入渓

(80分)

障子タキ

(30分)

ナメラ滝

(10分)

三つ滝
下段

(30分)

三つ滝
上段上

昼食

(40分)

登山道合流

(35分)

駐車場
TONARIの 色撮り撮りの「渓 谷・ 滝」

十方山ウラオレ谷遡行 08/8/2
広島県山県郡安芸太田町那須

ウラオレ谷の流れ 
 十方山は大きな山なのでいくつもの谷があり、瀬戸の滝がある瀬戸谷などが有名だが、今回入った谷は那須地区から入るウラオレ谷。

 去年一昨年と行った奥匹見のまぼろしの滝探検隊のメンバーに女性お二人を加えて総勢5名での沢登りとなった。

 戸河内ICで滝花さんと合流し、瀬戸の滝入り口の十方山登山道の駐車場でRyohko隊長他2名の方と合流。滝花さんの車にみんな乗り、那須地区に折り返す。時間に余裕があれば十方山に登って下りることも考えられるので車を分けたのである。

 那須地区に入り、学校跡を過ぎて更に奥に進み、舗装が切れるウラオレ橋手前から山に登る舗装された林道を進む。突き当たりが少し広くなっていて駐車場のようになっている。十方山への道標があり、ここから丸子頭を経て十方山へ登ることが出来る。
 車はここに置いて、みんな沢靴に履き替え、ヘルメットをかぶり、指先だけ出た手袋をはめ、少し下ったきついカーブの所から沢に下りることにする。少しヤブ漕ぎをして下に下る。
 
 <ウラオレ谷遡行地図>

 赤い線が通ったと思われるコースですが、適当な感じで書いているので、細かいところは正確ではありません。概略を掴んでいただけるだけで結構です。
ウラオレ谷 
 大きな岩がごろごろと転がっている沢である。水の流れに足を浸すと冷たくて気持ちがよい。

 渓流シューズは久し振りなので、最初は滑らないかどうか注意して進むが、変な角度で足を置かなければ大丈夫だと体で感じたのでそれからは軽快に進む。

 小規模な滝や滝壺が所々に現れて、その都度シャッターを切っていく。

 沢登りで一番レフをぶら下げて登るというのは、おそらく邪道であるし、体力も余計に使ってしまうのだが、写真を写すのも楽しみで山に入っているので、本当に危険な場合以外はすぐに写真を撮れる状態にしておきたいのである。
ウラオレ谷 
 リュックサックの胸と腰の2本のベルトである程度固定して、首の所はカメラの重さを軽減するストラップを使って少しでも身軽にしている。

 金属ボディの防塵防滴仕様のカメラなので、少し岩にぶつけたり水がかかった程度では問題ない。もちろん水没は危険(笑)

 小さな滝の所で小休止し、再び歩き始める。

 渓流の中を進んだり、端を巻いたりしてひたすら進む。傾斜はきつくはないのだが、普通の山登りと違って、腕力とルート探索力が要るので、油断していると怪我をするため、安全なところを探して登って行く。
ウラオレ谷周辺の森 
 周囲は植林がずっと続く(左の写真)。随分広範囲に植えたものである。

 間伐が必要なのだが、ここだけでなく他の山も途方もない広さで植林されているので、これを間伐して保水力のある人工林にしようと思ったら、かなりの労力である。

 沢にはトチノキの大木が時折見られる。木漏れ日が差して気持ちがよい。

 上の方に作業路らしき段が見える。
ウラオレ谷 
 小規模な滝と滝壺があるところで休憩。Ryohko隊長からよく冷えたパイナップルの缶詰をいただく。

 標高も高いし、水の流れがあるので涼しいのだが、動いているのでさすがに汗をかいて疲れているので、甘くて冷たいものはちょうど良い。

 地図とコンパスを出して現在地を探してみるが、目標物はなく、流れ込む沢もなく、地形的特徴があまりない状況ではよく分からなかった。

 両側の斜面の傾斜がきつくなっているので、たぶんこの辺だろうとあいまいな見当をつける。コースタイムから考えればおおよその位置はあっていたようだ。
ガマガエル 
 休憩後再び歩き始める。

 時々どうやって進もうかと悩むところもあるが、案ずるよりも産むが易しで、実際に登ってみれば行けたりする。

 岩に手を置いたら、ちょうど日向ぼっこをしていた?カエルを掴んでしまったりした(笑)

 ちなみにこのカエルの背中を棒でさすると猫のように気持ちが良さそうにする。私はカエルだったが、Ryohko隊長はマムシに遭遇したそうで、カエルで良かったと安心する。
ウラオレ谷 
 谷の両側は植林の暗い森だが、川のすぐそばは落葉樹が続いているので、光が差すと輝くような緑色で清々しい。

