吉和西

(100分)
地質の説明時間を含めて



(100分)
昼食約20分
途中から車に乗った。

下山林道
分かれ

(70分)

二軒小屋
TONARIの 色撮り撮りの「渓 谷・ 滝」

秋の十方山林道ウォーキング ’10/11/7
広島県廿日市市吉和

十方山林道 
 このHPでもトップに記載して案内したが、『環・太田川』と『森と水と土を考える会』共催で秋の十方山林道ウォーキングが開催されたので、私も参加して来た。

 二軒小屋から下山林道別れを往復する10キロコースと、吉和西から二軒小屋まで歩く15qコースに分かれ、私は15qコースに参加。

 集合時間になってもバスに乗る気配がないのでどうしたのかと思っていると、マイクロバスを2台手配したはずが、双方の聞き違いか思い込み?で1台しか来ていないことが判明。。。(−_−×。

 日曜日なので空いているバスが無く困ったが、三段峡交通さんのバスが手配出来ることになり、10qコースの方はJRで可部まで行き、そこまで迎えに来たバスに乗り換えることになり、何とか「今日はお帰り下さい。」にならなくて済んだ。(^。^フウ

 予定より4〜50分遅れになったが、15qコースの我々も出発。
 筒賀PAでトイレ休憩し、吉和ICで降りる。酷道488号線ではなく、十方山林道を大規模林道化したら接続するつもりだった林道(舗装しているが)を通る。午前中は小雨が降る天気予報だったが、晴れ間が見え、辺りの紅葉が輝いて綺麗である。
  
十方山林道、吉和西の舗装区間 
  酷道488号線に合流してバスを降り、少し匹見側に進んで十方山林道に入る。

 今日は行程が長いので、手持ちレンズのフル装備は重すぎるので、魚眼レンズと超広角レンズ、高倍率ズームレンズの3本のみとした。これでもカメラを含めると2sを軽く越えるのだが(^^; 

 歩き始めて少しすると舗装道路になる(左の写真)。

 是が非でも工事したかったのか、無理矢理工事した100mの区間である。
イヌブナ?の大木 
 そこも過ぎて再びダート道になる。

 花はヨシノアザミ、ヤマシロギク、アキノキリンソウなどが見られるが、花が終わっている時期なのでこれくらいのものである。セイタカアワダチソウがいくつか侵入しているが、日当たりの良い空き地はないので、大繁殖することはないだろう。

 晴れてきたので辺りの紅葉はより綺麗に見えてくる。

 出発時間が遅かったせいか、健脚の方が多いのか、全体的に歩くペースが早めで、写真を撮っていると遅れるようになる。

アケボノソウ 
←アケボノソウが実になりつつある。
 
 国有林に入り、植林の多い暗くて面白くない道となる。

 だが、紅葉の時期であるので、植林の間に入り込んだ低木類の紅葉などがあり、他の時期よりは明るく感じる。
 
十方山林道
ダンコウバイ 
 ←ダンコウバイの黄葉。

 コハウチワカエデの紅葉↓
 コハウチワカエデ
黒ダキ山 
 この辺りは植林に囲まれて展望があまり得られないのだが、一部展望がきくところがあり、そこからは奥に黒ダキ山、周囲の紅葉を見ることが出来る。

 
亀裂 
 通称、七曲がりといわれるところに入り、カーブのところで斜面が崩れた現場で集合し、『環・太田川』初代代表の原哲之さんのお父さん(地質学者だそうです)からこの地の地質について説明を受ける。

 斜面が崩れた場所や、コンクリートのひび割れ(左の写真中央)などを見ながら、人の手が加わることで崩壊する危険性を指摘される。
サワグルミ 
 再び歩き始め、七曲がりをくねくねと進んでいく。この区間はあまり面白くない林道歩きであるが、左の写真のようにサワグルミの立ち並ぶ場所もある。

