広島県の大樹

【樹齢】:不明
【樹高】:15m
【幹周】:5.9m
【指定】:

撮影日
2004.2.11
2010.1.31
2011.1.9
2021.11.21
 マツ科   <松>

桂浜神社のクロマツ 広島県安芸郡倉橋町桂浜 桂浜神社

※2010年秋に松くい虫被害の為、枯死したようです。2011年2月15日から撤去作業が行われています。

桂浜神社のクロマツ 
 白砂青松とは漢字通り白い砂浜と青い(現代人の感覚では緑)松が続く美しい海岸の景観のことを言うが、この桂浜もそういった景観である。
 日本の白砂青松100選、日本の渚・百選の両方に選ばれ、広島県を代表する海岸といってよいだろう。ちなみに広島県内では、”白砂青松”には宮島の包ヶ浦、”渚”には蒲刈町の県民の浜・恋が浜が選ばれている。

 桂浜のある倉橋島は古くは長門島と呼ばれ、万葉集に謳われた場所だという。

 ここには広島県下最大のクロマツ(左の写真)があるが、美しい海岸の続く砂浜にそって松林が続き、他のクロマツもなかなか立派なものが多い。


 
桂浜神社のクロマツ 
 おもしろいことに、海から強い風が吹いているのに、枝は海側へ大きくせり出し、主幹自体も海側へ傾いているものを多く見ることが出来た。左の写真では、左手に海がある。

 風の力に負けまいというここの松たちの気概を感じることが出来る。確かに風に流されたような樹形をしているのなら、どんどん衰えていくだろう。
桂浜の鳥居 
 また、松林の中に大きな鳥居があり、県道を横切って石段を登ると前室付き三間社流れ造りの桂浜神社本殿(国重要文化財)がある。

 巨木を見て回ると、自然と神社を訪れることが多いが、あまり見ないタイプの様式のように思う。

 ただ、拝殿の方にポスターが貼ってあるのは雰囲気を壊すのでいただけない。
桂浜 
 なお、残念なことに、2004年に多くの台風が上陸した影響で、海水が長い間松原を覆ったため、全体の約500本のうち345本が枯死したという。倉橋町は若木200本を植えるそうだ。

 早く元の美しい松林に戻って欲しいものである。
 
 (2004年2月11日撮影)
 

(2010年1月31日撮影)
 
 6年振りの訪問になるが、このクロマツ林が台風の被害を受けていたと聞いていたので、どんな風になっているか心配だった。

 以前の写真と比べていただくと分かるように、3つに分岐した右側の幹の樹皮が剥がれて空洞化していた。しかし、全体的な樹勢は悪くはないように見える。
 
 
 小雨の降る天気だったので、暗い感じで写っているが、枝の張り出しも広範囲に広がっているし、葉っぱも緑色で、樹勢が衰えていることはないようだ。

 小さな松は台風被害の後に植樹されたものだろうが、元のような松の大木が続く海岸になるにはまだ時間がかかるだろう。
 
 残っている松は太いものが多い。

 ここの松は太さよりも、枝の張り出しが広範囲に広がっているのが特徴だろうか。

(2011年1月9日撮影)
 
 マツクイムシ被害で枯死したという桂浜のクロマツを見に行った。

 昨年は、樹勢の衰えはあるものの、青々と葉っぱを付けた元気な姿だったのだが、新聞報道の通り、葉っぱは赤くなって枯れてしまっている。

 一部だけ青い葉っぱが見えるが、樹勢回復は難しいだろう。

 2011年2月15日から伐採作業が開始されたとのこと。
 
 残念だが、木の寿命は長くても有限であり、やがては死を迎える訳で、今度は別の木が大きく生長するのを待てばいい。とは言え、私の寿命のうちではこれくらいに大きく育った木を見るのは無理である。

 他に太い木があるので、100年くらい経てば巨樹と呼ばれる木に生長するかな?
  
 
 小さな松も海岸に沿って植えてある。

 護岸工事や埋め立てで自然海岸が消失していく日本において、このような白砂青松の地は貴重なものになっている。

 立派な松林になって欲しいな〜

(2021年11月21日撮影)

 倉橋島火山に登ってきた後、久し振りに桂浜の松に会いにやってきた。

 県下最大のクロマツは枯死してしまったが、他のクロマツは残っており、大きなものはまだまだ残っている。

 時期的なものか茶色い葉っぱも割と多いので樹勢が少し心配だが、青々としたものもあり、元気なものもちゃんとあるようである。

 海に向けて傾いているのがここの木の特徴だろう、幹を風が向かってくる方に傾けている木が多く見られる。

 長門の造船歴史館を見学。

 ここからも松林と砂浜を見ることができる。

 今日はサップの大会だったようで、レースの実況が遠くから聞こえる。

 浜に近い木は海側への幹と枝の張り出しが大きいが、風が少し弱い山側はこうした背の高いクロマツがそびえている。
 浜に近くても高いものもある。

 県下最大のクロマツも今は切り株だけで寂しい姿となっている。
 大きな木もまだまだ残ってはいるが、若い木も多い。上手く世代交代を行いながらこの白砂青松の景観が続けば良いのだが。
 
 


 <アクセス>

 呉市中心部から国道487号線を音戸町に向けて南下し、音戸大橋を渡る。音戸大橋を下りたら国道487号線と県道35号線の二手に道が分かれ、どちらに行っても良いが、県道を走ると有名な塩の山が見られる(笑)。県道を行った場合、早瀬の瀬戸を過ぎ、国道487号線との分岐を過ぎてずっと県道35号線を倉橋町に向けて走る。海岸に出て左折してまもなく松林が見えてくる。
 近くに桂浜温泉の施設があるので、車はそちらに置かせてもらうと良い。
 

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