タイム
撮影時間含む
10:15
奥匹見駐車場
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10:37
魚切
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10:44
小竜頭
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11:03
二段の滝
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11:14
夫婦滝
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11:22
大竜頭
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11:46
大竜頭落ち口
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12:17
まぼろしの滝?
ではありません
でした
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12:42
F1−二条滝
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昼食
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13:50 出発
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13:58
F2−直瀑
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14:18
F3−二段滝
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14:26
F4−滑二段滝
サラサラの滝
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15:10
縦走路合流
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16:00
奥匹見駐車場
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TONARIの 色撮り撮りの「渓 谷・ 滝」 |
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奥匹見峡まぼろしの滝を求めて |
06/5/21 |
島根県益田市匹見町道川 |
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桑原良敏氏著『西中国山地』の野田原の項の三の谷についての記述に、大竜頭より上流にサラサラの滝、まぼろしの滝という小滝があることが記されているが、ネット上にはそれに関する情報は出ておらず、どんな滝か分からない。
という訳で、今回オフ会という形で、ベテランのRyohkoさんを隊長として私を含めて総勢5名がまぼろしの滝を目指すことになった。大竜頭の周辺ではシャクナゲが見られるということでこの時期が選ばれた。
渓流を歩くことになるので、裏がフェルトになっている渓流足袋が必要だったが、近くの釣具屋さんにはちょうどよいサイズが無く、仕方なく普通のゴム底の地下足袋を購入。
もう少し早めに買いに行っていれば取り寄せてもらえる時間があったのだが、段取りが悪かった。
他の装備は通常の山登りと同じものだが、雨の心配がないのでカッパをなくし、登山靴をしまえるスペースを確保する。 |
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待ち合わせは奥匹見峡の駐車場に10時ということで、自宅を6時過ぎに出発。
シャクナゲを見に鎌倉寺山に登りに行く両親を牛岩登山口に置いてから広島方面に向かい、広島東ICから高速に乗り戸河内ICで下り国道191号線を進む。
少し早く到着しそうなので、旧芸北町の八幡地区の巨木の新緑を数カ所撮影した後、国道191号線に戻って奥匹見を目指す。ちょうど10分前に奥匹見峡の駐車場に到着。
既にMiyakeさん、Shin-raさん、miyamanomiさんが待っており、挨拶を交わしてから歩く準備を始める。駐車場の隅に(ただの)スミレが綺麗に咲いていた。この時期でも咲いているとは思わなかった。しばらくして紅一点、隊長のRyohkoさんがやってきて、昼食の材料などをみんなに分けて持って行くようにした。
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<奥匹見峡MAP> |
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赤い線が遊歩道もしくは登山道、黄色い線は遡上ルート(道は無い)、青い線は川、等高線の間隔は50m
滝の場所は正確な場所ではありません。感覚的にこの辺だろうといういい加減なものです。
※大竜頭から上は危険箇所が多いので、装備の無い人は絶対に入らないように!
