TONARIの 色撮り撮りの「渓 谷・ 滝」

神之瀬峡・小庵の滝  02/4/14
広島県双三郡君田村櫃田

ボタンネコノメソウ 
 時々見ている広島県のHPの中の観光情報で、君田村の神之瀬峡に県内ではここだけしかいないというサンインシロガネソウがいると書いてあった。早速図鑑で調べてみるとかわいい花だったので行ってみることにした。
 
 これまたどこにいるか情報がないので(自生地を公開すると盗掘されるから当然だが)取り敢えず車が置けそうな神之瀬峡キャンプ場付近に目星をつけここを目指す。

 
 県道39号で君田村に入り、道の駅ふぉレスト君田でトイレ休憩とパンフなどで情報収集するが、詳細情報はなかった。道の駅を出てすぐを左折し、道なりに進んでゆく。道路脇の揺れるヤマブキの黄色い花と無数のスミレ、キケマンを見ながらのドライブで気持ちがよい。水が大変きれいで、沓ヶ原ダム湖はまるで鏡のようだった。途中山の中腹に大きな三次人形を見つけびっくりした。
 
 君田村の方に失礼ながら、道は思ったより整備されていてびっくりするが、奥に入ると当然道は狭くなる。離合する車もないので、道ばたに咲くミヤマカタバミ、イチリンソウ、スミレ、ヤマエンゴサク、キケマンをノーアクセル状態で車からゆっくり見ながら進む。
 
 神之瀬峡キャンプ場に車を置き辺りを散策する。古そうな橋を渡ると道らしきものがあるので登ってみた。
 

ミヤマカタバミ 
 相変わらずスミレが多いが、ミヤマカタバミ、ヤマルリソウ、チャルメルソウも見える。
 
 キャンプ場から見えた滝と同じくらいの高さまでジグザグに登ると多少平坦路になる。人が来ないのか道の真ん中にもスミレが咲いているので踏まないように進むのに苦労する。防空壕のようなところで道は途切れる。
ハシリドコロ 
 踏み跡を探しながら少し上まで行ってみる。
 朝早いので花弁を広げていないイチリンソウを見つけた。
 
 更に登ると有名な毒草ハシリドコロがこれでもかと言うくらいの群生を作っている(左の写真)。
 
 
 ボタンネコノメソウ、シロバナネコノメソウ、ワサビなども多く見られたが、肝心のサンインシロガネソウが見つからない。
 
 踏み跡もなく、道らしきものもあるが、歩きにくく沢登りになりそうなのでここで引き返すことにし、花を踏まないように気を付けながら下った。
 
 目当てのサンインシロガネソウは見つからなかったが、ハシリドコロを実際に見たことがなかったので収穫ありではあった。
 
 車に乗って高暮ダム方面に行ってみる。花の多さは相変わらずだが、渓谷も大変美しく何より水がきれいだ。神しか渡れないほどの峡谷云々と説明があったが、神がお住まいになる聖地という説明の方がしっくりする。広葉樹も多く紅葉の時期は最高ではないだろうか。
 
 車が来ないのをいいことにちょくちょく車を停めては花を探した。車道脇でもこれだけ咲いているのだから、良く探せば何かいるはずである。
 
小庵の滝 
 車道を走っていると「小庵の滝」と標識が出ていたので早速寄ってみた。数分の階段歩きをした後、大きな滝に出る。
 
 説明も何もなかったが、落差20m程度だろうか。横幅はないが水量も勢いもある。ベンチもあったのでここで昼食を摂る。
 
小庵の滝
 
 次に高暮ダムに寄ってみた。大きなダムで辺りの渓谷も、ダム湖もきれいだ。説明板横のボタンを押して声で説明を聞く。「朝鮮の方と協力して…」とあったが、”協力”ではなく”強制連行”である。
 多くの朝鮮の方が犠牲になったそうだ。平和教育を受けている者が聞けば強制連行され強制労働を課せられたと想像できるが、知識のない人は本当に”協力”してできた友好のダムと勘違いするのではないだろうか。
 
フデリンドウ 
 ダムの堰堤を渡り少し歩いてみた。
 
 散りかけの桜と相変わらずのスミレが出迎えてくれた。他に何かいないかとよく目を凝らしているとスミレの青とは違う青い花が見えた。
 
 フデリンドウがいた。小さな花だがそれだけにかわいい。
 
 ダムの周りはまだ灰色の世界だが、新緑や紅葉の時期はお勧めできるだろう。
 

 
 後日、船通山でサンインシロガネソウを見た。ボタンネコノメソウと一緒に咲いていたので、神之瀬でもボタンネコノメソウが咲いている辺りをよく注意してみればいたのかもしれない。何せ小さな花なので、予備知識無しでは見つけ難かったのかもしれない。

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