TONARIの 色撮り撮りの「その他」

三瓶山をめぐる旅(登山・サヒメル・巨樹) 2022年7月17日〜18日
島根県大田市 三瓶山周辺


 うちの子が幼い頃、恐竜に興味を持っていたので、三瓶自然館サヒメルの恐竜展に行ったことがあるのだが、新聞に恐竜展の広告が載っていたので久し振りに行ってみることにした。今は火山にも興味があるようなので、火口に降りられる山はそうそうないこともあり、火山だと実感しやすい三瓶山に登るのも面白いだろうと考えた。

 天気がイマイチよくないようで、天気予報とにらめっこしながら予定を立て、1日目は天気が良さそうなので三瓶山に登り、翌日は雨なのでサヒメルを見学することにする。三連休で宿が取れるかどうか心配したが、土曜日になっても空室があったので大丈夫だった。コロナの影響だろうか。

 国道54号線を北上し島根県に入る。しばらくこちら方面に来ていないので、お店や建物など、あれが無くなった、これは新しく出来ているな〜随分と久し振りだな〜と思いながら運転する。赤名湿原に行くときは必ず寄っていた道の駅赤来高原でトイレ休憩して、昼食用のパンを購入。ここのパンは美味しいのでお勧めである。
 道の駅を出て少し北上し、赤名湿原に行く時と同じように左折し、突き当りを右折する。赤名湿原の場合は少し先を左折するが、このままの県道166号線を進む。途中の九日市地区で久し振りに枝垂桜の前川桜を確認。ここの桜はいいな〜花の頃に来たいな〜道路を覆いかぶさっているので枝先を伐られる可能性があるのが心配である。ナビに従って進み、美郷町で三瓶山に向けて県道40号線に右折した、ここから一気に高度を上げていく。三瓶山の周回道路に出て右折し、東の原を目指す。

 三瓶山へは下から登るのも良いが、子供連れなので、今回は楽ちん登山でリフトを利用することにした。一時期リフトが使えなくなっていたが、現在は運航している模様。維持管理費は安くはないだろうが、気軽に登れるリフトがあるかないかでは観光客数が違うだろう。登山客はリフトが無くても登るが、気軽に登りたい一般客はここに来る目的が無くなってしまう。
 

 駐車場はまだ空きが十分にあるので、両側に車が居ないところに停め、登山の準備をして歩き始める。山の中にはトイレはないので、ここで済ませておく。
 リフトは片道券もあるが、子供の体力がイマイチ掴めないので、楽ちん登山で往復券を購入。リフトは怖がるかなと思ったが、小学生高学年になると問題ないようである。

 リフトはゆっくりと登ってゆく。天候は少し心配だがなんとか大丈夫そうである。オオバギボウシの群生や、ヒヨドリバナなどが見える。途中でリフトが停まってしまいちょっと不安になったが、少ししてから再開する。
 山が近づくと傾斜が増して背後の景色も広く見渡せるようになる。最後の降りるところがちょっと怖いが、スタッフがサポートしてくれるので問題ない。降りたところで、登山者用の道に少しだけ入って撮影。展望が良いので、草原の山は気持ちがいいな。

 大平山方面に少し登ると分岐になる。
 右が女三瓶へ、左が大平山で、一般観光客はそちらへ進む。真っ直ぐが室の内の展望台だが、木々に隠れて室の内は見えない。斜め左に進むのが室の内への道である。登山の装備がないと入らないよう注意書きがあり、この道を下ってゆく。

 ところどころに案内看板があり、三瓶山の自然について学べるようになっている。

 以前はあまり気にしていなかったのだが、説明にある通り、カシワが非常に多い。こんなに群生?しているところはあまり記憶にない。

 途中で黒いヘビに遭遇してびっくりする。息子君によれば初めて実物の野生のヘビを見たそうである。

 平坦路になり、少し進むと室の内の池である。

 生き物は一部の例外を除いて棲むことができない池であるが、今はクサレダマが咲いていてきれいである。湿原の花ではないが、オトギリソウもきれいに咲いている。

 今日は天候がイマイチなので周囲の山がはっきりしないが、今、火口にいるのだと思うと不思議な感じがする。

 子供が「鳥地獄」が気になるというので、分岐を風越峠方面に左折して進んでいく。
 「鳥地獄」というからどんなところかと期待するが、何も言われなければただの草原のような感じであるが、現在でも火山性ガスが噴出して、鳥が死んでいることがあるのだとか。おそらく登山道は危険なところからは離れたところを通していると思うが、三瓶山は活火山なのである。
 

