TONARIの 色撮り撮りの「紀行」

冬の姫路城をめぐる旅 2025年2月8日
兵庫県姫路市

姫路城
 お城好きになった息子君が行きたいと言っていた姫路城に行くことになった。自分が初めて行ったのはいつだったかなあと思い出そうとするが、天守閣までの道のりが長かったのしか覚えていない。修復を終えて白く輝く姿になってからは初めてである。

 日帰りなので宿探しの必要はなく、姫路城とその周辺のリサーチだけをする。巨樹巨木も行けるところがあればと思っていたが、今回は新幹線だから車でウロチョロできないので諦め…いやいや、お城は巨木の宝庫なので期待しておこう。

 呉は新幹線へのアクセスが中途半端で、広島か東広島かで迷うが、姫路はのぞみが停まらないので東広島駅からと思っていた。しかし、雪の予報が出ているので、運賃は高くなるが広島駅経由とした。帰りの時にこの判断が正しかったことが分かる。

 東広島駅から乗る予定だった「こだま」と同じ便に広島駅から乗るが、雪の影響で10分遅れている。自由席の空席は十分あり、本を読みながら1時間半程度で姫路駅に到着する。

姫路駅から姫路城


 改札を出て姫路城方面に進み、大通りの正面に姫路城を捉える。

 展望デッキがあるので2階に上がって撮影するが、意外と上に来る人は少ない。下を見ると、駅前のモニュメントで記念撮影している人たちが見えるが、高さがあると奥行きが出て絵になるので、ここからの方がお勧めである。

 駅から姫路城は1キロ程度なので歩ける距離だが、人気の観光地なので、少しでも混雑を避けるため早く行こうと「6番」のりばからのループバスに乗り(210円)、次の大手門前で下車する。

マンホール姫路城


 橋を渡って三の丸に入り、遠くに天守閣を見ながら進むが、桜の名所でもあるので、道沿いに大きな桜が多く見られる。傷んでいる木があるものの、これはどこの名所も同じである。


 チケット売り場は窓口と自動券売機の2つがあり、機械は外国語対応である。

姫路城姫路城
姫路城姫路城
 冬だからか思ったほどお客さんは多くなく、顔を映さないようにしたり、通行の邪魔にならないよう気を遣って撮影したりしなくても良いのは気楽であった。

 雪が少し積もっていたようで、日陰にはまだ雪が残っているが、他はほぼ溶けている。
 雪景色も良かったと思うが、足元がぐちゃぐちゃになるので、これくらいがちょうど良いだろう。
 混む可能性のある天守閣をまずは目指す。

 石垣は一部崩れているところもあるが、自然石を組み合わせて、間に小さめの石を組み込んだものが多いようだ。
 外国人観光客も多く、見所で、ガイドが外国語で説明していたりするのを横目に見ながら進む。

 天守閣のすぐ下に来て、ようやく天守閣に入れると思ったら、ここから一旦回り込む必要があり、すんなりと攻略できない作りになっている。ここに来るまでにも方向感覚を狂わされており、これは攻め難いだろうな~ここまでグルグルさせられる城は初めてかもしれない。


城内
 ようやく天守閣の内部に入る。土足厳禁なので、靴をビニール袋に入れる。スリッパは用意してあるが、歩きにくいから靴下だけにする。しかし、後々冷たさが足裏を麻痺させようとしてくるので注意。冬は厚い靴下が良いが、夏だとこの冷たさが心地良いだろうな。
 戦後に建てられたコンクリートのお城と違い当時のものが残っているので、資料の展示は最低限ですっきりとしている。

 混雑したら嫌だなと思っていたが、階段でも待たされることなく登ることができるので、この時期のお客さんは少なめのようである。でも、桜の時期は混雑がすごそうだ。

 天守まで来ると少し人は多め。
しゃちほこ
 柵があるので写真を撮るのには邪魔だが、安全上まあそれは仕方あるまい。
 鯱などが間近で見られ、姫路駅や播磨灘もうっすら見える。
 設置してある有料の双眼鏡に100円硬貨を投入して、息子君に覗かせる。
 双眼鏡を持ってくれば良かったかもしれないが、レンズが大きい方が良く見えるので、まあ良いだろう。

