TONARIの 色撮り撮りの「紀行」

今治の旅(城・巨木・しまなみ海道) 2023年6月17日〜18日
愛媛県今治市

【6月17日】
多々羅大橋多々羅大橋

 城好きの子供の要望により、急に今治城に行こうという話になった。下調べする時間もあまりなく、宿泊場所や他に寄れる場所のリサーチも十分に出来なかったが、子連れでも行けそうな巨樹巨木も調べてある程度の行程を組む。子供は今治城だけで良いようであるが、いろんなものを観ておいた方が良いと思うので、いろいろと詰め込む。

 今治ならしまなみ海道の方が良かろうと高速道路で福山西まで乗り、案内に従ってしまなみ海道に入る。
 途中の瀬戸田PAで小休止したが、車中で多々羅大橋の鳴き龍の話をしていたためか子供が多々羅大橋へと歩き出したのでそのままついて行く。行くとは思っていなかったので調べていなかったが、近くにあるように見えても、実際の距離は遠く、片道15分くらいはかかる。日影がないので真夏はおススメできない。

 主塔(と呼ぶのかな?)の真下に来ると「鳴き龍」の案内看板があり、拍子木も設置している。手を叩いても反響するが、拍子木の方が良く分かる。
 反対側の主塔には以前行ったことがあり、道の駅多々羅大橋から歩いてグルグルと迷いながら歩いたものである。歩いて行くのなら瀬戸田PAから歩く方が楽である。

 時々通り過ぎるサイクリストを見ながら引き返すが、おそらく2〜3キロくらい歩いているので、朝から結構疲れる。
 鳴き龍に行った分時間を使ったので、予定を少し変えて、今治城に入る前に昼食を摂ることにした。
 

 来島海峡大橋を渡り、今治北ICで降りて今治城を目指して進み、今治城の少し北にあるうどん屋さんで昼食。四国のうどん屋さんでハズレは今のところ経験していないので、基本的にどこでも美味しいと思うが、広い駐車場があるお店を選んだ。

 11時に訪れたのに、入って少ししたらどんどんお客さんで埋まっていった。
 どうも人気店のよう。うどんは普通に美味しい。
 子供はざるうどんと単品のから揚げを食べて満足だったようだ。

 食べた後は今治城に移動して、お堀の東側にある駐車場に入る。有料駐車場だが、2時間くらい停めても200円と良心的な料金である。

 今治城は日本三大海城として知られ、そのうちの一つの高松城は行ったことはあるが、興味もなくそばを歩いた程度で行ったうちに入っていない。
 もう一つの大分の中津城はまだ行ったことはないので、まだ子供が城に興味を持っていたら行ってみようか。
 
今治城 今治城

 最初に少し周りを回ってみようかという話になり、天守には向かわずお堀沿いを北に進む。
 お堀には海の魚がいるというので、子供はそれを見たかったようである。
 最初は見つからないな〜と水面を見つめていたのだが、クロダイが近くにやって来て、スズキのような魚も見え、クサフグのような魚も集まってくる。
 どうも人がやって来たので、餌をもらいに集まってきたようである。
 池の鯉はよく集まるが、海の魚でも寄ってくるということは、それだけ餌を与える人が多いのだろう。
 餌付け禁止の標識はなかったと思うが、あげてもいいのかな?
 北東の隅近くには道路をくぐる川があり、海の水はそこから来るようである。
 餌になるものを持っていなかったが、子供は葉っぱを投げ入れて餌と勘違いさせる遊びをして楽しんでいた。
 このままお堀を一周するのかなと思っていたが、そこまで元気はないらしく、引き返すことになった。
 この辺からはお堀と石垣、櫓、天守、青空とまとめて見ることができるので、今治城が一番絵になりそうな感じである。
 
今治城今治城

 駐車場近くまで戻って天守に向かう。細長い一本道で防御のしやすさを考えたものだろう。
 突き当りには鏡石がある。渡りきると桝形があり、鉄御門をくぐってすぐにも桝形がある構造である。
 石垣は野面積みで大きな石〜小さな石までさまざまにあって上手く組み合わさっている。
 ここの石垣の特徴か、白い大理石を混ぜて使っていて日の光で強く反射する。
 