 ようやく下流の細見峡と呼ばれるところに屈折する場所付近にやって来る(下の写真)。
 ここには祠があるので、この辺で小休止されるのかなと後続を待ったが、休憩する様子もなく目の前を通り過ぎてしまったので、私もついていく。
 祠
イヌブナカエデ?ハリギリ? 
 ここから少し歩けば細見谷川のそばを歩く、渓畔林を見ながら歩く一番見応えのある道となり、植林の中の暗い道から一変して、紅葉したさわやかな山道になる。

 写真を撮りながらしばらく歩くと、少し広くなった離合スペース?で昼食をとることになった。予定では下山林道別れの河原なのだが、そこまではお腹が持たないので(^^;

 お弁当を食べてから再び歩き始める。

 左の左側の写真はイヌブナかな?爽やかに黄色く紅葉している。

 左の右側の写真はオオモミジかな?
 でも、葉っぱが結構大きいのでハリギリのかもしれない。だが、幹の感じはカエデの仲間だが。。。
コハウチワカエデ 
 細見谷川のせせらぎも気持ちがよい(下の写真)。

 降りられるところがあったら降りようと思ったのだが、段差が高いので、ロープでもなければ危険で降りられなかった。
 細見谷川
滝滝の上の渓畔林

 なだらかな細見谷川には大きな落差の滝は無いのだが(細見谷に流れ込む山側にはあるが)、おそらく最大の落差がある滝を林道から発見(上の左側の写真)。踏み跡があるので気を付けて降りる。下から写したかったが、降りる道がないようなので、落ち口から撮影。
 
 上の右側の写真は滝の落ち口から上流を見たもの。
 やはり渓畔林を見るなら、上からではなく下からが良い。紅葉した木々と川の流れが綺麗である。
 
細見谷川の滝 
 もう少し歩くとまた同じくらいの滝があり、こちらも踏み跡があるので降りてみる(左の写真)。

 ここは以前5月に訪れた時にヒメレンゲを撮影したところである。

 大きな倒木が橋のように覆い被さっている。
カツラの巨木トチノキの巨木 
 そんなこんなして渓畔林を楽しんでいると、車が待っていて、このペースで歩くと遅くなるのでタイムアップということになった。

 後ろに他の方が居るのでその方を乗せたら出発すると言うことで、その間、先に歩くことになった。

 以前来た時に見つけたカツラの巨樹を発見し(左の左側の写真)、もう一本撮りたかったトチノキ(左の右側の写真)も発見して撮影。

 ちょうどその頃車に追いつかれ、やむなく乗車(^^;。
車中から撮影車中から撮影
滝
 車に乗ってガタガタ揺られながら進む。
 他にも大きな木を何本も見つけたのだが、写真が撮れず残念。
 カメラマンがウォーキングイベントで、みなさんについていくのはなかなか難しい(^^;

 大きく揺れる車の窓からだが、いくつか写真を撮ってみた(上と左の2枚の写真)。揺れる車内ではこれでも上手く撮れた方である。

 サワグルミ、トチノキ、イヌブナ、カツラなどの巨樹巨木大木が散見される。また、トチノキなどには太い蔓性の植物が巻き付いていて、これも細見谷の特徴だという。

 もっと分かりやすい写真を撮りたかった。。。

 
 他の参加者さんを車で追い抜き、下山林道別れに到着。
 着いてからも何もしない時間が結構あったので、ここまで歩けたような気も(^^;

 ここでは豚汁が振る舞われた。
 
下山林道分かれ付近の河原にて 
 さて、今回のイベントは、『環・太田川』初代代表の原哲之さんの追悼も目的だったので、追悼集会が開かれた。

 会員以外の方は事前に知らなかったと思うので、ちょっとご迷惑になったかな?

