月見が丘

(25分)

展望所

(20分)

岩樋山分岐

(20分)

大池

(20分)

山頂

(20分)

岩樋山分岐

(15分)

展望所

(20分)

月見が丘
TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

道後山・岩樋山 1 00/10/7
広島県比婆郡西城町/東城町

岩樋山

 
 広島県民で特に山登りをしていない人でも知っているだろう山にはいくつかある。

 地元の山を除けば、広島県最高峰恐羅漢山、ロッククライミングで有名な三倉岳、そして広島県民の森周辺の比婆山(御陵、烏帽子、池の段、立烏帽子)、吾妻山といったところであり、今回紹介する道後山(岩樋山自体の知名度はあまりない)もその一つである。
  

 
 10月になり、そろそろ紅葉を見たいと広島県では標高の高い県北の名峰道後山行きを決定する。広島県の一般的な紅葉の盛期は11月20日前後であるから、約40日前に紅葉に出会おうとすると標高1000m以上の山のみである。しかし、多少時期が早いのであまり期待はしないでおく。
 
 ススキで埋め尽くされた道後山スキー場を見ながら車で登山口となる月見が丘の駐車場まで上がる。この駐車場はかなり広いので、紅葉の最盛期でなければ駐車場の心配はいらないだろう。ここからは今回登る岩樋山が見える。登山準備をし、岩樋山を撮影する。ある程度色づいているようであるがもう一つといったところか(冒頭の写真)。
 


 
 歩き始めるとアキノキリンソウや野菊の花が出迎えてくれる。花は期待できるかなと道端を見ながら歩いていると、大きな岩が転がっていた。この日は鳥取西部地震の翌日であり、土を見るからに最近転がったようなので地震の影響かと思われる。今回は3カ所ほど見つかった。


 さて、登り初めから20分ほどで岩樋山中腹にある展望台に出る。先ほどの駐車場はもちろん、岩樋山の少し色づいたなだらかな稜線、猫山を見渡せる。
 軽く休憩を取り、少し登ると岩樋山への道と道後山への近道の別れに来る。今回は道後山に先に行くので後者の道を取る。こちらは岩樋山の中腹を回って行くのでさほどの傾斜はなく、ファミリー向けである。
 
イチイの実
 道の途中で大きな岩が道をふさいでおり、これも地震のせいかなと見ていると、すぐそこに赤い実を付けたイチイの木があった(左の写真)。

 実は傷んでおらずきれいだったので早速カメラを構える。ちなみにこの実は甘くておいしいそうである。
 
 しばらく樹間の中を行くが、展望が開けると道後山の手前のピークが見え、ススキの穂が輝くのが見えてくる。景色を楽しんでいる内に岩樋山と道後山への道の別れに到着する。

 今回はススキも撮ろうと考えていたが、最盛期は過ぎているような印象であり、主役ではなく脇役として配置させた。ススキの他はタデの花が満開状態できれいだった。
 
リンドウ 
 休憩の後、予定通り道後山への道を登って行くが、道端に目をやると青い花がちらっと見えたので近づくとリンドウの花を見つけた。

 草むらの中に隠れているので、余計なものを少し脇によけ撮影する。しかし、登るに従ってリンドウをいくつも見つけ、今が旬といった感じである。
 
 大池方面に途中で右に折れ、巻き道に入る。
 相変わらずリンドウの花が出迎えてくれたが、ウメバチソウもそれに加わった。数自体は少なかったが、白くてかわいい花なので心休まる。
大池と道後山 
 しばらく行くと小さな池(でも名前は大池)があり、この池の周りは紅葉が始まっていた。期待は大してしていなかったがこれだけ紅葉していれば文句はない。
 
 池からは登りに入り、なだらかな道を進んで行く。

 右手に大きな山が見えると思ったら伯耆大山が見える。ガスで見ることが出来ないことが多いようなのでラッキーであった。
 
 登って行く途中には相も変わらずリンドウの花が道を飾っている。空気も秋の気配がしてすがすがしい。
 夏は登山道に高い木がないため直射日光でかなり暑いと思われるが、秋の日差しを浴びながら登るには高木のない登山道は気持ちがいい。

 
道後山山頂
 まもなく道後山山頂に着く。

 人気がある割には他に人がおらず、不思議であったが、やはり地震の影響かと思った。

 山頂で昼食を摂り、おなかが膨れたところで被写体を探しに出かける。まず、頂上の標識と伯耆大山を一緒に写そうとしたら道後山のプレートが無く残念であった。朽ちて外されたのだろうか。
リンドウ 
 次にリンドウの花を探してうろうろしていると、6株まとめて咲いているものを見つけ1枚、2株だが、猫山を背景に出来る株を見つけたのでまた1枚と撮影する。
 
 下を見下ろすと先ほどの池が見え、このあたりの紅葉がきれいなので、やはり猫山と一緒にフレーミングする。
 
 
 ちなみにこの猫山、スキー場という人工物があるのが難だが、とても形がよい山である。ネコヤマヒゴダイなどここでしか見れない植物もあり、植物の宝庫とのこと。
  
 リンドウの他はヤマラッキョウが咲いていたが、少し痛みかけであった。登りは巻いて登ったが、池の方から直接山頂に通じる道があるようで、途中まで下りてみたが、登るのが面倒なのである程度まで下ってから引き返した。
 
左:猫山、右:岩樋山
 
 うろちょろしていると次第に他の登山者も数グループ登ってきてにぎやかになってきた。リュックに荷物をしまい、次の目的地岩樋山に向かう。
 
 岩樋山へはなだらかなひとつのピークを越え、先ほどの分岐まで戻る。ここから岩樋山へは傾斜がきつめの道となるが、距離自体はないのでやはり被写体を探しながらゆっくりと登る。やがて、岩樋山山頂に着く。
 
 多少目障りな人工物があるものの展望は良く、また、リンドウの花もたくさん咲いていた。同行者に訊けばトリカブトがこの時期にあったというので探してみるが見つからなかった。もしかすると心ない人が盗んだのかもしれない。植物が豊富なところはどこでもと思うが、盗人はかなり多い。所有権云々がどうなっているかは知らないが、植物採取禁止の立て看板もしてあるところで盗むのだから、犯罪者には違いない。自宅の庭では育たない上に、他の人たちが見て楽しむ権利自体を奪っている。このような行為はやめていただきたい
 
 さて、気分を山に戻し、岩樋山からの展望を楽しむ。見える範囲は道後山とあまり変わらないが、同じ山を違う方向から眺めてみるのも良く、新たな発見があることもある。
 

 下りは行きと違い、樹間の道を進む。ところどころに紅葉する松カラマツがあり、個体によっては黄色く色づいたものがあった。

 今回は紅葉自体は少し早い時期ではあったが、リンドウ、ウメバチソウ等の花に迎えられ、楽しい山行であった。
 

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