今治城今治城

 二の丸に入ると広場になっていて、藤堂高虎の像と天守を一緒に撮れるようになっている。
 大きな木はあまり期待していなかったのだが、大きなエノキがあった。やはりお城には大きな木が似合う。
 
今治城
 本丸まで移動して、天守に登るので入場料を払って階段を上る。
 ここは鉄筋コンクリートなので、木造建築の面白味はないが、資料は多く展示してある。
 詳しい人が見れば良いのだが、私はそこまで詳しくないので流して見学。
 
今治城
今治城今治城

 一番上まで上がって周囲の景色を楽しむ。今日の天気は晴れだが、霞がかかって遠くは良く見えない。北のしまなみ海道の橋は見えるので良しとしよう。
 天守閣からの展望はどこの城でも良いものだが、海が近いと殊更に美しく感じるものである。
 平城なので展望はそこまで期待していなかったが、予想以上に良かった。空気が澄んでいる時にまた訪れたい。
 天守と3つの櫓をめぐるスタンプラリーがあるので、子供がスタンプを押していく。
 
稲荷神社
 御金櫓は郷土作家による現代美術館になっているそうであり、訪問した時は松本奉山の水墨画の展示だった。名前は聞いたことがない作家だったが、余白の取り方が秀逸で、凡人なら余白に描き込みたいところなのに、敢えて余白を残したことによって空間の広がりや色を想像させ、最小限の筆で的確に景色を捉えている作品となっている。これは欲しいな〜有名な方のようだから高いだろうな。

 残りの2つの櫓、山里櫓と鉄御門・武具櫓へ。山里櫓では資料の展示。
 最後の櫓でスタンプラリーが完成して記念品のポストカードをもらう。

 ここではビデオ上映だけで、櫓の中を進むだけ。場所が広いので使いようによっては面白いことができるかもしれないが、使い方は難しいかな。

結局2時間くらいは居たので、最初に昼食をとって良かったようだ。
エノキ鉄御門
胴塚の楠 胴塚の楠胴塚の楠

 今治城を後にして、私の旅ではお決まりの巨樹巨木訪問に入る。向かうのは胴塚の楠。住所は今治市朝倉下。JAおちいまばり下朝倉を目印にすると良い。
 駐車をどこにすれば良いのか分からなかったので、近くのJAに停めて、後で買い物をしてお客さんになることにした。グラウンドを使っていない時なら車を入り口に停めても良さそうだが、どうだろうか?出来るだけルールには従いたいが、分からないことは多い。迷惑にならない程度なら構わないと思うが。

 目的のクスノキはグラウンドの隅にあり、クスノキらしい雄大な樹形で存在感を示している。
 幹回りはクスノキの巨樹としてはまだ小振り(他の樹種なら十分大きい)だが、十分に根を張れる場所にあるため今後は10mオーバーの巨大なクスノキとなっていくだろう。つる植物に覆われ始めているところからしてあまり手入れ的なものはされていないようだが、これだけ樹勢があるのなら大丈夫だろう。包み込まれるような木はやっぱりいいな。でも、我が子はもう帰りたい(ホテルに行きたい)ようで、樹のそばには来なかった。おいおい、こんなカッコイイ樹は少ないんだぞ。と思うが、興味がないならそんなものか。

 見学した後は駐車場として使わせて貰ったのでJAでお買い物。愛媛らしくみかん関係の商品が多い。
 暑かったのでジュレを買ったが、後味がさっぱりして美味しい。広島もみかんの産地だが、さすがに愛媛である。
 
タオル美術館 タオル美術館
  ホテルに入るにはまだ早いので、タオル美術館へ。

 山の中に宮殿のような建物があって驚く。結婚式場もやっているみたいで、さもありなんと納得する。有料のギャラリーもあるのだが、今回はお土産の物色がメイン。売り場も広く種類も多い。もちろんタオルの売り場は広い。お土産はここで選ぶのが良いかな。

 子供が早くホテルに行こうとしきりにせがみ、カフェでお茶でもしようかと思っていたのにそれもできず、お土産を買った後はそのままホテルに向かう。有料ギャラリーなどはまた今度時間がある時に来よう。

