広島県の大樹  さくら さくら

五条の千本桜 - 花の周防大島 - 山口県大島郡東和町
02/3/30

飯の山展望所の桜 
 例年より1週間以上早い桜の開花に戸惑いつつも、ソメイヨシノの見頃は3月末日頃で最後とみて、土日の両日にそれぞれ別の場所に行くことにした。
 
 日曜日には有名な三刀屋と木次の桜並木を見に行くことにしたので、土曜日はどこにしようかと迷ったが、ガイドブックにあった周防大島の五条の千本桜のことを思い出し、そこに決めた。
 
 
  土曜日の天気予報は晴れで、空気がかすんでいなければ瀬戸内の展望は抜群であるので、桜と相性がよかろうと期待した訳である。
 
 千本桜といっても某千本桜のごとく幼木ばかりだと来た甲斐がないので、他の場所も調べ、飯の山、陸奥記念館にも寄ってみることにした。
 
 周防大島と本土を結ぶ大島大橋を渡るのは近年まで有料であったが、現在は無料となっている。日本三大潮流のひとつ大畠瀬戸の上を渡りつつ前方を見上げると見えてくるのが飯の山で、山頂に高い展望所が建っているので大島を訪れた人はたいてい目にしているだろう。 光の加減で華やかさはないが、山腹や山頂にそこそこ桜が咲いており、きれいである。
 
大多満根神社前の桜 
大橋を渡りきった周辺の公園は桜が満開で大変きれいである(左の写真)。
 
 大島に上陸して左折し、飯の山の案内が出るところまで進む。思いっきりハンドルを切らなければ曲がり切れない場所を右折し、道なりに登ってゆく。
 大橋に大畠瀬戸、琴石山、そして桜と展望を楽しみながらも、離合が大変な箇所が何カ所かあるので注意して進む。イチゴの白い大きな花が車道を彩り、山を巻いて登るので大島自体のの展望も得られるようになる。
 
桜 
 山頂の駐車場は、Uターンを考慮すれば5台くらいは止められるだろう。
 山頂の展望台まで少し歩き、さっそく見上げるような展望台に登る(冒頭の写真)。
 360°の展望で、海が大変美しい。
 
 道が狭く、車が多いとうんざりなので時間があれば歩いて登ってもよいだろう。1時間くらいだろうか。
 
 入口に戻って右折し少し進むと右手にオレンジロードの標識が出る。
 山腹を走る広域農道なので展望が良かろうと今日はこの道を通る。
 展望はところどころだが、今日のような天気の良い日は、町並みと海と島の展望が抜群である。惜しむらくは、オレンジロードは行程が長くてカーブが多いので運転が疲れることだろうか。
 
 一旦オレンジロードから離れ、道の駅サザンセトとうわに向かう。ここで情報収集とトイレを済ませる。
 道の駅の正面に見える山は白木山(標高374m)といい、車で登れ、桜が植えてあるという情報があったので登ってみようと思ったが、時間がないので次の機会とした。
 
 道の駅を出て左折し、片添ヶ浜の案内が出るのでそこを右折する。県道60号を案内に従い進み、やがてきれいなビーチに着く。夏は賑わうのだろうなと思いながら走っていると道の海側に桜が植えられているのが目に入る。ところどころの状態から次第に連続して桜が現れるようになる。
 
五条の千本桜 
 桜は満開で、木も大きく見応えがある。
 
 個人的に人工物が入るのを嫌う私であるが、道路と一緒に写したくなるほどこの桜並木はきれいだ。
 
 駐車スペースが設けられている周辺数百mがもっとも見応えがあるようだ。
 
五条の千本桜 
 駐車スペースに車を置き(道の両側にうまく止めれば10台くらいのスペース)、周辺を歩いてみる。
 
 ひとつひとつの木が大きいのでボリューム感もあり勢いが感じられる。
五条の千本桜 
 昭和34年(だったと記憶したが)に道路開通記念として植樹されたそうだから樹齢は約40年。やはりこの程度の時間が経たなければ見応えがない。
五条の千本桜 
 青い海と空と海岸線、そして桜の相性は抜群である。
 これに私の写真の腕が加われば良いのだが、まだまだ未熟者にて、今回掲載した写真程度の出来で我慢願いたい。
 
 地図を見ると金魚の形をした周防大島のしっぽの先に陸奥記念館があるのでそこに向けて海岸線をドライブする。
 ところどころ桜が植えてあり楽しい。海の色もきれいでドライブやツーリングにはもってこいのコースのようだ。
 ただ、危うく中央線をはみ出て突っ込んできた対向車にひやりとさせられたので、運転技能の伴わないスピード狂が走っているので注意した方がよい。
 
 陸奥記念館の周りには陸奥のスクリューや砲台などが置いてあり、記念館横には大きな錨が置いてある。
 
 学校で平和教育を受けている広島県の人間は、他県の人間より戦争についての知識や関心が高いが、私は直接の体験者でないので、こういった戦争の遺物を見てもそれほどの感慨には浸らない。ただ、過去の歴史については正しい知識と認識を持っていきたいと思う。
 
 記念館の正面に小さな水族館があったので入ってみた。そこには流氷の天使「クリオネ」がおり、実物を見られてうれしかった。1pもないその小さな妖精は貝の仲間だそうだ。水流に乗って浮遊しているだけだが、よくこんな小さな生き物を発見できたものだと感心する。
 
 他におもしろかったのが「クラゲ」。ポリプ→エフィラ→クラゲと大きくなるのだが、本当に小さなポリプ、エフィラと呼ばれる段階はとてもかわいい。植物だけでなく、動物もよく観察すればおもしろいものである。
 
 周防大島は数年前に嘉納山、文珠山に登って以来久しぶりに訪れた。何よりもきれいな海が印象的でもう一度来ようと思っていたのだ。水質汚染が進み、海砂の不法採取で自然環境が悪化している瀬戸内海であるが、まだこれだけの美しさを放つことができるのだ。
 
 自然を”保護”するなどと偉そうなことは言わないが、自然を侵さない気持ちは大切であろう。
 
 
 <アクセス>
 
 玖珂ICを下りて左折し、ひとつ目くらいの信号で国道437号への案内が出るのでそこを左折する。国道437号に合流し、そのまま周防大島を目指す。
 基本的に国道437号を走ればよいが、本文中にあるように広域農道であるオレンジロードを使っても良い。道の駅にパンフなどが置いてあるので情報収集をしておくといいだろう。
 

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