天守からの展望
天守からの展望天守からの展望

 展望を楽しんだ後は急階段を下り、今度は小天守を巡る。
 外の景色を見て方向を把握しているが、グルグル移動すると方向感覚が鈍るなあ。
 
小天守を出て見上げる
 天守閣を出て順路通りに坂を下っていくと広場になっている備前丸に出るが、その端に、巨樹巨木好きにとって目に留まるエノキの巨木が立っている。

 観光客が多いので地面が踏み固められるので巨樹へと生長するかどうか心配ではあるが、樹形もよくカッコイイ。姫路城のシンボルツリーになってくれるといいな。
エノキの巨木
備前丸出口から天守を見上げる


 ここは天守閣の真正面なので恰好の記念撮影スポットである。
 私も妻に撮影してもらったが、撮り慣れていないので構図が…最初の頃は私もそんなものだったけど…後でトリミングすることにする。「重い…」と言われたが、一眼レフの時はもっと重かったよ…


 広場を通り抜けて回り込むように降りてゆく。ミカンの木があるなと撮影したら、その付近に櫓があり、そちらは立ち入り禁止になっていた。

ミカン
備前丸を出て下るお菊さんの井戸から天守閣


 更に下っていくと、怪談で語られる播州皿屋敷のお菊さんの井戸があり、結構大きくて深くて驚く。
 まあ、この規模のお城の井戸だからこれくらいないと賄えないと思うが、怪談のイメージだともっと小さい感じがした。
 この辺からも天守閣が正面に来るし、桜の木が集まっているので、花の頃は絵になりそうだ。
 


 天守の位置は確認しているのでおおよその場所は把握しているが、迷路のような印象を受け、次はどう行くかなと迷う。

 石垣の下を潜る道があったのでそこに向かい、頭を屈めて外に出る。う~ん、こういう場所は面白いな。探検している気分になる。

 出たところの石垣には、斜めに石垣の継ぎ目があり、増築した跡のようである。

 カクカクとグルグルしながら元に戻り、今度は西の丸の百間廊下へ向かう。
サザンカ石垣の継ぎ目
西の丸からの天守大きな桜

 西の丸に登る坂から振り返って見る天守閣が絵になってカッコイイなあ~と思えば、姫路城を映す場合の定番スポットのようである。
 絵になるところは、やはり万人の目に留まるのである。こちらは大きな桜が多く、花の時期は華やかだろう。
 
百間廊下
 南側の櫓から中に入るが、ここも土足厳禁なのでビニール袋に靴を入れる。
 西側の防御のための建物で、百間櫓とそれをつなぐ廊下が続く。
 所々の部屋で展示があるのでそれを見ながら進む。靴下だけだと足裏が冷たいが、夏場は風が通って気持ちが良さそうな感じがする。
閉じられた出入り口
椿


 百間廊下を出て西の丸を後にする。
 石垣のところに標識があり、石に刻まれた模様(五芒星など)を示している。
 探すといろいろなものがあちこちにあるのだろうが、そこまでのマニアではないのでこの辺で。

 次は有料のところを後にし、三の丸側に出てすぐの売店でお土産用にお城のフィギュアとピンバッジを買い、息子君が腹切り丸を見るというので東に進む。
五芒星の刻印

帯の櫓下の石垣
 お城は専門外なので大して調べていなかったが、すでにそのそばを通っていたらしい。

 そう言えば立ち入り禁止になっている櫓があったがそれのようで、翌週に公開されたようだ。タイミングが悪かった。

 なお、腹切り丸ではなく、帯の櫓が正式名所のよう。

 結局下から見ることになっただけである。
 こちら側に下る人は少なかったが、ここから見る石垣は高く、スケール感があって良かった。意外とこの石垣を見たことがある人は少ない?
姫路市立美術館姫路市立美術館


 元に戻るのも癪なので(?)そのまま東に出ると、レンガ造りがきれいな姫路市立美術館に出た。
 このレンガ造りは広島市にある被爆建物の旧陸軍被服支廠とよく似ている。時期的に同じくらいの時代の建物か?
 庭には彫刻が設置されており、レンガの建物の雰囲気とよく合っていたので、興味のない妻と子供を残して一人彫刻の撮影をする。
 独りならじっくり撮影したいところでが、そういう訳にもいかないのでパッパッと撮る。展示も観たかったな。
 

