広島県の大樹

【樹齢】:不明
【樹高】:11m
【幹周】:2.8m
【指定】:
(被爆樹)


撮影日
2009.6.27
2010.4.3
2011.5.2
2017.5.3
2017.11.3
2019.5.2
2020.1.26
2022.5.5
 クスノキ科 <樟・楠>

広島城のクスノキ 広島県広島市中区基町 広島城公園

  (2009年6月27日撮影)
広島城の被爆クスノキ広島城の被爆クスノキ 
 広島城の北東、外堀の角に被爆したクスノキの大木で立っている。爆心地からの距離は1120m。

 爆風の影響か地上4mくらいのところで主幹が折れ、南側の枝が光を求めて大きく伸びている。

 樹皮が剥がれているところもあるし、あまり樹勢はよくない印象であるが、生き残ったところから展開された葉っぱは青々と生気に満ちている。 
広島城の被爆クスノキ 
 不安定な樹形は支柱で保たれているが、原爆と言う残酷な光と熱、放射線を浴びてもまだ生き続けようという生命力が感じられる。

 巨木が当たり前のクスノキにあっては小さな木であるが、存在感を感じさせてくれる大木である。
 広島城の被爆クスノキ

(2010年4月3日撮影)
広島城の被爆クスノキ 
 広島城の桜を見に来たので、この木の様子も見に来た。

 他のクスノキは既に新緑を出しているが、この木は葉っぱの展開が遅いようである。やはり樹勢はあまり良くないのかもしれない。
 広島城の被爆クスノキ

(2011年5月2日撮影)
広島城の被爆クスノキ広島城の被爆クスノキ
 桜の花の時期はあまり葉っぱが出ていなかったが、この時期になると葉が茂り、花が咲き始めていた。

 桜のように華やかな花が咲くわけではないので、気付かない人も多いと思うが、地味な花も結構キレイなものである。
広島城の被爆クスノキ 
 やはり樹勢は良いとは言えないようで、葉の茂りはまばらである。

 被爆樹木の中では好きな木のひとつなので、もっと元気に枝を大きく広げて欲しい。
 
  (2017年5月3日撮影)
   
 6年ぶりの訪問である。
 天気が良いせいで余計にそう見えるのだろうが、以前より元気そうな印象である。
 いや、良い変化が見える。
 根元にひこばえが生長し大きくなっている。
 ひこばえが生長してエネルギーが蓄えられれば更に生長するだろう。
 
 
 
  (2017年11月3日撮影)
   
 5月にひこばえの生長を確認したので、秋の様子を確認に訪れてみた。
 今日は青空がきれいで、お堀もあまり波がたっていないので、広島城と基町アパートの映り込みも一緒に撮影してみる。

 葉の茂りはまずまずで、現状維持といったところか。
   
 ひこばえは伐られることなく生長している。

 この枝が大きくなれば、それに繋がる根っこも大きくなって、樹全体を支える大きな力となってくれるだろう。
 
  (2019年5月2日撮影)
 
 
 根元付近から生長しているひこばえのその後を確認しようと訪れてみる。
 青かった幹も木質化しつつあり、本格的に大きくなりそうな雰囲気である。
 ただ、葉っぱに黒い斑点がついており、病気か何かかもしれず心配なところ。
 
 
 片側の根と幹が死んでいるのでアンバランスな樹形となっているのだが、このひこばえが生長して大きくなることにより、次の形態へと変化することだろう。

 主幹が2本の株立ちになるだろうか。
 
  (2020年1月26日撮影)
 
 冬のせいか葉の茂りが寂しく、クスノキとしては元気さが感じられない。

 葉っぱは茶色くなって健康な葉っぱが少ないように見える。

 新緑の時期には若々しい葉っぱを展開してくれるだろうかちょっと心配である。

 ひこばえの方は葉っぱが黒ずんでいてもっと心配。樹木医の方が看られているので何らかの処置はされると思うが。
 


(2022年5月5日撮影)

 花の時期なので、咲いているかなと訪れてみる。
 クスノキの花を気にする人は少ないと思うが、地味でも咲いていると華やかな雰囲気があるのである。

 幹の半分が枯死しているので樹勢は良いとは言えないのだが、葉っぱをよく繁らせていて元気そうに見える。
 

 ひこばえの幹もしっかり太くなってきているように見える。おそらくこの幹がこの木を支えるための大きな役割を担っていると思う。

 呉市民なので気軽に立ち寄ることは出来ないのだが、継続的に観察してこの木がどんなに変化していくかを記録していこうと思う。

 
 
<アクセス>

 広島城の東側を外堀に沿って北上していけば角にある。
 広島城の駐車場は観光バス用しかなく、普通車は広島城南側の道路向かいにある市営中央駐車場(地下)が一番近い。
 
 

Copyright(C)2003 All Right-reserve tonari