 ホテルは湯の浦温泉に取った。道後温泉まで行くのもアリかと思ったが、時間と燃料が勿体ないので治の温泉ということでここになった。チェックインは17時予定にしていたのだが、随分早くになった。
湯の浦温泉 しいたけのピザ
 旅行支援関係で8,000円くらい安くなる。
 論理的に意味不明なワクチン接種証明も陰性証明証も要らなくなり、本人確認だけでOK。
 しかし、お上がここまで頭が悪いとは思わなかった。

 明るいうちに温泉へ。最初は貸し切り状態でのんびりと湯につかる。
 少しして他のお客さんも来るが、混雑することはない。

 うちの子は好き嫌いが多いので、ホテルの食事で食べられるものが少なくて残すのが勿体なく、他に食べに行ける場所もあるので、朝食のみとした。朝食は和食なので、食べられるものが多いだろう。やれやれ、食べず嫌いは勿体ないな。

 ホテル近くにある四季の湯ビア工房に行き、しいたけピザをいただく。

【6月18日】
明堂のヤマモモ  宿を出発して今日の最初の目的地、明堂のヤマモモを観に行く。
 カーナビ通りに進むが、地図で想定したルートではのまうまランドに曲がる道の方が早いのだが、そこを過ぎて遠回りさせようとするのでUターンする。やはり事前に地図を確認しておいた方が良い。のまうまランドのそばを通り過ぎて広域農道をアップダウンし、左折して再び山をくねくね進む。
 入口に小さな看板と退避スペースがあるところを探して少し登ると、退避スペースのところに2台の車が。「えっ!朝早くに巨樹巨木めぐりの人が居るのか!」とびっくりするが、退避スペースは3〜4台停められるので車を停める。ガードレールが開いたところから少し道を下りると階段があって登り返す。

 説明看板によると一時期関西方面から参拝者が訪れて賑わっていたようで、お堂に行く道としてはしっかりとしていて整備されている印象がある。先に進んでいた人たちを追い越してお堂に到着。
明堂のヤマモモ
 行事があるのか多くの人が何か準備をしている。場違い感はあるが、人を入れないように淡々と撮影を始める。お堂入り口に株立ちの大きなヤマモモがある。予想通り実の時期だったが、落ちた実が多くてやや盛期を過ぎたようだ、樹肌を見ると他にもヤマモモの大木が多く、ヤマモモの神社のようである。

 ただ私は大失敗をおかしており、肝心の一番大きなヤマモモを撮影していなかったのである。何やら準備している人たちが多く、そちらにレンズを向けないようにしていたので、お社の裏にある目的の木を見落としていたのである。通常であれば他に大きな木が無いかと境内を回るのだが、今日は人が多くて気が引けていたため、肝心の木を見落としていた。やれやれ、事前に写真を観ていたのに何をしているのか自分。全然写真と違うのに気づかないとは。どうも人が多いのは苦手なので、視野が一気に狭まるのだ。この木とのご縁がないのかな〜もう一度来いということか。
ヤマモモの実
のまうまランド 野間馬
 同じ道を引き返してのまうまランドへ。
 野間馬は最も小さい日本の野生馬で一時期6頭まで減ったとのこと。軍用馬になる大きなものは軍隊が持って行くので、小さいものだけが残って民間で使われたようである。背が小さいが、体格はがっしりとしている。一頭だけ乗馬できるのだが、体重25キロまでということでうちの子はアウトだった。調教できる馬がおらず、今乗れる馬も高齢だそうである。

 代わりにモルモットを触るコーナーがあったので触らせてもらっていた。ここは無料だが、協力金を入れておく。乗馬は有料。小さい子を連れた家族が断続的にやって来ている。うちも近くにこういう場所があれば遊びに連れて来ていただろう。子供用の遊具もある。観光地ではないが、動物が好きなら立ち寄ると良いだろう。
野間馬
来島海峡展望館 しまなみ海道みかんジュース

