TONARIの 色撮り撮りの「紀行」

現代アートの島 直島の旅’12 2012年12月15日〜17日
香川県香川郡直島町

【12月17日】
直島の朝日直島の朝日
直島の朝日
 翌朝、晴れていたので、日の出を期待してオーバル棟の屋上に上る。

 肌寒いが、雲の上から日が昇ると盛んにシャッターをきる。

 ベストな状態ではないが、これだけ見えれば十分。

 部屋からも見えるが、外で迎える日の出の方が気持ちがよい。

 この日のオーバル棟はもう1組宿泊者が居たのだが、さすがに朝日を見には来ていなかった。まあ、初日の出でもないのに見に行く人は少ないか^^
かぼちゃ 
 草間彌生の「南瓜」も屋上から見下ろせる。

 300mm(450mm相当)の望遠レンズでこれくらいの大きさに写せるが、肉眼では、冒頭の写真左側のような感じである。

 散歩する人がいれば大きさの対比が出来て良いのだが。。。山歩きする人は朝が早いのだが、アート好きな人は早起きは少ない?
オーバル屋上朝のオーバル

 夜のライトアップされたオーバルも良いが、朝のさわやかな雰囲気も良い。
 ちなみにオーバルとは「楕円」のこと。さらにちなみに(笑)、普通のレンズでは全部を写すことはできない。魚眼レンズだから写せる写真である。
 
部屋からの朝日朝日と蔦 
 部屋に帰ってもまだ撮影^^

 建物に蔦が絡まっているので、朝日と蔦を一緒に撮影。

 外は寒いので、部屋から朝日を見るのも良い。
モノレールモノレール

 ↑朝ご飯を食べにモノレールに乗る。景色はまずまず。
 
朝ご飯花
 朝食は昨晩と同じ「一扇」。

 パーク棟のレストランでバイキングも良かったのだが、やっぱり移動が億劫なのでこちらに^^

 洋食にしたが、これは普通に美味しい。和食の方にした方が良かったかも知れない^^

 いや、500円高くてもパーク棟のバイキングが良かったかも?
 
 朝食後はまた作品鑑賞。
 昨晩美術館を見て回ったが、早朝の美術館というのも雰囲気があっていい。

 写真を撮る方は良くお分かりだろうが、朝の光はものを美しく見せてくれるのだ。宿泊しているからこそ味わえる爽やかな空気感である。

 一般の美術館もイベントとして閉館時間を遅らせたりしているところも増えているが、早朝開館も良いかも知れない。でも自然光を巧みに取り入れている安藤建築の美術館だから朝の光を活かせるのであって、それに対応できる美術館は少ないかも?ミュージアムからの展望
光る海
 観賞後、オーバル棟に戻る。
 モノレールは5分の道のりだが、乗り慣れてしまうと意外と短い。

 山頂駅?でようやくオーバル棟に宿泊していたもう1組と遭遇する。日本人かと思いきやどうも韓国人かな。外国人も結構多い。

 荷物を整理し、「また来るよ。」と言って部屋を出る。

 値段が値段だけにもう泊まることはないのかな?と思うが、定年後、もし蓄えに余裕があるならまた一度訪れてみたい。来るとしたら銀婚式くらいかな?同じ部屋にするか、別の部屋にするか悩みどころである。まあ、来られたらの話だが(^^;

 フロントでチェックアウトし、重い荷物だけは預かって貰い、あとで取りに来ることにする。

 月曜日の直島は、ベネッセハウスだけ開館していて、他の施設は全て休館なので、ベネッセハウス周辺の野外作品を見て回ることにする。
ジョージ・リッキー『ペリスタイルX』 
 シャトルバスでパーク棟に移動し、展示室を抜けて外に出る。

 無料ラウンジの前に出ると池とオブジェがあり、ゆらゆらと風に揺れている。

 野外作品は向こうに見えるが、ここから行く道がないので、建物の回廊の方に行くと扉があって、何か締め切られている印象。まだ時間が早いのかなと思い、ラウンジでしばらくお茶をし、10時になったので再び行ってみるが相変わらず。おかしいなと思って扉を開けると普通に開く。試しておけば良かった(^^A

 ここは宿泊者と一般の人との境界になっていて、展示室方面は部屋の鍵がないと行けないようになっている。もうチェックアウトしたので部屋の鍵はないが、もう戻ることもないだろうとそのまま進む。