 体力が十分なら室の内を西進して子三瓶と男三瓶の間の峠に進み、子三瓶、孫三瓶、大平山と回っても良いのだが、子供の様子を見ると無理そうなので、そのまま風越峠へ向かい、孫三瓶に登って帰るコースにした。

 この日は湿度が結構高いのか、汗をよくかき、暑さでシンドイ登りとなった。体力的には問題はないのだが、この湿気は気分的にシンドイ。「あそこが峠だ、もう少し」と思っても意外と時間が掛かるのは登山あるあるだろうか、汗を多量に流して気持ち悪いので時間が長く感じた。
 
 
   
 ようやく風越峠に到着。名前の通り風が良く通るので涼しい。汗を乾かすのを兼ねて休憩とするが、お腹が空いているので、赤来高原で買ったパンを食べる。ああ、やっぱりここのパンは美味しいな。疲れているので余計そう感じる。孫三瓶で昼食にするつもりだが、ここで半分を食べてしまった。
 汗をかいたのでお茶も多めに飲む。真夏の登山では500mlでは少ないな〜でも、今日はあまり長く歩かないので問題ない。汗を多量にかいたといっても、アウトドア用のウェアなのでサラッと乾く。
 室の内に降りても登山者には会わなかったが、稜線を歩く登山者は多いので、何グループかとすれ違う。室の内に行く人は少ないようある。ここが火山だと分かる場所ではあるが、稜線歩きの方が景色が楽しめるので人気がないのだろうな。
 
 
 
 ここから孫三瓶に登る。
 傾斜はきつめだが風が通るので気持ちが良い。

 カワラナデシコ、ハギ、ウツボグサ、ヒヨドリバナ、ショウマなどの花が咲いているが、これからが盛期かな〜まだ花が少ない感じがする。

 急坂であっても景色がある分、気持ちは楽である。パラパラと雨が降ってくるが、霧の粒が当たっているような感じで気にせずに登る。快晴だったら景色が良いのだが、霧に包まれた天候は涼しくて夏場にはちょうど良い。写真を撮るなら快晴であって欲しいのだが、霧の雰囲気もいいものである。

 大きなミミズにビックリしたりしながら登り、ようやく孫三瓶に到着する。
 
 晴れていれば展望は良い。そこそこ山頂部は広いので、団体さんがいなければ腰を下ろすのには十分な広さであり、ここで昼食とする。他には若者のグループがいるくらいでのんびりとした空気が流れる。雨の方は大丈夫なようで、子三瓶は雲に隠れているが、時間が経つにつれて雲が流れて山頂部が見えるようになる。ずっと雲の中だった男三瓶は完全には晴れなかったが、時々顔を見せてくれる。

 子供に双眼鏡を渡して覗かせる。西の原方面を見ると堰止湖の浮布池が見えるので子供に教えるが、よく分からなかったよう。私は事前に下調べしているので、地図が頭に入っていると見つけやすいのである。
 
 
 
 昼食後は大平山を目指して出発する。

 登りが急だったように下りも急である。子供も難儀しているようだが、以前に比べて尻餅をつかなくなっているような気がする。

 急な下りに嫌気がさし始めたころ傾斜がゆるくなり、途中で室の内に下る道と交わるがそのまま進む。再びの登りとなるが、孫三瓶に登るのと比べると楽である。

 なだらかに登ってゆくと大平山に到着する。
 
 
 ここは一般観光客が登ってくるので周辺が整備されていて、展望所が作られている。
 男三瓶は相変わらず雲の中だが、晴れていれば、火口を取り巻く山並みが見えただろう。
 東の原を見下ろす方は展望は良い。
 記念撮影のあとリフト乗り場に戻る。少しだけ状態の良いヤマアジサイを見つけ、また、開花時期としては早いのだがホツツジの花が一株だけ咲いていた。
 
 
 下る場合のリフトは、最初が結構コワイが、少し声を出していたが子供は大丈夫だったよう。あのスピードが乗る感覚はちょっとコワイ。
 すれ違うリフトは満載という訳にはいかないが、そこそこのお客さん。のんびりとして気持ちが良い。リフトに乗りながら咲いている花を撮影するが、まあ、動きながらなので証拠写真程度である。
 リフトを降りてお土産を物色にいく。遠出が少なくなったので、今のお土産の傾向がイマイチ掴めないのだが、以前よりオシャレな感じになっている。ソフトクリームがあったので子供に買ってあげたが、溶けるのが異常に早くて困った。

