広島県の大樹


 ブナの森の四季 <秋>

黄葉のブナ 
 広島県に多い毛無山の名を冠する山のひとつ、芸北町の大暮毛無山に登ってみた。

 全体的に緩やかな歩きやすい道を1時間弱進むとブナ林が始まる。

 今年の紅葉はいまひとつ出来が悪いのだが、この山の木々は美しく色づき、この静かな森は穏やかな活気に満ちている。
朽ちつつあるブナ 
 谷を登りつめる道に入ると朽ちつつあるブナの巨木に出会った(左の写真)。

 中心部は崩壊し、外の皮だけで立っている状態である。

 ブナは短命と言われる。
 世界自然遺産に登録する動きのある福島県南会津の森では、林野庁が県に許可を得なければならないのに、推定樹齢200年というブナを無断伐採したと聞く。
ブナの巨木 
 樹齢は不明だが、この山もブナの老木を多く見ることが出来た。

 しかしこの山は、山腹を大規模林道が通り、遠くから見れば無残な傷跡を見せている。人々の利便のために為されているのだろうが、車道が着くことで不法投棄が行いやすくなり、森を分断することで「水みち」が変わったりして生態系に微妙な影響を与えるのではないかと心配する。

 この美しい森と紅葉を後の世の人々にも。
 
 <03/10/26:大暮毛無山にて撮影>

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