※2、後日掲示板の方で、記述に誤りがあるとのご指摘があり、上の地図を書き換えました。レポート中に赤字で書いているのは、後から書き足したもので、本文の誤りを訂正しています。御了承ください。
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10時15分に出発。新緑が鮮やかで清々しい。
三の谷こと奥匹見峡は観光地なので、登山の装備が無くても歩ける道がついているが、むろんハイヒールやサンダルは怪我をしないためにも履いていかない方がよい。
歩き始めてまもなく、miyamanomiさんがコケイラン(左の写真は別の場所)を見つけたので撮影。エビネなどのランが見られるのではないかと期待する。このコケイランは比較的見かけることの出来るランの花である。
右岸(山から見て右−つまり進行方向では左)を進み橋を渡って左岸へ移動。この辺は岩が両側から迫っていて川が細長い通路になっている。
花はまだつけていないがヤグルマソウの大きな葉っぱが見える。 |
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少し進むと道ばたにラショウモンカズラの大きな紫色の花が群生している(左の写真)。
写真で見ると小さな感じがするが、このタイプの花としては思ったより大きな花である。花冠を羅生門の鬼の腕に例えたと言われるだけあって、近くで見ると豪華である。
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再び橋で右岸へ渡る。
左の写真は橋の上から上流を見たものだが、大きな岩があり、水の流れが滝のように見える。橋の下にも小さな滝がある。 |
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橋を渡って右岸を少し進むと魚切(左の写真)。
水流が分かれて流れ落ちる、表情の良い滝である。少し上に行くと落ち口付近が見える。 |
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前を進んでいたRyohkoさんが地面を指差したので何かなと思ったらハナイカダが咲いていた(左の写真)。
こんな目立たない小さな花をよく見つけるものだ。女性はこの花を見つけるのがうまい。
風と低速シャッターに苦戦しながらハナイカダを撮影していると随分と後れを取っていた。やはり撮影をメインしているとこれだけペースが違うものである。 |
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やがて前方に大きな岩の壁が迫り、その岩の間から一条の滝が流れ落ちている。小竜頭である(左の写真)。
滑らないよう慎重に岩の上を進み全体が見られるところまで行って撮影。まだ登山靴を履いているので、濡れないこの位置からがギリギリだった。
この小竜頭はチムニー状の滝とのこと。チムニーとは煙突のことで、岩の裂け目から煙突状の細い場所を流れ落ちる滝のことを言うようだ。
左の写真は魚眼レンズで撮影している。 |
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小竜頭の落ち口近くまで登り更に奥へ。落ち口付近にギンリョウソウが頭を出していた。姫滝という小さな滝を過ぎ、東屋に着き案内図を見るとサラサラの滝へは大竜頭から20分とある。
まもなく川の中に大きな岩があり川の中を進むような場所に来る。左手に急傾斜を登る道のようなものが見える。『西中国山地』では破線が書いてあるのでその道だろうか。
川の中の岩を踏みながら進んで川を渡り岩場を登る。遊歩道は崩れており、この辺は一般観光客が行くには少々危険な場所である。道のすぐ脇に滝のような流れもある。先行していた別団体に追いついてしまったが、先に行くのを少し待つ。
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ここを越すと二段の滝がある(左の写真)。
その名のとおり二段に分かれて流れ落ちる滝で、両側に岩が迫り、黒い岩と新緑に囲まれながら流れる姿はなかなか美しい。
この流れは滝壷に落ちた後、左に大きく回り、緩やかな場所を勢いよく流れて更に下の鎧滝に続いている。
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二段の滝から金属製の階段を少し登ると、蛇の穴(左の写真)という岩が両側から迫ってかなり狭くなった谷に着き、左に急な階段が付けてある。大竜頭から上はこの蛇の穴がある小さな谷を登ることになる。
写真を撮っているとカエルが岩の上で佇んでいた。動物はよく分からないので何カエルか分からないが、ヒキガエルかな?
