広島県の大樹



撮影日
2021.4.18
2021.11.14
2022.2.27
2022.3.6
2022.4.30
2022.5.22
2024.1.8
2024.4.20


町中の大きな木 −大新開のクスノキ(呉市広杭本町3-1 広小学校校庭)

(2021年4月18日撮影)

 みなさんの町には、特別大きくはないけれど気になる大きな木はないだろうか?
 広町の住民にとってはこのクスノキがそうだと思う。

 かつては小学校の向かいの古い民家の中(!)にあり、屋根を突き破って(くりぬいて)生えたような特異な姿をしており、狭い車道を通るときに必ず目に入った存在感のあるクスノキであった。

私はこの地区の住民ではないので馴染みはそれほど無いのだが、それでもこの辺を通るときには「大きな木があるな〜」という印象は残っていた。

 周辺は住宅地であるので交通量はそれなりにあり、道が狭く(一車線)離合が面倒な路線であったのだが、道が拡幅されることになり、当然この木も伐採されることになった訳であるが、地域のシンボルツリーとして親しまれていることが関係してか、向かいの広小学校に移植されることになったようである。

 これだけ大きくなると移植する費用は結構な額になるはずであるが、それだけ要望があった、強い思いが住民にあったようである。

 広町のローカル情報をまとめている「ほどよく田舎 ほどよく街場 広町」には過去の写真が載っているので参考にして欲しい。

 同サイトによると、2017年11月3日に移植作業が完了したようである。

 広島県の巨樹巨木を扱っている当サイトとしては撮影しておくべきだったかな〜と思うのだが、巨樹巨木ではないしな〜という変な^^心のブレーキがかかったのが悔やまれる。

 移植後3年半くらいであるし、枝の横への張り出しはまだないようである。幹の養生はまだされているし、新しい土地に馴染むのかどうかは分からないが、クスノキは生命力の強い樹種であるし、葉っぱの更新もされているし大丈夫ではないかと思う。

 窮屈な場所で育っていたので、根を十分伸ばせず、生長が阻害されていたことを考えると、細いからと言って、若い樹だとは言えないかもしれないが、樹齢1000年オーバーが不思議ではないクスノキとしては、まだまだ若い段階ではないだろうか。

 これくらいの太さはクスノキでは普通で驚きはないのだが、街中に大きな木がない今の状況では特別な存在だろうと思う。巨樹巨木としての存在感が出てくるのは100年以上先だろうな〜
 

 なお、現在の場所は杭本町なのだが、この木の名前としては以前立っていた地名の大新開をつけることにした。上のサイトでもそうしてあるのでそれが適当であろう。
 大新開という地名でピンと来た方もおられるだろうが、新しく開かれた土地である。広町の多くはかつて遠浅の海だった。そこにクスノキが生えているということは、苗木を植えたのではないだろうか?いや、巨木化するクスノキを家に植えるのは、敷地の広い家でないと考えられない。知らずに、ということもあり得るが、自然に芽吹いたものを大事にしていたら大きくなったとか?家の中にあったというのも不思議であるし、面白そうな歴史をもっているかもしれないな。
 

 おまけで。
 このクスノキから南に進んだところに広の町では珍しくなりつつある田んぼがあり、レンゲが咲いていてきれいだった。ぼかしてあるが、こいのぼりも渡してある。
 かつての田んぼや畑は、今ではすっかり住宅街である。時代の流れとは言え、緑がなくなるのは寂しくある。
 

(2021年11月14日撮影)

 紅葉の時期ではあるが、クスノキは常緑樹なのでそう変化はない。
 移植のために大枝を伐られているので、まだ細い枝ばかりが密集している。
 これらのひこばえのなかで大きく育つ枝が出来れば良いのだが。
 

(2022年2月27日撮影)

 今回はカラー赤外線撮影で。

 これは偽色というもので、実際の色とは全く違う。

(2022年3月6日撮影)

 前回訪れた1週間後に再びやって来た。
 今回は葉っぱを緑になるよう調整したカラー赤外線写真である。
 

 こちらは普通のカラー写真。
 もう少し横への枝の張り出しがあればカッコイイのだが、あと何年後かな〜。
 

(2022年4月30日撮影)

 前回訪れてから約2ヶ月後に訪れてみる。
 クスノキは常緑樹だが、春に葉が生え替わるので、今の時期は葉が瑞々しく感じられる。
 背後の山肌にはシイノキの花が見られて賑やかである。
 

 歩道の花壇にはツツジが植えられており、ちょうど今は花の時期で明るい道となっている。

 撮影後、少し南の畑にあるレンゲの花を見に行く。
 少し盛期は過ぎているようだが、これだけ広く咲いているところは身近にないので貴重である。
 ここもいずれは住宅地になるのかな〜
 

(2022年5月22日撮影)

 自転車で街を走り回っていたので、ついでにここに来て新緑の様子を確認。

 横に伸びる枝が増えてくると絵になるのだが、ひこばえは出ていない模様。

 モコモコとした感じもカワイイのであるが、やはりクスノキは雄大な樹形が特徴的なので寂しく感じる。

 対面の民家にあった時は道路に面していたので横への張り出しがなかったように思う。
 もう横に伸びないのかな〜今の葉っぱの量だと、全体を支えるには少ないだろう。もっと元気になって欲しい。

(2024年1月8日撮影)
大新開のクスノキ
 吉松山に登った時に、広小学校の校庭が見えたので撮影。

 望遠レンズに交換する手間を惜しみ、標準ズームレンズで撮影したもので、この部分だけトリミングしているので、さすがに画質が悪い。

 上から見ることは無いと思うので、こういう写真も良いかな。

(2024年4月20日撮影)
大新開のクスノキ大新開のクスノキ
 500mmレフレックスレンズをつけて街中をウロウロしていたので(一見、アブナイ奴である^^)、ああ、超望遠で撮ってみるとどうなるかなとこの木のところまでやって来た。

 観光地でも何でもないのに、怪しい奴がカメラを構えているなんてねぇ……結構恥ずかしいんですよ(笑)

 電柱と電線が邪魔になって難しいのだが、これはこれで雰囲気があるなあ。

 どうしても手持ちだとブレてしまうので分かり難いかもしれないが、花をつけているのが分かる。葉っぱの生え替わりの時期なので紅葉しているのもなかなか絵になる。
大新開のクスノキ大新開のクスノキ大新開のクスノキ
レンゲ畑レンゲ畑
レンゲ畑レンゲ畑レンゲ畑

 クスノキとは関係ないのだが、南に行ったところに広地区では珍しくなったレンゲ畑がある。以前は田んぼだったが、今はレンゲで覆われている。
 いつまでこの景色が見られるかは分からないが、地域の貴重な場所なので、できればそのままにして欲しいな〜まあ、所有者の方がお亡くなりになったら宅地になるのだろうな。余所者の勝手な言い分だが、自然を感じるところを残して欲しい。
 


<アクセス>

 広小学校を目指して来てもらえれば良い。
 駐車場はなし。
 道幅は広く、交通量はそれほどないが、バスも通るし、路肩駐車の場合は出来るだけ短い時間で。
 まあ、このクラスの木をわざわざ見学に来るもの好きな人は少ないと思うが…。
 

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