 次は来島海峡大橋を撮影しようと来島海峡展望館に向かう。
 うちの子はすぐ家に帰りたいというが、私も撮影を楽しみに来ているのでそういう訳にはいかない。
 車に居ると言うので、妻を残して私だけ向かう。しかし、残念ながら曇り空なので証拠写真程度にしかならない。超望遠でも持って来ていたらやりようはあるのだが、標準レンズでは出来ることがない。
 売店を覗くとアイスクリームがあったので、車に戻って食べるかと訊くと食べるというので連れ出す。
 子供はアイスクリームを食べるが、大人はみかんの飲み比べセットにする。4種類あってそれぞれに味が異なり美味しい。

 橋を渡る前にガソリン補給をと思うが、日曜日は閉めているお店が多かったり、開いていても向こう側の車線だったりで、スマホで調べて営業している店まで行くが、結構時間を取られた。もっと早い段階で入れておけば良かった。
 
 しまなみ海道に入り、今度は大三島に向かう。目的は大山祇神社である。
 実はもう1か所、格好良いクスノキを見つけたのでそこに行こうと思っていたのだが、しきりに帰りたいという子供に少し譲歩してそこは諦めた。
 しかし、場所を調べていたので、高速道路上から姿を確認して、素晴らしいクスノキだと確認した。
 地図が頭に入っていると運転しながらでも分かるものである。またの機会とする。
 
大山祇神社 乎知命御手植えの楠
 大山祇神社に到着する。この時期は来たことがなかったが賑わっているようである。
 子供は帰りたいモードに入ってしまい少し険悪になる。
 「親の言うことに子は従え」とは思わないのだが、周りにある程度合わすことができないと困ることは多い。自分の考えを通すことは悪くないのだが、余計な軋轢を生じさせない立ち回りは必要であると思う。

 子供は放っておいて久し振りの巨大なクスノキの撮影をする。
 能因法師雨乞いの楠は枯死したままだが、存在感は変わらず。
 参道にある乎知命御手植えの楠は多くの葉を茂らせ、本当に樹齢2400年かと疑いたくなるような樹勢である。枯死している箇所はあるのだが、それでもこの勢いとは。緑が濃いなあ。
能因法師雨乞いの楠
大山祇神社
 本殿に入るところにマスク着用を促す看板がある。

 科学的には無意味なことだが、それがこちらのルールであればそれに従う。

 論理的に思考できない人が多いことがコロナ禍で良く分かった。

 別に神社を批判しているのではない。
 参拝客が多いところはより気を遣う必要があるので理解は出来る。
 それよりも各個人の問題である。
生樹の御門 生樹の御門
 お参りした後は生樹の御門を見に行くことにするが、依然として子供は嫌がるのでいい加減嫌になる。しかし、置いていくわけにも行かないので連れて行く。

 根元が門になってくぐれる樹は少ないのに、帰りたいモードになっていると感動はないようだ。

 無視して撮影するが、こちらも気が乗らず、じっくり向き合うことなく適当な撮影となる。とは言え、この樹を表現できるような写真はなかなか難しいなと感じる。

 周辺にあるミカンの木や、民家の庭先に咲くアルストロメリアや赤い紫陽花を撮影。神社の周辺にはビワがなっていたりする。
ミカンアルストロメリア
赤い紫陽花ビワの実
冷やしレモンラーメン
 道の駅でお昼にしようかと思ったが、立ち食いスタイルのようなので、大山祇神社を後にして瀬戸田PAで食べることにする。美術館にも行きたかったのだが、子供が嫌がるだろう。またの機会としたい。

 瀬戸田にも大きな木があるので、久しぶりに撮影に行きたかったのだが今回はまあいいだろう。

 しまなみ海道に乗って瀬戸田PAに入る。
 私は冷やしレモンラーメンを食べたが、美味しかった。
 レモンは一般には酸っぱいイメージしかないと思うが、ここのはみかんのような甘味が感じられる。良いレモンを使っているな。

 子供に振り回された感があり、行けるところも行けなかったので不満はあるのだが、こういう時期もあるだろうしまあ仕方あるまい。
 私としては、目的の巨木を見落とすという失態をおかしてしまい少し落ち込んでしまった。
 今治くらいなら再訪しやすいので、行けなかったところも含めて再挑戦したいな。
 

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