急階段を登ると夫婦の木という、2本の木が上部で癒合したものが見られる。こうした木はたまに見ることがあるが、この木の子孫はどちらの性質を受け継ぐのか、はたまた両方の性質を受け継いだ新種となるのだろうか。 |
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夫婦の木を過ぎて細い尾根に乗ると、奥匹見峡最大の滝 大竜頭が右手に見える。先客がいるので大竜頭は後にして、左斜面を下り、急階段を下り夫婦滝に下る。
夫婦滝(左の写真)の名のとおり、ニ条に分かれて流れ落ちる滝で、両側に岩が迫っているので、いかにも深山という雰囲気である。流れの表情も岩の表情も良く、新緑との対比も素晴らしい。
写真では白く潰れて見えないが、奥に大竜頭が辛うじて見える。
振り向けば下流に二段の滝の落ち口がある。
ブレてしまったので掲載しないが(笑)、岩場にはイワカガミが咲いていた。 |
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来た道を戻り、大竜頭(冒頭と左の写真)へ。
落差53mと言うすばらしい滝である。
以前ここを訪れた時は、カメラトラブルで撮影できなかったので感慨無量である。
左の写真は回り込んで撮影しているが、滝壺付近が少し岩で隠されているところを見ると、それだけ岩を削り落としてきたのではないかと推測する。
さて、目当てのひとつだったシャクナゲだが、絶壁に少しだけ咲いていた。花は散り際だったので、もう少し早い時期でもよかったかもしれない。
ちなみに竜頭(リュウズ)とは、そのものズバリ、「滝」のことである。つまり、竜頭の滝という名前の滝が別の渓谷にあるが、「滝の滝」ということになる。 |
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他にはミツバツツジが咲いている。
遠い位置にあるので葉っぱを確認できないが、開花時期の遅いことと、色が濃いのでダイセンミツバツツジだろうか。
鹿の背から大竜頭と一緒に撮影(左の写真) |
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大竜頭を堪能し、元の狭い尾根に戻る。
鹿の背という小さな尾根で、周りに木がなければさぞかし恐ろしい場所ではないかと思う。
鹿の背を通り、蛇の穴が下にある小さな谷に入る。最初のうちはこの程度なら大丈夫だと思っていたが、徐々に道は険しくなり、岩登りのような道となる(左の写真より上側)。
登ることは出来るが、(道具がないと)下ることは出来ない。
鹿の背より上に行く場合は、必ず指導の出来る沢登りの経験者と同行すること。
素人が安易に入谷できる場所ではなく、読図、ルート選択や道具を使う技術などが必要である。むろん体力も必要である。
これ以上進む場合は危険があると十分に認識した上で進むこと。
責任逃れみたいで多用したくない言葉だが、「自己責任」で入谷して欲しい。 |
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鹿の背を過ぎて右岸から左岸に渡り、急な谷をよじ登り、多少平坦になったところで、対岸の岩場にシャクナゲが咲いていたので撮影のため小休止。もう少し近いといいのだが、そう思うような所では咲いていてくれない。
先程のグループの人が上に見え、リーダーらしき人からここから先は危険だから入ってはいけない場所だと忠告を受ける。我々は承知しているので構わないが、観光客は行ってはいけないところである。もっとも、ここからでさえ引き返すのは危険である。
急斜面を再び登り始めると、不意に絶滅危惧種オモゴウテンナンショウとばったり目が合う(左の写真)。仏炎苞の先が大きく垂れるのが特徴である。
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沢を渡って右岸に渡り、斜面を斜めに登ると大竜頭の落ち口付近に出る。勇気がなかったのでのぞき込むことは出来なかったが、危険なのでよした方が良いだろう。
この辺はイワカガミの花が多く見られた(左の写真)。
左岸の平坦な道を進む。平凡な流れで面白みはない。あの大竜頭の上であるのが信じられないくらい平凡な渓である。
流れに下りるとき、慎重に歩いていたつもりだったが、足を滑らせ駆け下りるように下ってしまった。運良く足を滑らせた先が安定した場所でうまく足を乗せたので、多少の擦り傷と、同行者をビックリさせてしまったぐらいで済んだ。少々注意が足りなかったと反省。
そこから川を横切り右岸へ移る。ここで登山靴から地下足袋に履き替える。 |
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渓流から目を離し、辺りの木々を見上げると新緑が目に優しい。
モミジの若葉が多く見られる。左の写真はオオモミジだろう。
秋にこの奥匹見峡を訪れたときに多くのモミジの仲間を見たが、上流も紅葉が美しいはずだ。 |
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しばらくは右岸の踏み跡をたどるが、徐々に踏み跡が薄くなり道が無くなる。先ほどのグループの人たちも通ったはずだが、別ルートを進んだのか?渓流より10mくらい上の斜面を進む。
大竜頭から20分以上はゆうに経過しているので、一旦川に下りサラサラの滝を探すがそれらしいものはない。
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サラサラというくらいだからナメラ滝を想像していたのだが、ナメラというほどでもない小規模な滝が見られるくらい。
滝壺のある小さな滝はあるが、サラサラという名前を付けるようには思えない。それなりに幅のある水量がない直瀑もサラサラかなぁ〜と思うがそういう滝もない...