ニキ・ド・サンファール「腰掛」カレル・アペル「かえると猫」
 回廊にも作品があって、須田さんの薔薇とか、他にも作品がある。ミュージアムショップでお土産の候補を物色し、野外作品を見に外に出る。
 
 野外にはポップな作品が点在している。

 ミュージアムショップを出てすぐにあるのがニキ・ド・サンファールの『腰掛』。左側の新聞紙を広げている作品である。

 たぶん多くの人が隣に腰掛けて覗き込むように記念撮影をするだろう(笑)。
ダン・グラハム「平面によって2分割された円筒」
←また、透明な円筒状のオブジェがあり、中に入れるようになっている。ダン・グラハム『平面によって分割された円筒』。

 中に入ると半円になっていて、もう片方には行けないようになっていて、その境に自分たちの姿が映る。でも、透けた向こう側は見えるし、何か変な感覚。

 向こう側に見えるのがパーク棟。
ニキ・ド・サンファール「象」ニキ・ド・サンファール「会話」

 作品の写真を撮りながら歩こうかと思っていたのだが、急に小雨が降り出し、我慢するのには微妙な強さ。でも、直島のランドマーク?草間彌生の黄色い『南瓜』は見ないで帰る訳にはいかないので、海に突き出した南瓜のある場所へ。
 
草間彌生「南瓜」草間彌生「南瓜」

 写真では何度も見ているし、オーバルからも見下ろしていたが、実際見てみると思いの外存在感がある。
 今日は天気が悪くなったので残念だが、絵になる作品である。是非とも青空の中で撮りたかったのだが…。

 ちょうどカップルに写真を頼まれたのでパシャリ。スマートフォンのカメラだったので、ちょっと難しい^^しっかり持つところが無いし、落としてしまいそうでどうも苦手^^やっぱりファインダーを覗いてシャッターをきる方が写真を撮った気になる。

 せっかくなので我々も記念写真をお願いする。重いカメラなのでちょっと気が引けるのだが、上手に撮ってもらっていた。まあ、広角レンズだったので、変に写されてもトリミングするつもりだったが(笑)
  
 雨が強くなったのでシャトルバスの停留所で少し雨宿りし、少し弱くなったので再び『南瓜』へ。

 先客が2名居たのだが、記念撮影して欲しそうなそぶりが見えたので声を掛ける。日本語が通じなかったので外国人だろう。シャッターを押すジェスチャーで意味が通じた。

 持っていたのは一眼レフで大きなレンズがついているカメラだが、小さなスマートフォンよりこちらの方が扱いやすい。私のカメラの方が重いし^^ 人物が主役になるように撮影したのだが、『南瓜』が主役の方が良かったかな?
 
ビーチ
 お土産を買って帰らないといけないので、再びミュージアムショップに行き、お土産を購入。

 一応新婚旅行と言うことで配るところもそれなりにあるので、何だかんだ買ったら1万5千円も!お土産でこんなに買ったのは初めて(^^A

 ミュージアムショップは割高な値段設定だし…でも、直島っぽくアートなお土産が面白いし…まあ、一生に一度のことなのでいいか(^−^)

 ミュージアム方向に進みたいが、雨がちょっと強いのでパーク棟に戻ってシャトルバスで行くことに。

 建物の中を通りたいが、鍵がないし、外の道を通って濡れながら進む。バスの時間を聞くと、今日はベネッセ以外休館なのでシャトルバスはないのだとか。仕方なく傘を借りてミュージアム方面へ。歩くのはあまり苦ではないので、大した距離ではないのだが、雨が降るので長く感じる。
 
ジョージ・リッキー「三枚の正方形」

 屋外作品を撮影したかったのだが、この雨の中だとテンションが上がらず証拠写真的に撮影しただけ。昨日撮っておけば良かったと思うが、今日は晴れの予報だったしな〜
杉本博司「タイム・エクスポーズド ミルトア海 スーニオン」
 海のそばまで降りて桟橋に乗る。

 正面の崖に杉本博司の作品があるが、説明もなくこれを観ても何が何だか分からないだろうな(笑)

 ベネッセハウスは当初、船でこの桟橋まで来てもらい、屋外作品を観ながらミュージアム棟まで登るというイメージで設計されていたそうで、建物の立地からみてもそういうイメージ。船でホテルに入るなんてセレブだな(^0^)

 船をチャーターするなんてことも出来るそうだが、庶民にはそんな贅沢は出来ない^^
・大竹伸朗「シップヤード・ワークス 船尾と穴」大竹伸朗「シップヤード・ワークス 切断された船首」