 
 ホテルに入るにはまだ早いので、下調べしていた巨樹巨木を観に行くことにする。

 まずは西の原へ有名な定めの松へ向かう。もう一本の巨木、片腕の松は枯死している。

 以前来た時にも目にしているはずだが、その頃はあまり興味がなかったので、写真にも撮っていなかったのが自分のことながら残念である。

 山の駅まで行くと車もたくさん停まっているし、草原でのんびりとしている人たちも多い。駐車場に車を入れて少し歩いて定めの松へ向かう。

 話には聞いていたが、葉っぱが茶色になっていて樹勢は衰えているのが明らかである。緑色の葉っぱも残っているが、いつ枯死してもおかしくない状況である。根回りに人が入れないようにしている。

 ただ、重量感は十分で存在感がある。こんな太い松はあまり残っていないので貴重である。いつまで生きられるかどうか分からないが、まだ生きているうちに会うことが出来て良かった。
 
 次に浮布池に向かうが、どうもカーナビの案内が分かり難く、道を間違えて右往左往して全く別のところに行ってしまった。事前に地図で確認していたのだが、枝道が多くて記憶できず、カーナビの画面では分かり難かった。迷いながらも到着。

 三瓶山が見える展望所で撮影。

 端の方で白鳥ボートがあり、子供が乗りたいというので桟橋に行ってみる。が、係の人がおらず、結局乗れなかった。お客さんがいない時間帯なのか、いつもこんな感じなのか。
 
 
 続いて大きなイチョウがある浄善寺へ。カーナビの案内通りに行くが、案の定、細い道を通されて到着。このイチョウは観光マップに載るほど有名な樹のようで、なるほど、でかい!イチョウはボサボサだったり、箒状だったりの樹形が多いが、この木は球状のきれいな樹形。樹勢も良いようで、葉のボリューム感がある。黄葉したら豪華だろう。その頃に訪れてみたいものである。

 お寺を後にして、県道に出てみると、何か見覚えのある看板が...先程迷ってここまで来ていたのだ。やれやれ。なぜカーナビは狭い道を通すのか。最短距離と少し遠回りでも通行しやすい道との判断が出来ないのだろう。AIが入ったら改善するのだろうか。
 
 
 取り敢えず予定の場所は廻ったので、少し早いがホテルに向かい、チェックイン。一番安い部屋でも良かったのだが、少しだけ広い部屋にした。

 食事と施設の内容からして値段はやや割高感があるが、こんなものかな。

 翌朝、食事を済ませた後、サヒメルの開館時間に合わせて宿を出発するが、開館時間を勘違いして覚えており、着いても扉は閉まったまま。それではと姫逃池に行こうと思ったが、家族はついてこないという。様子見しておこうと私だけで向かう。単独の方が動きやすい。山側に向かい、駐車場の中を横切って草原に出る。サヒメルの南側である。
 
 朝ということもあり、散策する人はちらほら居るぐらいで静かな場所である。

 規模としては大きくないが、木道は整備されていて自然観察が出来るようになっている。池の周りにはミソハギが多く咲き、池にはスイレンがたくさん咲いている。この分なら他の湿原の花も咲くことだろう。
 
 
 手短に撮影してからサヒメルに戻る。
 恐竜展は子供たちに人気があるので列に並んで入館。
 ところが、息子君の中では恐竜ブームはある程度過ぎ去っているようで、あまり関心を示さない。それよりも、三瓶山の成り立ちの説明の方が気になるようである。やはり小さい頃とは違う。成長しているということだろう。しかし、展示の中にあったクイズの方は面白いようで、何度も列に並んで挑戦していた。余程面白かったのか別の家族連れの番に割り込んで入ってしまい、こちらがハラハラした。後で注意したが、それほど気に入ったのだろう。埋没林の展示(冒頭の写真)などを見た後、プラネタリウムも観に行くが、帰りの車の運転があるので、私はこれ幸いにと仮眠をとる。

 サヒメルを後にして、昼食は国民宿舎のさんべ荘で割子そばを食べ、お土産を買って帰る。

 三瓶山は火山であることが体感できる特徴のある場所であるし、体力に応じてコースを選択できるので、家族連れでも登りやすい。三瓶山の周辺には未訪の巨樹もあるし、久し振りに男三瓶も登りたいし、また訪れたい。今度は天気の良い日に。
 

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