取り敢えず先に進む。
川の傾斜は緩く、岩の上を流れているような感じの場所があるのでこの辺かと思うがよく分からない(左の写真)。ただ、水は大変きれいだ。
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しばらく奥に進むと、岩に挟まれた場所を流れ落ちる3m程度の直瀑があり、小規模ながら滝壺もあるので、時間的に言えばこれがまぼろしの滝であろうか(左の写真)。
一般人が見られないという意味では「まぼろし」であろうが...。
私が思っていたのは、水量が多くないと現れないから幻なのでは?と推測していた。
大竜頭を見た後だから見劣りしてしまうが、岩に挟まれた懐がある滝であり、これはこれでよいのかもしれない。写真で見て分かるように水がとても美しい。
まぼろしの滝はもともと小滝だという話だったので、取り敢えずこの滝をまぼろしの滝ということにして更に奥に進む。
※後日、こちらのページを見ていただいた方から掲示板に書き込みがあり、この滝はまぼろしの滝ではないことが判明。 |
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渓流沿いはそそり立っているので進めず、左岸に渡って急傾斜を一気に登り迂回することにする。
しかし、川を渡る時に川底の岩で滑って転倒してしまった。水がクッションになって怪我はしなかったがズボンはびしょ濡れ。やはりゴム底の地下足袋では滑ってしまうのだ。
ここから左岸の急斜面を木や笹を掴みながらぐんぐん登る。イワカガミが咲いていたが、カメラを構える余裕が無いくらいのハードな斜面である。前の人を見失わないように時々顔を上げて確認しながら登ってゆく。
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50m位登った頃、大岩のあるところで下りに入ろうとするが、急傾斜のため滑落すると大変危険なため、Ryohkoさんがロープを垂らす。
その間あたりを見ていると岩場にシャクナゲが咲いていた(左の写真)。
その時右足のふくらはぎに痛みを感じた。じんじんするかゆみがあるので、何かの虫に刺されたようだ。ムカデに噛まれた時に皮膚科でもらった軟膏を持ってきていたので足に塗る。早い段階で塗っておけばひどくはならないだろう。
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Ryohkoさんが降ろしたロープを利用しながら慎重に急傾斜を下る。ヤグルマソウの群落があったが花はまだ無く、またエンレイソウも見られたが、正直なところ写真を写せるような状態ではなかったので(笑)、出来るだけ踏みつけないよう注意して沢近くに下りた。
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先行していたMiyakeさんが止まっていたので近くまで行くと、両側に大きな岩がせり出したその奥に両側の谷から水が流れ込む滝があった。新緑と相まってとても雰囲気のある滝である(左の写真)。
後ろの人も追いつき写真撮影。手頃な川原があるのでここで昼食となった。
先程のまぼろしの滝(だと思ったもの)と比べると、こちらの方に名前を付けたいくらい雰囲気の良い滝である。5mくらいの落差はあるだろうか?