 私が原さんと実際に会って言葉を交わしたのは1回だけで、それも二言三言くらいである。それ以外は掲示板かメールだけで、特別親しくなることはなかった。でも、パワーに満ちた方だな〜という印象で、若くしてガンを患い、闘病生活をしているとは思っていなかった。だから掲示板に顔を出さなくなり、どうしたんだろうと思っていた。

 
栃の実の殻 
 大規模林道を造りたかった人達から見れば、彼さえ居なければ、反対運動が盛り上がらなかったと思っているかも知れない。

 ただ、彼はいわゆる自然保護活動家というのとは違って、守るだけでなく活用する方法を探ったりと、一部の狂信的な活動家とは違う雰囲気があり、それゆえに大規模林道化の問題に(ちょっとだけ)関わったのである。

 追悼集会が終わってまた歩き始める。
トチノキ 
 今度は遅れないように先頭集団で歩き始めるが、やっぱり写真を撮りながらなのでだんだんと引き離されていく(笑)

 お気に入りのトチノキの写真を撮りたかったのだが、いっぱい人が居るので遠慮したが、健在なのは確認。
 ブナ
空洞になった木ウリハダカエデ 
 二軒小屋から十方山登山口と水越峠から下山林道別れまでは道が荒れていて歩きにくいのだが、今回は砂利土を入れて補修してあった。

 これでいいんじゃないかな?

 舗装道路を敷いて植物を死滅させて、水みちを分断させるよりも、地元の建設業者だけでも施工できるこうした補修の方が地元にもお金が落ちていいのでは?


 ←空洞化したミズナラ(かな?)とウリハダカエデの紅葉。
カツラの巨木滝 
 水越峠を越え、恐羅漢山の登山口と十方山の登山口を過ぎて横川川(よこごうがわ)のそばを歩く道となる。

 この道も渓流がキレイで楽しい所である。以前は道がガタガタで疲れる道だったが、ちゃんと補修してあって歩き易くなっている。

 ←カツラの巨木と滝。
ムラサキシメジ 
 林道を歩いていると、何やら紫色のキノコを発見。ムラサキシメジという食用のキノコのようである(左の写真)。ちょっと毒キノコっぽい色合いだが食べられるようだ。

 二軒小屋が近付いてくると、下の写真のように暗い植林と明るい落葉樹林が一緒に見られる。
 十方山林道
二軒小屋側の舗装道路 
 二軒小屋が近づき、300m舗装された場所に着く(左の写真)。

 大きなのり面はススキなどに覆われている。

 結局のところ、環境に配慮するといいながら、こんな風に景色が一変する訳である。舗装されれば不法投棄を招くし、交通量が増えれば排気ガスの問題もある(心配するほど交通量があると思わないが)。林道だといってもここはほぼ国有林なので林業は行っていない。

 そういえば、細見谷林道でネット検索すると、反対運動を批判するHPがあった。何が書いてあるのかと読んでみれば、事実誤認が多く、突っ込みどころ満載。苦笑したのは、反対派を一言で黙らせると豪語した内容がまったくトンチンカンだったこと。そこまで豪語するなら内容を理解した上で言って貰いたいものである。

 

 自然保護という観点をゼロとして見ても、断層地帯(七曲がり付近)に道路を造るのは危険であり、一度崩れてしまうと復旧が困難であり、林道がまったく使えなくなる虞がある。そんなところに無理して舗装道路を作らなくても、自然観察の場にして上手く活用するほうが賢いと思うのだが、意見聴取会で行政の方が仰っていた「自然は作ることが出来る。」という面白い発想(もちろん皮肉ですが^^)があるのが困りものである。そのまま舗装道路にせずに残した方が観光にも活かせるのに。

 
 今回は冒頭からトラブル発生で開催が危ぶまれましたが、どうにか無事に終えることが出来た。
 参加されたみなさんお疲れ様でした。楽しめましたか?またこんな機会があると思うので、宜しければまた御参加下さい。
 

Copyright(C)2001-2011 All Right-reseaved tonari