広島県の大樹

(被爆樹)


 さくら さくら

碇神社のサクラとタブノキ 広島県広島市中区白島九軒町 碇神社
10/4/3

撮影日
2010.4.3
2012.4.7
2018.4.1
2019.12.8
2023.4.2

碇神社のサクラ碇神社のサクラ 
 ビルの谷間に隠れるように碇神社があり、そこには2本の被爆樹木が立っている。爆心地から約1800m。

 鳥居のすぐ横にあるのが被爆樹木のサクラで、普通のソメイヨシノではないかと思う。

 樹勢は悪いようで、折れた枝も多くて、幹の色も黒ずんでいて、よく見る樹勢の衰えたソメイヨシノと同じである。

 それでも健気に花をつけて精一杯生きている。

 被爆樹として頑張って生き続けて欲しいが、あまり長生き出来そうにない。もともと寿命が短い木なので仕方あるまい。
碇神社のタブノキ 
 お社の右手奥にもう1本被爆樹木のタブノキがある。

 上のサクラもこのタブノキも、原爆で地上部が焼失したそうだが、その後に根元から再び萌芽して今の大きさにまで生長したのだという。

 木というのはすごい生命力を持っているものだ。

 こちらは元気は良いようで、これからもっと太くなりそうである。

(2012年4月7日撮影)
碇神社のサクラ碇神社のサクラ
 前回訪れた時は弱った桜だという印象が強くてあまり写真に撮ろうとは思えなかったのだが、改めて訪れて見てみると、被爆という強烈な苦難を経ても生き続けていて、かつこれだけ花を咲かせるのだから凄いものだと感じた。

 そういう目で見てみれば、朽ちたように見える主幹から枝を広く広げていて、思いの外大きな桜だと感じる。

 一般的にソメイヨシノの寿命は60年と言われているのだが、平均寿命を越えてこの樹勢があるのだから、被爆樹木として残っている木の生命力は強い。
碇神社のサクラ
 神社であるし、お花見をするような場所ではないので、花の時期でも他に訪れる人はおらず、人知れず咲いている風である。

 被爆樹木を探して歩いている人でないと気付かないだろうなぁ。

    (2018年4月1日撮影)
   
     
 6年ぶりに花の頃に訪れてみた。
 市内の外の桜の名所も見頃を迎えているが、この桜も見ごろとなっている。若葉も出始めているが、花もよくついており、青空で花色が映える。
 あれ?雰囲気が違うな?と思ったら、お隣の建物が新しくなっていた。
 
     
 ひこばえもあり、周囲には散った花びらが広がっていた。

 最初に見た時は樹勢が悪い桜という印象であったが、花付きも多くてあまり弱々しい感じがしない。
     
 お社の近くにあるタブノキも様子を見てみるが、以前と同じような樹勢に見える。

 ただ、巨木化するタブノキにしては、枝の張り出しが弱く、樹齢は100年程度はあると思うが、その割に発達が良くないように思う。

 樹形的に面白味がなく、あまり写真に撮りたい樹ではないのだが、被爆樹木を継続して撮影している以上は今後もサクラを撮るついでに見ておこうと思う。
   
    (2019年12月8日撮影)
     
 ここを初冬に訪れたのは初めてであるが、この時期は紅葉は終わって、少しだけ葉っぱが残っている状態となっている。
 樹勢は良さそうには見えないが、現状維持くらいだろうか。
 春には再び花をつけてくれることだろう。
     
 あまり写欲をそそられないので、記録写真的にしか撮影していなかったタブノキ。

 それではいけないだろうと、この木がカッコイイ姿になるようポイントを探すが、う〜ん、これくらいが私のレベルである…。

 本殿の裏に回ると全体像が分かる。
 タブノキはクスノキのようには雄大な樹形とならず、写したくならないのだが、好き嫌いせず、向き合っていかねばならないだろう。
     
 見上げてみると、周囲の紅葉の具合と青空とが相まって、なかなかいい表情を見せてくれた。
   
(2023年4月2日撮影)
碇神社のサクラ碇神社のサクラ碇神社のサクラ
碇神社のサクラ碇神社のサクラ碇神社のサクラ
エノキ
 先週比治山の山陽文徳殿のソメイヨシノがちょうど見頃だったので、今週は盛りを過ぎていると思ったのだが、新聞の開花状況を見てもまだ満開のところが多いようで、それならば他の被爆桜と一緒に見に行くことにした。

 訪れてみると、新緑は出ているが、花はまだ多く残っていて見頃と言っていいだろう。客観的には散り始めくらいか。

 最初に訪れた時は幹が傷んでいて元気がない感じだったが、今は養生されていて少し元気になっており、新しい枝も出ている。樹木医さんがちゃんと手当すると元気になるのだな。

 対面にあるエノキは花と葉っぱが出始めで、新緑が楽しめるのはもう少し後だろう。
碇神社のタブノキ
 最初はあまり印象に残らなかったタブノキであるが、今日訪れてみると、伐採された幹の跡からひこばえが生えて大きくなっていた。まだ緑色が残り、完全に木質化していないが、これが大きくなると将来が楽しみである。将来は株立ちの大木になるのだろう。
 
碇神社のタブノキ
碇神社のタブノキ碇神社のタブノキ

 新芽は出ているが、花はまだのよう。超望遠レンズで覗くと蕾は見えるが、肉眼では分からない距離である。
 タブノキの花は一般人から見ると地味で気にも留めないと思うが、私には絵になる被写体だと感じている。
 ここは背が高いので花を絵にしにくいが、このひこばえに花がつくようになれば、位置が低いので写真に撮りやすくなるな。
 がんばれ、ひこばえ。次に来る時の楽しみが出来た。
 
  

<アクセス>

 路面電車の白島駅から県道37号線を北上し、高架を潜って少し歩くと、右手に神社が見える。

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