右手の流れはか細いが、大きな岩に挟まれた通路の奥に白い筋が見え、上は鮮やかな新緑という絵柄はなかなかのものだ。実は右手のか細い滝は落差が結構ある(10m以上かな?)。
便宜上、地図にはF1−二条滝ということにしておく。
魚眼レンズで撮影しているので、周辺部が歪んで写っているため、実際とは多少異なる。
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Ryohkoさんが持ってきたシャーベット状になったフルーツ缶をみんなで分け、Ryohkoさんが皿うどんを作ってくれたのでそれをみんなで食べる。Ryohkoさん、ご馳走さまでした。
コーヒーを飲みながら地図を広げて現在地とこれからのルートを確認する。登りより下りの方が危険なのでこのまま沢を詰めて、奥匹見峡駐車場から天杉山へ続く縦走路に合流するルートを取ることになった。偵察に出ていたMiyakeさんが、北東の谷に大きめの滝があると報告があったので、その谷を詰めることになった。
現在地については、Ryohkoさんの高度計によれば810m付近ということなので、誤差を考えると、流れが南にカーブする850mあたりではないかと推測する。地形図には10m以下の変化が現れないのだが、この10mが意外に大きく、地形図から受けるイメージと実際が合致しにくい。大きな岩などもあるので、渓流沿いでは地形図の印象と結構ずれるものかもしれない。
※2.5万分の1の大竜頭の位置がズレているため、時間的に上のように推測したが、810m付近でだいたい良いようだ。
左岸の急斜面を登り、F1の滝の向かって右手の岩の上に出て滝を横切る。
私はカメラを首からぶら下げているので濡れないようリュックにしまう。ハイアマチュア向けのカメラなので防水性・防塵性は割と高いのだが、さすがに滝の水を直接受けるのはマズイ。
滑らないよう注意して滝のシャワーを受けながら横切りだいぶ濡れる。カメラをしまっていた分みんなと差が開いてしまい、先行者がどこにいるのか見失った。水の通り道があり、それが道に見えたので登っていたが、いくら何でも先行者が全く見えないのはおかしいので元の場所に戻り川に沿って斜面を進む。
途中にあったヤグルマソウの群落を少々崩してしまったのだが、安全のため仕方なかったので、ヤグルマソウさんゴメンナサイ。m(_ _)m
心配して見に来てくれたmiyamanomiさんの声で一安心。迷子になったかと思った(笑)
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少し進むとMiyakeさんが言っていた滝が見えてくる。10m程度の直瀑でなかなかカッコイイ(左の写真)。地図上ではF2−直瀑としている。
この滝も岩の間を流れ落ちるが、落差もあり、懐のある滝壺になっている。
ここは左岸を岩にへばりつくような感じで進まなければならず、少々怖じ気づいてしまった(^^;。先程川底の石で足を滑らせてしまったので、ゴム底の地下足袋は滑るものだというイメージが出来てしまったのだ。
Ryohkoさんから「三点確保」のアドバイスを受け慎重に進む。頭の中では分かっていた言葉だが、地下足袋に対する不安と、高いカメラをダメにしてはならない(笑)というプレッシャーから躊躇いが出たのである。
いざ岩に足を置いてみると滑らなかったので、慎重に足が固定できるか確認しながら進み、安全な場所に行くことが出来た。 |
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先行していたMiyakeさんが、滝のそばの岩を登り、見通しの良い隣の斜面を登れるよう上からロープを垂らした。
浮き石があったのか掌くらいの大きさの石が転げ落ちたが、Miyakeさんがすぐに落石の声を発し、みんなが落ちていく様を見ていて、幸い誰にも当たらずに滝壺に落ちていった。今から考えれば、木の生えていない斜面であり、崩落しやすい斜面だったのかもしれない。
ロープを利用して急な斜面を一人ずつ登る。私が登り切って小さな尾根に乗ったところで後ろの方で何やらカーンという落ちた音がした。何事かと心配したが、木の枝が落ちたらしく誰も怪我はなかった。
