<参考タイム>

登山口

(30分)

林道出合

(70分)

山頂

(10分)

雪霊水

(40分)

林道出合い

(20分)

登山口
TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

臥龍山 (聖湖口コース) 03/11/24
広島県山県郡芸北町

臥龍山の林 
 臥龍山に車道を使わず歩いて登ったのは4年前の秋で、長いこと登っていなかった。

 そろそろ積雪の時期がやってくるので、雪が降らないうちに久しぶりに登ることにした。紅葉はもちろん終わっているので、今回の目的は巨木を探すこと。

 臥龍山には広島県最大といわれるブナがあるが、他にも巨木がありそうなので、葉っぱが落ちているこの時期が一番探しやすいのである。

 コースは初めて聖湖側から登ることにする。

 
 戸河内ICを降りて国道191号線で芸北町を目指す。深入山を過ぎ、芸北町に入ってまもなく峠を少し下った右手に木の標識がある。見落としやすいが、ガードレールが切れたところにあるのでそれを目安とすればよい。聖湖への入り口まで来たら行き過ぎである。
 ガイドブックには駐車スペースがあると書いてあったが、どこかよく分からない。ガードレールの、標識がある方の逆側の切れ目の所から道があり、考えて停めてくれれば3台停められる。確認はしなかったが、聖湖に左折する道の反対側に空き地に入るところがあったので、ガイドブックはそこの場所を書いたのかもしれない。
 

臥龍山の林 
 歩き始めるとすぐに葉っぱをほとんど落とした落葉樹の林である。今は晩秋の静けさを醸し出している静かな林であるが、盛夏には緑深い森となっているであろう。

 落ち葉に隠れて道の状態がわかりにくいものの、道の状態は良く歩きやすい。緩やかな道が次第に急になり、落ち葉が濡れているところは滑りやすくなる。

 空を見上げると曇り空から晴れ間が見え始め、落葉した木々に霜が降りているのか枝先が銀色に輝き、まるで雪山を登っているような錯覚を覚える(冒頭の写真)。

 ブナが目立ってくるようになり、上を見上げると宿り木がぽつぽつと見え始める。ヨーロッパでは昔、ドルイド僧が宿り木(ギイと呼ぶ)を使った儀式を行っていたそうである。宿り木は臥龍山周辺でしか見たことがない。
林道出合いのブナの巨木 
 急坂が続くものの、ふかふか落ち葉のせいかそれほどきつく感じない。

 大木の倒木も多く、荒れているというより自然のサイクルが上手く機能しているような印象を受ける。

 時々後ろを振り返り、木々の間から見える聖湖を見ながら登り、歩き始めてから30分ほどで林道に出会う。

 ちょうどブナの大木があり良い目印になる(左の写真)。

 ここから舗装路を5分も登れば標識があり、再び山道に入る。
臥龍山のブナの林 
 車はたまに通るものの、他の登山者とは一切会わない静かな歩きとなった。

 葉っぱがないだけに林の奥の方まで見えて大きな木が散見される。
 
 まるで新幹線がそばを通っているのかと思えるくらいの風の音がしきりに鳴っているが、林の中には弱い風が吹き抜けるだけで、どうやら周りの木々によって弱められているようである。
 
 傾斜が緩くなり、平坦地になると前方に山頂が見えてくる。ヒノキ林のそばを通り過ぎると道が4つに分かれる。作業路なのか車が通った跡がある。左斜め先にテープがある道があるのでそこに入る。確か左の道を下ると林道と合流したと思う(ちょっと自信なし)。
 
ブナの巨木
 だんだんと道が急になり、霜が降りていたのが溶け始めているので、今までの道に比べて滑りやすくなる。ここが最後の急登なので頑張って登ると大きな岩があり、この上に登ると聖湖を眼下に収めることが出来る。ちょっと登りにくいので注意(特に降りるとき)。展望を楽しんだ後は山頂に向けて緩やかに登る。倒木があるので気をつけて歩いていると山頂に着く。登り始めてから1時間40分。
 
 山頂からの展望は360度というわけにはいかないが、北方向の展望が開けている。大岩にも登れるが、降りる自信がなければ登らない方がよい。

 ここで昼食をとる。

 下の方で話し声がするが誰も登ってこないところをみると、雪霊水を汲みに来た人の話し声が山頂まで聞こえてくるようだ。帰りは雪霊水の方に降り、林道を下って臥龍山のブナに寄って再び山道に入って下ることにした。
 
 山頂から雪霊水のところへ下るのは急斜面なので注意が必要。
 雪霊水を汲みに来た人が何人かいる。ここはいつ来ても水を汲む人が絶えない。
 
 ここから舗装路を下り、まもなく広島県最大といわれるブナのところにつく。葉っぱが落ちているので全体像がよく分かる。道路のそばにあるせいなのか、遠くから見るとあまり大きな感じがしないが、近寄って抱きついてみると大きさが分かる。臥龍山には他にも巨木が散見されるので、このブナよりも大きなものがこの山のどこかにいるかもしれない。

 雪霊水のところから約40分で聖湖側へ降りる分岐に到着する。落ち葉をカサカサ言わせながら20分ほど下ると登山口に戻る。

 広島県最大とされるブナより大きなものを見つけることは出来なかったが、ブナの大木を多く見つけることが出来て楽しい山行だった。花の無い時期ではあるが、落葉しているので木々の力強さを感じることができ、この時期の山歩きは意外と楽しい。何度もコースや季節を変えて訪れたい山である。
 
  

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