 私が一番若くて沢登りの経験も一番浅いが、写真を撮りながらなので遅くなり、リーダーの位置である最後尾を進む。

 
障子タキ 
 やがて右手に大きな懸崖が出てくる。これが障子ダキであろう(左の写真)。

 岩の隙間にイワタバコが咲いている。

 花を探す余裕はないのであまり見つけられなかったが、イワタバコの他は、ヤマアジサイ、クサアジサイの蕾、バイケイソウなどが見られた。

 今の時期、日当たりの良い場所ではもっと多くの種類が咲いていると思うが、森の中で時期的に見られる花が少ない。
ウラオレ谷 
 右岸に大きな懸崖がある場所。

 滝壺が深そうなので、私はカメラを水没させないよう右手の岩を進む。

 
トチノキの巨樹 
 少し進むと、山の斜面に巨大なクスノキが現れる(左の写真)。

 かなり急な斜面なのだが、しっかりと根を張っている。

 幹回りは5m以上はありそうな風格である。
ナメラ滝 
 障子ダキを過ぎると、次の目的地のナメラ滝へは一頑張り。

 写真を撮る関係でしんがりで歩いていたら、先行の3人の方がこっちを見て待っていて、何かと思ったらナメラ滝があった(左の写真)。

 広い滝壺があってなかなか良い滝である。
 ナメラ滝
三つ滝手前の滝 
 ナメラ滝から少し登ると落差の大きな滝がある(左の写真)。

 滝肌が階段状になっていて登りやすそうだが、取り付きを間違えてしまって少し無理な体勢となってしまい往生したが、隊長に補助して貰って無事登ることが出来た。

 こうして後から写真を見ると簡単そうなのだが、カメラを出来るだけ濡らさないようにする分、体を反るので、ちょっと難しくなっていたようだ。
三つ滝(三段目) 
 その滝を越えるとこの谷最大の滝、三つ滝である。

 下段は広い滝壺のある直瀑(左の写真)。落差は5m以上?

 周囲は斜面が切り立っていて、上から見ればお釜の底のような地形。

 この滝は素人には登れそうにないので、沢登り素人の私と他2名で左岸の急斜面を登って巻くことにして、隊長+1名が下段の滝を登ることになった。

 急斜面だが、しっかりと木が根を下ろしているので登ることは出来るものの、体が維持できるか確認しながら慎重に登る。何せ高所恐怖症なので(^^;
三つ滝(上中段) 
 滝の落ち口と同じ高さくらいまで登り、次いで水平移動。ヤブ漕ぎを強いられるが、ヘルメットを頼って木の枝をこじ開けるように進む。掴む木を探っていて掌大の石が滑り落ちてきたが、腕をかする程度で済む。擦り傷が利き腕につくがこの程度はどうということもない。

 落差のある滝が続くが、左岸を高巻きしているので下りることなく進む。右手の沢に入って登るが、沢が違うと言うことで一旦下って左側の沢に入る。

 三つ滝を過ぎてもそこそこの滝は続くが、難しいところもあまり無く登れる。

 暑くなったので滝の水を飲んでみると冷たくて美味しいが、少し土臭い。砂が少し混じっているのだろう。

 ←三つ滝の上段と中段の滝(写真はRyohko隊長提供)
イワタバコ 
 そばにイワタバコが咲いていたので撮影(左の写真)。

 下段の滝からは危険なので一眼レフをリュックにしまっており、イワタバコを撮るまで写真は無し。

 体力と心に余裕があれば途中にも撮りたい場所があったのだが、リュックを降ろして一眼レフを取り出すほどの元気がなかった。

 

 次第に滝の規模が小さくなって細かな倒木に行く手を遮られるようになる。傾斜も緩くなって沢の変化が乏しくなってきた。
 お昼も過ぎていい加減お腹も空いたので、適当なところで昼食にする。デザートに隊長が負って上がったスイカをいただく。

 お昼を済ませてお腹が膨れたところで次の行程を検討する。
 三つ滝から南に向かったどこかにいる訳だが、標高も分からないし、明確な地形もないのではっきりと現在地は分からない。
 東の斜面に向かえば植林地の作業道に出ると思われる。しかし、もう少し沢を遡ってみようということになり平凡な沢を登って行く。
 大きな岩のあるところまで進み、いい加減ここまでにして、東の植林の斜面に登るとすぐに林務作業道に出たのでここで沢靴から登山靴に履き替える。

 作業路を北に進めばウラオレ谷のそばを通りながら登山道に合流するのだが、十方山に向かうことを考えて作業路を南に進んで、上の登山口に合流しようと言うことになった。しかし、少し南に進んだだけで作業路は終わっていて、急な東斜面の植林地をぐんぐん登る。やがて傾斜が緩やかになり平坦となる。地図で平坦な場所を見て大まかな場所を見当を付ける。とにかく南の尾根を目指していけば登山道に出るはずなのでどんどん進む。どのみち明確な地形がないと地図上で現在地は把握できないのである。
 
十方山登山道 
 まもなく無事登山道に合流。

 十方山に行く予定はあったが、時間も遅くなって瀬戸の滝には夕方になりそうなので(天気が崩れるという予報があったので)、那須地区に向けて戻ることにした。

 この登山道はかなりの急坂で登るのは大変そうだが、大きな木が散見されるし、道幅もあって歩きやすい。これは新緑や紅葉の時期は素晴らしいのではないかと思われる。

 植林地の中を登ってきたので、こういった落葉樹の森の中を進むのは気持ちがよい。

 ぐんぐん下ったら植林地の作業路と合流する。作業路へは細い木の枝を横渡にして通せんぼしてある。

 植林地の中を下って行き、小屋を過ぎてまもなく登山口の駐車場に到達する。

 無事生きて戻ることが出来た(笑)

 下山後は瀬戸の滝入り口まで車で移動して、みんなで瀬戸の滝を見に行き、その後解散。

 半袖で行った愚かな私は(笑)腕に擦り傷をつけて傷だらけになったが、大きな怪我もなく無事に済んだ。沢登りも3回目なのでだいぶ要領を得てきたが、やはり危ないところはあったし、沢登りは単独で行くのは無謀である。こんな機会がないと行かないだろうな〜参加された皆さん、ありがとうございました。
 
 

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