今にして思うとあれは私の水筒ではなかったかと思う。というのは、登り切った時に水筒が無くなっているのに気づいたからで、その時は先程の滝へ着く前に斜面を下っていた時に落としたのだと思っていた。水筒はリュックの横に差し込んであり、割と深いので通常なら落ちることはないのだが、何かの加減で外れて落ち、それが何かの加減で落下したのだろう。それが水筒だったのかどうかは分からないが、危うく加害者になるところであったかもしれない。この辺の配慮が足りなかったと反省すると同時に、けが人が出なくて幸いだった。
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登り切ったところの木に赤いマーキングの跡が残っていて、ここを登った人がいることが分かった。
少し登ると白い筋が見え、また滝があることが分かり、再び川のそばに下ってみると、大きく分けて2段に分かれたなかなかよい滝だった。3m・3mぐらいだろうか。地図上ではF3−二段滝としている。
一段目は岩に隠れるように流れ落ち、2段目は末広に広がって流れ落ちている。下は2段に分かれているので正確には3段になっていると後から写真を見て気付いた(笑)。その時はゆっくり観察する余裕が無かったようだ(失笑)
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落ち口が岩に隠されていた一段目の滝を覗いてみる(左の写真)。
魚眼レンズで撮っているので広く見えるが、実際はもっと狭まっている。やはり新緑が鮮やかなので、岩と流れとのコントラストがきれいだ。
この滝に向かって右手の斜面を登る。美しい新緑が続くが、疲労でだんだん周囲を見る余裕はなくなってきていた。
辺りは落葉樹の森の中だが、その中にスギがいくらか散見される。植林ではないので天然のスギであろう。原生状態では、広葉樹と針葉樹が混じり合って分布しているのである。新緑の中にある色の濃い針葉樹というのも、コントラストがあってきれいだ。 |
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しばらく進むと、今度は大きく分けて2段の緩やかなナメラ滝が現れる(左の写真)。地図上ではF4−滑二段滝としている。
※この滝がサラサラの滝とのことです。
大きな岩の上を流れ落ちているようで、岩の表面ははギザギザになっている。一段目は5mくらいの落差はあるだろうか。
岩の間からコマユミの木が生え、地味な花を咲かせていた。
滝に向かって左のギザギザが多い場所を足や手をかけて登る。
登り切ったら喉が渇いたので川の水を飲み、顔を洗う。
喉が渇いているせいもあるがとても水がおいしい。水筒があれば汲んで帰るのだが...(^_^; |
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ここから上は平凡な流れとなり、傾斜も緩い。
ササがたくさん生えているので、ササを漕いだり時々川の中を進む。最初のうちは川の中を進むことを躊躇していたが、どういうところが滑って、どういう風に足を置くと滑らないかなんとなく体が覚えてきたので、川に入るのが苦にならなくなってきた。慣れというものは(両方の意味で)恐ろしいものである。
川に沿って登っているとサルメンエビネが1株だけ花を付けていた。山野草園以外では初めての対面である。頑張って登ってきた我々へのご褒美であろうか。 |
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やがて平坦で比較的広い場所に着き、ここで流れが二手に分かれる(正確に言うと合流しているのだが)。
Ryohkoさんと地図とコンパスで確認し、北から流れてくる細い川を進むことにする。周囲の地形を見てもほぼ鞍部付近のように思えるので、北か東に進めば縦走路と合流するはずである。
細い川に沿って進むと徐々に流れがより細くなり水量も無くなってくる。再び谷が分かれるが、尾根に上がった方が良いとの判断で沢を離れ、ササを漕ぎながら稜線に向けて急な斜面を登る。
辺りの植生もブナが多くなる。ちょっと休憩を取ったところでイワカガミの小さな群生地があり写真撮影。赤と白が混じっていた。
後ろ(南)を振り向くと木々の間から小さなピークが見えたので、縦走路にある960mのピーク辺りになるだろうか。 |
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急坂を頑張って登る。ササが邪魔だが、ツルやイバラがないのでここのヤブ漕ぎはそんなに辛い方ではない。