 ミュージアムに戻って傘を返し、荷物を受け取る。バスの時間を聞くと少し待つよう。
 妻はミュージアムショップに買い物に行ったので、その間荷物の番をする。後で気づいたが、自分用のお土産(記念品)を買うのを忘れていた。直島らしいグッズを買っておけば良かった^^

 一旦パーク棟に戻り、また無料ラウンジ(笑)でハーブティをいただく。宿泊者は無料なのでこのラウンジは使える^^

 時間になったので宿泊者用のバスに乗って宮浦港へ。ベネッセハウスに泊まるのはなかなか出来ないかも知れないが、屋外作品を散策するだけならタダだし、また来ることもあるだろう。
赤かぼちゃかぼちゃ内部

 宮浦港に到着し、10分程度で宇野港行きのフェリーに乗れるのだが、草間彌生の赤い南瓜と、大竹伸朗が手掛けた「「I?湯」」を見ていなかったので次の便に乗ることにする。

 あいにく雨がまだ結構降っているので、青空をバックにして南瓜を撮影することが出来ず残念。中に入ることもでき、水玉が窓になっているので顔を出して記念撮影。雨が降っていなかったら…(−_−;
 
「I?湯」「I?湯」

 ちょっとお腹も空いたので道の駅の食堂?でうどんをすする。ここは手打ち麺だろうかもちっとしてコシもあって美味しい。

 小腹を満たしたら「I?湯」へ。地図を見て方向は大体把握していたので、民家の間の細い道に入って、この辺だろうと曲がって歩いて行くと、写真通りのいろいろなものが混ぜ合わさったような賑やかな建物が。
 休みだからか業者の車が玄関近くに停まっていて、ちょっと邪魔^^
 「はいしゃ」もそうだったが、このごちゃごちゃした賑やかさは完全に大竹ワールド^^
 個人的には好きな作品ではないが、内部の銭湯も面白そう。今度時間の余裕のある時に入ってみよう。

 道の駅に戻ってお土産を物色し、出港の時間が近づいたので桟橋へ。この便は小型船だったので、フェリーの桟橋ではなく、少し離れた所の桟橋で乗る。結構お客さんが居て満員に近い。疲れが溜まっていたのか、船の中では殆ど居眠りをしていて、気づいたら宇野港近くだった^^
 
宇野のチヌ 
 船着き場は産業振興館近くで、『宇野港のチヌ』に少し近いので早速観に行く。

 駐車場の端にあり、人気もなく閑散としている。フェリー客が発見して楽しむというスタンスか。

 でも、近くで見ないと、どんなもので作ってあるか分からない。この作品も廃品で作られていておもしろい。
捕りもの? 
 ふと海の方が騒がしいので見てみると、海上保安庁?の船がサイレンを鳴らして船を追いかけていた。

 何事かとしばらく見ていると、追われている船が猛スピードを出したり旋回したりして海上保安庁の船を振り切ろうとしていた。

 ようやく諦めて停船。

 向こう岸では人だかりがあり、係留している船に捜査員?が乗り込んでいるよう。

 密輸・密漁?

 旅の最後でこんな場面に遭遇するのは幸不幸?

 ともあれ車に戻り、帰路につく。

 カーナビに任せると、来た道と全然違う道を通らされ、何度も何度も右左折させられる。来たときは数えるほどだったのに…カーナビ任せはいけませんなあ。

 途中で道の駅に入るが、今日は月曜日なのでお店が閉まっている…月曜日の旅は面白くないな(^^;
 ちゃんと調べればあっただろうが、めぼしい巨樹巨木情報もなく、時間に余裕があれば倉敷でも行けたのだが、明るいうちに帰ろうということで、後はただ帰るだけになり、無事に帰宅。

 休みが取れたならもう一泊して他の島にも行きたかったのだが、他の島は別の機会にする。

 広島県人が新婚旅行で瀬戸内の島を選ぶというのも稀なことだと思うが、オフシーズン故ゆっくりと作品を楽しめながら回れたのは良かったと思うし、普段なら泊まろうとも考えない一泊2万円以上のホテルに泊まり、またアート作品に囲まれて特別感が味わえた。

 懐に余裕のある方にとっては^^どうということはないだろうが(笑)、それが当たり前だと特別感が薄まるし、庶民は庶民で楽しめば良い。2013年の瀬戸内国際芸術祭でまた作品も増えるだろうし、行きたいと思っている島もあるので、我が子が充分長い距離を歩けるくらいの年齢になったら再訪してみよう。
 
−おわり−

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