TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

秋の大船山 99/10/14
大分県

米窪の紅葉

 
 旅行会社のチラシを見ていると秋の大船山登山という文字を見つけた。
 
 大船山といえばミヤマキリシマで有名なところであり、一度も行ったことがなかった。ミヤマキリシマの時期に行ってみたいと思いながらもその時期は登山道で渋滞の起こるため、人混みが嫌いな私は避けていた。 
 しかし一度は行ってみたいと思っていたところだけに、ある程度の混雑はあるだろうが、ミヤマキリシマの時期と較べれば秋は少ないだろうと期待して申し込む。
 

 
 やまなみハイウェイをとおり長者原へ着く。ここは久住の山々へ入る拠点で多くの車が止まっている。さすがは人気のある山と思うが、全てが大船山に行くわけではないし、久住山、三俣山辺りに登る人もいるだろう。
 
 登山準備を整え、山道に入ってゆく。今日のコースは長者原から雨が池を経由して坊ガツルに入り、法華院温泉に泊まるというものでそれほどの高低差もなく、距離は長いもののハイキング感覚でゆく。
 
長者原から 
 長者原からは硫黄山から立ちのぼる煙が見え、歩き始めのススキの原はとても気持ちがいい。
 
 やがて山道に入り、三俣山の麓を巻きながら雨が池に到着する。私が来たときは水がなく、池の底の黒い土が見えた状態になっていたが、その名の通り雨が降ったら池が出来るのだろうか。雨が池からは大船山の隣にある双耳峰平治岳が見える。
 
 ここからは下りに入り、山々に囲まれた坊ガツルに下る。
 
 花はあまりなく、狂い咲きのミヤマキリシマとリンドウの花があったくらいだった。紅葉自体もあまり発色が良くないようでくすんだ感じである。
 
 しかし坊ガツルのススキの原はボリューム感があってなかなかの景色だった。
 
 この日は法華院温泉に泊まり明日の大船山登山に控えた。
雨が池雨が池
大船山山頂 
 翌朝まだ太陽が上がらない頃法華院温泉を出発する。
 
 空はうっすら明るいもののカメラのファインダーを覗くと1/2のスローシャッターとなり、写真を撮れる明るさではない。
 
 今日は大船山に登って折り返し、長者原に戻るという山歩きになれた人でないと割ときついコースである。ミヤマキリシマの時期のバスツアーに日帰り登山があったが、健脚自慢の人以外はよした方がいいと思う。写真で見る限り一面のミヤマキリシマはかなりすばらしく、実際に目にする方がもっといいのは事実だが、日帰りというのは私は遠慮しよう。
 
 登るに従い先ほどいた坊ガツルに久住の山々が見えてくる。この風景は写真では表現しにくいので実際に行かれることをお薦めする。登山道の脇にはブッシュがあるが、おそらくミヤマキリシマの木だと思う。やはり狂い咲きの花があるが、狂い咲きはやはり狂い咲きで被写体としてはあまり写欲が涌かない。
 
 さて、今回のメインである紅葉はといえば、やはり発色が悪いようであるが、米窪の辺りはきれいに紅葉(冒頭の写真)しており、これだけ紅葉していればいいだろうと満足する。葉が痛んだり、黒ずんだ紅葉は主役としては写せないが、遠景としてフレーミングするとそれなりにきれいに写る。
 
 コンパクトカメラをお使いの方は、接写をするとボケる可能性が多分にあるので、遠景を中心に写真を撮られると良いように思う。
大船山ススキの坊がつる

 下山後は、坊ガツルで大休止を取ったが、ススキがきれいだったので大船山と一緒にフレーミングしてみる。ススキは逆光で撮るときれいだが、曇りの日の拡散光であるので、ススキのボリューム感のあるところを選んで撮影した。
 
 ここからは、昨日きた道を引き返すだけであるが、疲労が溜まっていたので足取りは少し重かった。
 
 今回の大船山の他にもこの久住連山には魅力的な山があるので、何度も来なければならないように思う。1700mクラスなのでアルプスの近くに住んでおられる方にとってはそれほどの感慨はないかも知れないが、いかにも大きな山の中にいるという感じがするのでリピーターの多い山なのかも知れない。やはりミヤマキリシマの時期に来なければならないような気がしてくる。いっそ有給休暇を使ってみるか!

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