広島県の大樹

夫楠
【樹齢】:400年
【樹高】:30m
【幹周】:6.4m
【指定】:県
(社叢として)

婦楠
【樹齢】:400年
【樹高】:30m
【幹周】:5.4m
【指定】:県
(社叢として)

ムクノキ
【樹齢】:不明
【樹高】:25m
【幹周】:5m
【指定】:県
(社叢として)

タブノキ
【樹齢】:不明
【樹高】:20m
【幹周】:3.5m
【指定】:
※2004年倒壊


【撮影日】
2003.3.20
2009.5.30
2022.5.5
2023.3.25
 巨樹群

新庄の宮の夫婦クス (巨樹群) 広島市西区大宮1-1-9 新庄の宮神社

新庄の宮の夫婦クス 
 広島市内、国道54号線のすぐ側に青々とした見上げんばかりの巨木が2本並んで立っている。

 夫婦クスと呼ばれる巨木で、交通量の多い国道沿いにあって旺盛な樹勢を見せる。

 緑が少ない地域にあってオアシス的な印象を受ける。

新庄の宮の夫婦クス 
 夏の暑い日などにこの木の下に入ると涼しそうだ。
ムクノキケヤキ? 
 さて、この新庄の宮には他にも巨木が多い。
 落葉の季節なので樹種を断定できないが、説明によればムクノキ、タブノキ、ケヤキなどの大木が見られるそうである。

 一番左の写真はムクノキで、広島県下6位だそうだ。
 
 この新庄の宮は、原爆の爆心地からそう離れておらず、これらの巨木達も被爆したはずだが、その影響がなかったかのように元気に聳え続けている。

 広島に原爆が投下される以前は、広島市内にもこの神社に匹敵する社叢があったのだろうが、今となっては想像するしかない。

 もっとも、都市計画や排気ガスなどの影響で樹勢は衰えつつあるそうである。都市の中にあるからこそ意義がある巨木たちのように感じた。
タブノキ 
 左の写真の木は、タブノキであり、県下3位の巨木である。

 
※2004年9月7日、台風18号の強風で根元から倒壊しました。
 
(2003年3月2日撮影)

(2009年5月30日撮影)
新庄の宮の夫婦楠新庄の宮の夫婦楠新庄の宮の夫婦楠

 広島市最大のクスノキの巨樹。
 6年前に訪れたものを載せているが、写真が悪いので撮り直しに訪れた。実は『環・太田川』というミニコミ誌で半ページの巨樹紹介の記事を書いているのだが、そこに載せる写真が無いので再び訪れたのである。

 そこで使っている写真はここでは載せないが、まずは角度を変えての3枚の組み写真(上の写真)を。
 
新庄の宮の夫婦楠新庄の宮の夫婦楠

 ↑続いては根元の太さを強調して撮影した2枚。
 国道側が婦楠で、お社側が夫楠なのだが、夫楠の方の根元には空洞が見られる。
 
新庄の宮のムクノキ新庄の宮のムクノキ 
 巨大なクスノキがあるので影が薄くなってしまっているが、ここにあるムクノキは広島市最大のものである。

 

(2022年5月5日撮影)

 三篠神社のクスノキ・ボケ、三篠小学校のクスノキと撮影してきたので、ついでに13年ぶりにこの新庄の宮にやってきた。
 13年など木の寿命から言えばわずかな期間なので、相変わらず樹勢あふれる姿を見せてくれた。
 

 新緑の季節でもあり、花の季節でもあるので葉っぱが初々しく爽やかである。野良猫はのんびりと散歩していた。
 

 タブノキは倒壊してしまったが、ムクノキはまだまだ健在である。
 周りに柵が作られているが、根の保護のためだから仕方あるまい。
 以前の写真を見ると、踏み固められて、土が固まっている感じがする。
  
 
 根回りは適度に雑草が生えて土が軟らかくなっているようである。
 空洞化は見られるが、この分ならまだ長生きできそうだ。
 葉っぱも良く茂っている。
 

(2023年3月25日撮影)
新庄の宮の夫婦楠新庄の宮の夫婦楠新庄の宮の夫婦楠
新庄の宮の夫婦楠
 このクスノキは背が高いので上の方の葉っぱの様子は分からないが、赤い落ち葉もあるし、日を透かせて輝く若葉も見えるので、生え変わりが進んでいるようである。
被爆樹木としては一般に認識されていないが、距離は遠くとも被爆樹木である。
被爆当時でも巨樹だったと思うが、放射能の影響は問題なかったのか。
壮年となって、生長が鈍化している時期ならばそう影響がないのか。そこのところはどうなのだろう。距離があるから大きな影響はなかったのかな。
ムクノキムクノキムクノキ

 ムクノキは僅かに芽吹きが見られるが、ほぼ蕾状態で、葉っぱの展開はもう少し後のようだ。葉っぱが無いと樹形がよく分かって良い。
 ムクノキは斜上することが多く、大きくなると見た目はバランスが悪くなるという不思議な木であるが、倒れないようにバランスが取れているのが不思議である。斜上することによって樹冠を広げる生長戦略だろうか?他にも大きなムクノキがあるので、今後が期待できる。
 
ムクノキの新芽新庄の宮
ムクロジ
 この時期はちょうど椿が賑やかな時期だったようで、あちこちに椿の花が咲いて、たくさんの落花がある。それらを撮影していると、天然記念物の標識があり、社叢として登録してあるので、クスノキ、ムクノキ以外の樹種も表示してある。

 頭上に黄色い丸い実をつけた木があり、センダンでもないし、ナンキンハゼでもないような〜と考えていると、根元に標識があり、ムクロジとある。ああ、石鹸になるあのムクロジの木か。確かに古っぽい?樹肌はそれだ。ムクロジの実は面白いのだが、きれいな状態で転がっているものがなく、長望遠レンズで撮影するにとどめる。
ムクロジの実
ツバキツバキ
ツバキツバキツバキ

 他にはヤブツバキがある。通常のものよりやや大きい気がするが、気のせいか。
 落花も多いが、咲いている花も多く、ちょうど良い時期のようだ。
 ここにこんなに椿があるとは気づかなかった。園芸品種も多いが、賑やかで良い。

 スギの表示もあったが、スギは当たり前すぎて写真に撮る気が起きない。スギは巨樹レベルにならないと見栄えがしないのである。見栄えで選別するとは、インスタ映えの影響を受けたか、自分(笑)

 予定になかったが、椿を目当てで来ても十分に楽しめる意外な良いスポットである。
 


 
<アクセス>

 市街地にあるので行き方は様々。左の地図を参照のこと。
 
 駐車場はないのでバスで訪れる方が良いが、車の場合は境内の西側にある有料駐車場を利用すると良い。 
 

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