/8/22 |
広島県広島市南区出汐2-4 |
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近くを通るときに「古い建物があるな〜」としか認識していなかったが、近年、被爆建物であるこの建物の保存・解体の議論が出て新聞でもよく取り上げられるようになってきてその存在が気になって来ていた旧広島陸軍被服支廠。そんな時にアーキウォーク広島が主催する見学会が開かれているということを聞き、これは良い機会だと参加させていただいた。見学会といっても、耐震に問題があるので建物の内部に入っての見学は出来ず外観のみであり、新型コロナの影響で人数を集めての説明も出来ないという状況であった。しかし現地では細かに説明の入った冊子を頂け、また、ネットで音声ガイドを聞けるというので、事前に視聴して予習して訪れた。
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この建物は1913年竣工で100年以上の歴史があり、国内最古級のRC(鉄筋コンクリート)造で、外観はレンガ造に見えるが、RCとレンガが併用され、それぞれ構造体として機能しており、建築技術史上極めて高い価値を持っているとのこと。現存する最大の被爆建物ということだけでなく、学術的な価値があるという訳である。耐震補強工事費がネックとなるが、保存して活用する方が将来的に有意義であると思われる。
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原爆の爆風によって鉄製の窓が変形している箇所がいくつも見られる。
爆心地から2キロ以上離れていても、鉄扉を変形させる威力はとてつもない。
しかしながら、現代の核兵器は、この広島型原爆とは桁違いの威力を持っている。
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建物内部は安全が保障できないので立ち入り禁止となっているが、少し開いた扉の間から覗くことはできる(左上の写真)。
頂いた資料には内部の写真が載っているが、それを見ると、外観のレンガの建物とは雰囲気が違ったモダンな魅力的な空間であり、
例えば映画の撮影や、アート作品展示などにも十分活用できそうである。
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倉庫は全部で4棟あり、3棟が南北に続いて建っており、4棟目が直角に東に曲がって建っている。
左上の写真がその4棟目であり、奥に見えるのが3棟目である。全部で500mもあるという巨大な建物である。
高校が隣接しており、見学中も部活中の高校生の姿が見えた。高校生たちは日常的にこの廃墟を目にしている訳である。
屋根には右上の写真のような装飾が見られる。
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この建物は軍服や軍靴の製造・調達・貯蔵を担った軍需工場であり、被爆直後は臨時救護所となり、多くの方が亡くなっている。
その後学校の教室として使用され、民間の倉庫となり、1965年には広島大学の学生寮が設置されましたが、1995年頃には倉庫の使用が停止され、学生寮も閉鎖となったよう。
その後は放置されていたため、建物の風化が進み、錆ついてしまっている。
屋根には瓦が葺いてあり、これだけの規模で続いているとなかなかにカッコイイ。
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人が利用しないと建物はどんどん傷んでいく。
雑草が生えて、アカメガシワなどの木も大きくなっているので、建物がどんどんと傷んでいくだろう。
廃墟を被写体にするカメラマンには良い場所であるとも言えるが、耐震化を行って安全を保障したうえで、廃墟ではなく、歴史的な建物としての魅力を活かせば利用方法はたくさんあると思う。
鉄筋コンクリートが使われた国内最古級の建物であり、軍需工場だったという歴史、被爆建物というストーリーがある。
解体して一部だけ博物館に保存するだけでは、そのストーリーを活かすことはできない。解体というのは勿体ない話である。
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一部はツタに覆われている。
解体するにしても、耐震補強工事にするにしても多額な費用がかかる。放置すれば倒壊して近隣の住居に被害が出る虞もある。
今後の議論でどうなるかはまだ分からないが、こういったストーリーのある建物は広島にとって価値があるものであり、将来的に良い選択がなされることを期待したい。
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<アクセス> |
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広島駅から広島バス翠町線(31)に乗り、出汐2丁目のバス停を下車。南に進んですぐの信号を左折するとすぐに見える。
車の場合は専用の駐車場はないので(路上駐車は×)、付近の有料駐車場を使用することになる。
見学会が無い日は敷地内には入れないが、敷地外からも見学が可能である。ただし、住宅がすぐ近くにあるので、付近の方の迷惑にならないようマナーを守って見学すること。
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