城見台公園から天守


 ここから南に進む道沿いにも彫刻が点在しているのでこちらもパッパッと撮影。
 普通の観光客は気にしないのだろうが、巨樹巨木に続いて最近は彫刻にも反応するようになった。家族にとっては迷惑かもしれないが、手早く撮影するのでご勘弁。

 城見台公園には鯱が設置していて、天守閣と一緒に撮影できるようになっているので記念撮影する。青空が良かったな^^

イーグレひめじから姫路城を展望姫路おでん


 その後は昼食にしようと、大手前公園を越えてイーグレひめじへ移動し、しらす丼と姫路おでんのセットを食べる。
 姫路おでんは串に刺さった状態で、先には天守閣を模したこんにゃくが刺さっている。生姜醤油で食べるのだが、こういう食べ方も良さそうである。
 作り置きだろうが、出来れば温かい方が良かったかな、お値段も良いのだから。

 昼食後は屋上までエレベーターで登り、姫路城の全景を展望する。広々としていて、順光で全体像が分かる良い展望スポットである。
 小雪が混じり、黒い雪雲が流れる天気だが、時折日が差してお城にスポット光が当たり、冬の日の凛とした雰囲気となる。
 お客さんは我々の他に1グループ居たぐらいだし、穴場のような感じがする。
 ハイシーズンだと違うと思うが、狭苦しくないので、姫路城の展望を楽しむのにはちょうど良さそうである。
 

柳原義達 ≪道標・鳩≫


 後は帰るだけなのだが、予定より早いので私の彫刻撮影に少し付き合ってもらう。

 姫路駅から姫路城までの直線の大通り両側には野外彫刻が並んでいるのだが、一人ではないので、片方だけの撮影にする。

 まずはお土産屋さんを物色してから撮影に取り掛かる。


 しかし、ライトアップをする関係か、台座にライトがついていたり、コードがぶら下がっていたりして作品への敬意が見られない状態である。
 あぁ、行政がすることは美的センスが欠如していて、ライトアップしてそれらしくすれば良いくらいしか考えていないのだろう。

姫路城 中濠跡
 普段なら余計なものが写らないよう工夫して撮影するのだが、家族連れでパッパッと撮っていくので時間がなく、証拠写真レベルになってしまった。撮り直ししたいな~

←途中にあった石垣

 駅に着くと目星をつけていたお店でアップルパイを買う。フレッシュ感があって美味しかった。

 続いて、駅のお土産が集まっているところで買い物をする。
 新幹線駅のお土産屋さんとしてはお客さんが少ないように思えるが、こんなものか。


 帰りの切符を買うのに自動券売機を使う。
 朝、自動券売機で切符を購入した時に往復にしたのだが、特急券は片方しか買えていなかったので、特急券だけを購入するイレギュラーな操作となり、よく分からず何度か失敗してやり直した。
 混んでいなかったので窓口が良かったかな。
 人が相手だとスムーズに出来るのに、機械だけになると滞る。
 慣れると機械だけの方が早いが、たまにしか使わないからなあ~まあ、時代の変化に適応しないといけないのだろうが。

 1436分のこだまに乗ろうとホームに上がってみると、13時台ののぞみの案内が残って出ており、90分遅れとある。
 あぁ~こんなに遅れているのか。雪を甘く見ていた。
 これは困ったな~としばしホームに居ると、のぞみがやって来るというアナウンスが。
 この分だとこだまは大幅に遅れるので、のぞみに乗ることにした。
 自由席は少ないので座れるかな?と思ったが、意外と空いていて座ることができ、岡山で多くの乗客が下りた。
 ああ、広島止まりだから少ないのかと、ちょっと納得。
 東広島から乗っていたら、こだまに乗り換える必要があり、結果として広島駅経由にして正解だった。
 雪の日は遅れることを前提に動かないとダメなのだな~一つ賢くなった。

 姫路は新幹線を使えば身軽に行くことができる場所であるが、それだけに行く機会が少ないものである。
 お城観光のオフシーズンだったのかお客さんは少なめでスムーズに観光することができた。
 桜の古木が多かったので、花の時期に見てみたいが、大混雑だろうなあ。でも、機会があれば行っても良さそうである。
 


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