そろそろ尾根に乗るだろうという頃、人の声を聞き、先行していたMiyakeさんが挨拶をしている声が聞こえたので、縦走路に合流したことが分かる。歩いていた登山者も、まさか道無きところから人が出てくるとは思っていなかっただろう。しかし、この広い山の中でちょうど良いタイミングで登山者の団体さんと出会ったものである。そんなに登山者の多い山ではないので、考えてみればすごい偶然である。
縦走路に合流したところで休憩を取る。もう沢を歩かないので登山靴に履き替える。靴下を履く前に、虫に刺されたところをもう一度軟膏を塗っておく。ひどい腫れにはなりそうにない。
時計を見ると15時になので、おやつ用に持ってきていたパンを出す。他の方にも勧めたが、Ryohkoさんだけ食べられた。疲れてくると食べる気力も湧かないものだが、食べておかないと力が出ないものである。水筒がなかったので、パンを食べるとモサモサして食べにくかった(^^;
休憩を終え歩き始める。
地下足袋で歩くのには慣れてきていたが、やはり履き慣れた登山靴の方が歩き易く快適(^−^)。
樹幹の間、左手遠方に緩やかな大きな山が見えるが野田原の頭辺りだろうか。少し下って少し登り返すと小さなピークになり、ここから道の方向が変わる。途中オモゴウテンナンショウが咲いていた。何も知らないと気味の悪い植物だと思うかもしれない。
方向が変わってからはかなりの急坂を下る。ただし、これよりひどい坂を上り下りしてきたので、快適な道に感じてしまう(笑)そうでなければここの傾斜は結構きつい部類のはずだ。先程の登山者の団体さんに追いついたので追い抜かせてもらう。う〜ん、皆さん元気だ(^_^;
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ここはチゴユリ(左の写真)がたくさん見られたが、他の花は見つけることが出来なかった。
左の写真は魚眼レンズで撮影している。
ちなみに右端で大きく歪んで写っているのはShin-raさん。魚眼は180°の画角があるので、写る範囲がとても広く、Shin-raさんが写っているのに気付かなかった(^_^; |
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北西の方向の道も徐々に西に方向を変える。ブナの中の気持ちのよい道だったが、明らかに新たに作られたのだと分かる日にさらされた道になる。咲き始めのガマズミがあったがやはり他に花は見つからない。
日差しが辛く感じ出した頃、下の方に駐車場が見え、ジグザグに下って駐車場に到着。着いたのはだいたい16時だったので約6時間山の中にいたことになる。
昼食を除けば5時間の山歩きであるが、緊張しながらだったので、通常の山歩きの5時間よりくたびれた。疲労困憊ほどではなかったが、「歩いた!」という感じである。
オフ会に参加された皆さん、ご苦労様でした!そして、ありがとうございました。m(_
_)m
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今回のコースは上でも書いたとおり、沢登りの経験者がいなければ絶対に行ってはならないルートであるので、普段楽ちん登山ばかりの私にとってはとても貴重な体験だった。いろいろと失敗はあったが、次回このような機会があれば役立つ経験となるだろう。少なくとも足元の装備は揃える必要はある。
まぼろしの滝の上流の4つの滝は、他の渓谷ならそれらしい名前が付いて当然の立派なもので、それぞれに表情が異なっていてとても良かった。この記事を読んで行ってみたいと思う方もいると思うが、何度も言うように、危険な箇所が多いので、ある程度訓練して経験者と同行するので無ければ入谷しないで欲しい。
また、余計なことかもしれないが、行政の方でこの滝が見られるよう遊歩道を付けようと思われる方がいるかも知れないが、それは止めていただきたい。人が容易に足を踏み入れられない場所は残しておくべきであり、ツキノワグマなどの野生生物の生息地を荒らすことになる。大竜頭だけでも十分に魅力的な渓谷であるのだから、それ以上の整備は必要ない。
※まぼろしの滝と思ったものは間違いで、結局、まぼろしの滝へは到達していませんでした。
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