TONARIの 色撮り撮りの「渓 谷・ 滝」

山野峡 00/ 7/23
広島県福山市山野町

キツネノカミソリ 
 峡谷の見頃は一般に新緑と紅葉の時期とされるが、その他の時期に訪れることは多い。
 
きれいな水があると人が集まり、大きな滝でもあればますます人を引きつける。
 
 水に恵まれた日本では清流が多く、外国のそれに比べれば規模は小さいが、立派な滝も多い。
 
 今回紹介する山野峡は、広島県と岡山県の県境近くに位置し、立派な滝を有する峡谷である。
 
 避暑を兼ね、どこかの峡谷に行こうと地図上で候補を絞っていると、県境近くに赤い字で「山野峡」と書かれてあるのを見つけた。広島県の西部に住んでいるので東部にはあまり行く機会がないこともあり、ここに決める。
 
  車道は狭く、カーブで対向車と鉢合わせしないよう注意して運転し、山野峡の駐車場に着く。他の車も数台駐車しており、まずまず人気のある場所のようだ。駐車場から山野峡の入り口までは少し車道を歩くことになるが、山歩きをしている人間にとっては歩くうちに入らない。
 
 川に沿って上流を目指すが、入り口から少し行ったところでキツネノカミソリを見つけた(冒頭の写真)。一瞬変種のツツジかと疑ったが、後で調べてキツネノカミソリだと分かった。橙色の大きめの花で、撮り方によってはいい被写体になろうがツツジと同じで割と写真に撮るのが難しい。群生と言えるものはなかったが、ところどころ水の周りに咲いており盛期なのかもしれない。
 
竜頭の滝 
 
 峡谷自体は他の場所と比べて特筆すべきところはないが、のんびりと歩けて、なかなかいい峡谷だと思う。
 
 そろそろ川の流れに飽きた頃、山野峡の目玉、竜頭の滝に到着する。
 
 「竜頭」の名を冠する滝は多いが、ここの竜頭の滝は大変立派な滝である。落差もそこそこで、水量も多く、滝壺も広いのでいわゆる「絵になる滝」である。水量が多いため、流れ落ちる水によって生じる風が涼しく気持ちいい。しばらく滝の音を聞きながらくつろいでいたい場所である。
 
 撮影の方はというと、私は広角レンズを持っていないため、滝全体を写すことが出来ないので、2枚に分けて写してみた。そのため左のような写真になっている。
 
続けて撮るというのは難しく往々にしてこういうゆがんだ形になるが、何となく感じはつかめていただけただろうか。
 
 なお、竜頭の滝の近くから上の車道に出る道(階段)があり、もう一つ奥の滝に行けるのだが、撮影するとその滝の上流にある堤防という人工物が入ってしまうのでおもしろくない。時間に余裕があれば行ってもいいが、取り立てて行く必要はないと思う。
 
 ところで、立派な滝があるとその峡谷の「格」が上がるが、あると逆に「格」が下がるものがある。ゴミである。
 
 竜頭の滝の入り口付近に散乱するゴミが非常に見苦しい。きれいな場所だけに余計に見苦しい。悪いことにゴミ箱が設置されているのだ。
 
 自分が出したゴミは自分で持ち帰るというのは自然を楽しむ者の最低のマナーである。ゴミ箱があっても使わないのが「常識」である。残念なことに山登りをしていてもゴミを全く見かけない山というのは珍しい。若者だけが捨てているのかと思えば、常識があるはずの年輩者にも非常識人が多い。困ったものである。

Copyright(C)2001-2010 All Right-reseaved tonari