広島県の大樹


 ブナの森の四季 <秋>

黄葉のブナの中を歩く 
 紅葉と言えば11月を思い浮かべる人も多いと思うが、標高1000mを越える山々の色づきは10月中旬より見頃が始まる。

 この時期はブナ林のある山ならどこに行っても美しいが、やはり、その中でも比婆山のブナの純林は特に美しいので、またズルをして立烏帽子駐車場より歩いてみることにした。
 
折れたブナ 
 例年、車で登る時に見える紅葉も美しいのだが今年はあまり鮮やかさが感じられない。既に落葉した木々も多く、すっかり寂しい姿となっていた。

 今年は例年になく台風が数多く上陸し、多くの被害をもたらした。その台風は山の中ではブナの大木をなぎ倒し、葉っぱも色づく前に吹き飛ばしてまったのだろう。

 左の写真のブナの大木は、ブナ林に囲まれたベンチそばにあり、今までに数え切れないほどの登山者が目にした木であった。親しみのあるブナだけに切ない気分になるが、こうした事を繰り返すのが自然のサイクルなのだろう。

 
ユキザサの実 
 足元に目をやれば、鮮やかな赤いユキザサの実が垂れている。
 春には白い花をつけ、秋には赤く色づく。

 木々の紅葉のほかにもこうした季節の移り変わりを感じさせてくれるものがある。
ブナの大木 
 大きなブナを見つけたので、根元から見上げる(左の写真)。

 台風で力を奪われた木々もあるが、中には旺盛な生命力を見せているものもある。人の世も自然の世界も個々それぞれである。
ブナ林を歩く 
 登山道は落ち葉に敷きつめられ、そのしっとりとした秋の色合いの中を歩く。
ブナの根元 
 しっかりと根を張り、たくましく生きている木々。

 自然の中を歩くと、何か力を与えられているようだ。
 
 
 <04/10/17:比婆山にて撮影>
 

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