広島県の大樹

【樹齢】:不明
【樹高】:12m
【幹周】:4.7m
【指定】:

(被爆樹)

撮影日
2010.4.3
2019.5.2
2022.4.2
2024.9.1

 クスノキ科 <樟・楠>

基町護岸の被爆クスノキ 広島県広島市中区基町 基町アパート西端

基町護岸の被爆クスノキ基町護岸の被爆クスノキ
 中区基町の中央公園北側にある基町アパートの西端、基町護岸の近くに被爆したクスノキが立っている。

 アパートの駐車場の中にあり、何も知らなければ邪魔な位置にある木だとしか思われないかもしれない。
基町護岸の被爆クスノキ基町護岸の被爆クスノキ 
 大木が多いクスノキとしては普通の大きさであるが、左の写真のように幹の中央に焦げた跡があり、原爆の影響を色濃く感じる。

 爆心地から1010mに位置している。

 やや斜めに生長して広く枝を広げ、樹勢は悪くは無いようである。

 植物に対する放射能の影響がどれくらいのものか分からないが、生命力のあるクスノキなので元気に生長してくれることだろう。
基町護岸の被爆クスノキ基町護岸の被爆クスノキ

 ↑ここに来る前に歩いた、対岸の寺町から見たクスノキである。こうして見ると良く目立つし、存在感のある木である。

 お花見の人はたくさんいたが、この木を気にかける人はいないようである。日常の風景として溶け込んでいるのか、被爆樹だと知らないだけなのか。
 
 
(2010年4月3日撮影)
 
  (2019年5月2日撮影)
 
 
 このクスノキも久し振りの訪問である。おっと、9年も前か…。
 クスノキは花と新緑の季節なので、写真にするのには良い時期である。

 主幹の傷が痛々しいが、樹勢は旺盛のようで、半球状の大きな樹冠を形成している。新緑と花が美しい!
 
 
 
 アパート群の舗装された駐車場の端にあるが、根回りは舗装されておらず、十分に根を発達させる余地があるため、これからももっと大きくなりそうである。被爆樹木としてではなく、天然記念物の指定がされるような巨樹へと生長して欲しいものである。

 ただ、残念なのは、根回りに投げ込まれたゴミ。
 被爆樹木は大切にされる存在ではあるが、こうして無関心な人間もいるのである。
 まあ、興味は持たないのは仕方ないにしろ、そもそも、ごみを放棄するのはダメである。
 こんないい樹があるのに、当たり前過ぎて大切にしようという気が起こらないのだろう。

 この木はもっと大きくなるぞ〜(^−^)
 
 
 
(2022年4月2日撮影)

 原爆ドーム周辺から太田川沿いに桜並木を撮影しながら北上していく。
 適当なところで引き返そうと思っていたが、そうだ、あの木を撮影しようと思い立ち、引き返すことなく北上する。

 葉の生え変わりの時期のようで、新緑に輝く姿、という訳にはいかず、新緑の頃と比べれば少し暗い雰囲気である。

 周囲の雑然とした雰囲気と、駐車がなければもっとカッコイイのだが、生活の中にある木なので致し方ないといったところか。

  (2024年9月1日撮影)

 寺町の被爆樹木を撮影に来たのだが、そう言えば対岸からでも分かるよな、と川岸の道に向かう。
 新しいサッカースタジアムが存在感が大きく、川辺の緑地帯ではテントを張っている人たちが見える。
 桜が覆いかぶさり日陰となったベンチに腰を下ろして、途中で見つけたパン屋で買ったパンを取り出す。出来立てなのか温かく美味しい。
 お客さんは少なかったが雁木タクシーがやって来たので、クスノキとスタジアムを入れて撮影。これが広島の風景だなと感じる。
 
 

 久し振りにTOKINA14-20F2を使う。APS-Cなので広角は換算21mmとなるが、このレンズは歪みが少ないし写りが良い。
 大きく写さなくても、存在感のある木は分かるものである。

 

 
 
<アクセス>

 中央公園の北側を西に向かって進んで行けば、護岸にぶつかり、その北側にすぐ見える。
 車で行く場合は、周りの駐車場はアパートの住民のものだから停められないので、路肩に停めるしかない。桜の季節は警察屋さんがいるので、公共交通機関で行く方がいい。
 

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