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TONARIの 色撮り撮りの「渓 谷・ 滝」 |
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鬼の舌震 |
00/11/ 3 |
島根県仁多郡仁多町 |
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紅葉を撮りたいと思ってもまず紅葉を撮影する場所選びが大変大切となる。
車道沿いでもかなりきれいなところはあるが、迷惑にならないところに車を止めて、撮影ポイントを探し、また別の場所に移動して車を止めて撮影ポイントを探しと何回も繰り返すのは大変面倒である。
写真を職業にしている人(趣味でもかなり入れ込んでいる人)はともかく、目的地ははっきりしていた方がよい。
さて、10月は山の紅葉を満喫したので、この11月は段々とピークに向かう峡谷の紅葉をねらうことにする。
紅葉は水の流れとの相性が良く、また水の流れもまた紅葉によって引き立つ。広島県の有名な峡谷といえば、三段峡、帝釈峡などがあり、島根県、山口県と範囲を広げればかなりの数の峡谷がある。
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ガイドブックを見ても紅葉の頃が美しいとどの峡谷の紹介文も謳っているので判断の難しいところである。
今回紹介する「鬼の舌震」は島根県の東部 仁多町にあり、巨岩がゴロゴロ転がっている峡谷で一度行ってみたいと思っていたので、行く先を迷うならここだと決めてしまった。 |
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この日は前日に台風の影響で風雨が強かったので葉っぱが飛ばされていないか心配だったが、途中の山の斜面を見ても紅葉がきれいで特に影響は見られない。
一安心しながら山陰への道を急ぐと「おろちループ」につく。蛇がとぐろを巻くようにループが2重になっており、紅葉もまずまずの場所である。この日は曇りがちだったので日の光に紅葉が照らされないので発色は良くないが、赤い橋をポイントにすればいい写真になるかもしれない。
案内板に従って走り、9時過ぎに鬼の舌震の駐車場に着く。車はほとんどおらず、一番乗りではないにしろ人混みの中を歩く心配はなさそうである。駐車場はかなり広いので駐車場の心配はない(もっとも人が一番多い時を知らないので鵜呑みにしないように)。
駐車場から少し歩いて峡谷の入口に着く。ここには食堂があり、表に案内図がおいてあるので1枚もらう。
鬼の舌震に入るには少し下らなければならず雨に濡れた道を転ばないように下りて行く。途中峡谷を展望できるところがあるが、昨日の雨の影響で水が濁り、写真とはならない状況であった。川の側に下り「玉日姫橋」を渡る。水は濁っているが水量はあるのでそれなりに絵になる。
紅葉は少し時期が早いようで、紅葉している木はまばらにあるが、来週くらいがいいのかもしれない。
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まもなくして「烏帽子岩」に着く。
ここは鬼の舌震の紹介写真として使われる場所なので取りあえずカメラを構える。パンフと同じ構図というのは「作図」という点ではおもしろくないが、プロが良いと判断した場所であるからやはりそれなりの魅力がある。
烏帽子岩の名の通りの岩でとても存在感があるが、ただいかんせん周りの紅葉が今ひとつ色づいておらず、烏帽子岩のみを主役にする構成にするには不十分であるように思う。
渓谷の流れに目を移すと、この日は水が濁っているので清流を写すことは出来ないが水量が多いので水の流れに迫力があり、まさに濁流といった風だった。
濁流の勢いを表現しようと流れの部分を中心にフレーミングするが、水の流れすべてが白く写り失敗。水量が多い場合は高速シャッターがセオリーだが、朝の弱い光ではそれは難しい。
やはりいい写真にしようと思うと1日じっくり撮影するのがよいのだが、遠隔地にきてゆっくりも出来ないのでやむを得ない。
烏帽子岩からいくらか歩くと「雨つぼ」につく。水の流れによって岩がえぐられ、つぼのような穴があいているので、水の流れと組み合わせればおもしろうそうなのだが、残念なことに土砂によってそのあたりが埋まり、くぼみがある岩が点在するだけの場所になってしまっている。
自然の力によってそうなってしまったのだから仕方がないが、土砂はマサ土のようであり、崖崩れなどで埋まったのかもしれない。
なお、この付近から後ろを振り返るとそれなりの渓谷美が見られる。上を見上げると「小天狗岩」がそそり立っており、上流方面には巨岩がゴロゴロ転がっている。この辺が鬼の舌震の名の由来となった巨岩群であろうと推察されるが、写真的には作図が難しいので、目で耳で楽しんでもらえればよい。
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遊歩道は多少上に上がり、また
少し下ると「天狗橋」につく。鬼の舌震での撮影スポットのひとつである。
橋の上から上流方面を見ると手頃な岩が流れに点在し、両脇から木々が枝を伸ばしている。紅葉が進んでいればなかなかのポイントと思うがやはり色づきがもう一つである。
天狗橋を渡り、山道に入り、少し登ると「はんど岩」が見えてくる。絵になる岩であるが、その周りが雑然としているのでフレーミングが難しい。
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しばらく行くと川の側に下りてくるが、次第に水の音が大きくなる。
上でも書いているがこの日は水量が多いので水音がかなり聞こえていた。上を見上げると「大天狗岩」と呼ばれる絶壁がそそり立っている。こちらはそれなりに紅葉があり、期待していた紅葉+水の写真が撮れる。水は濁っているのが残念ではあるが、水の勢いがないよりはましなので良しとしよう。
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さて、この鬼の舌震を見て回るのは案内図によると1時間とあり、実感としてもその程度の距離であり、結構手軽なように感じた。写真を撮る人間はこの倍の時間はかかるが、歩いて見て回るだけならばそれほどはかからないと思う。
一部山道(遊歩道ではあるが)があるのでハイヒールなどは厳禁である(時々山道なのにハイヒールで歩く人がいるが……)。
案内図にはいくつか店があるように書いてあるが、実際に店を開いていたのは入口の舌震亭だけで他のところは廃墟状態である(すべて見たのではないので、もしかしたら開店していたかもしれないが)。
舌震亭では舌震そばを食べたが、山菜がたくさんのっていておいしい。
紅葉の最盛期にまたもう一度来てみたいところのように思った。
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