<参考タイム>

聖山登山口

45分

十文字峠

40分

聖山山頂

30分

998ピーク

25分

シダノ谷鞍部

20分

県境コブ

15分

975ピーク

20分

高岳山頂

50分

高岳登山口

25分

聖山登山口
TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

聖山−高岳 縦走   05/10/16
広島県安芸太田町・北広島町

紅葉 
 紅葉の時期はどの山に登ろうかと迷うものだが、人気のある山なのにまだレポートを載せていない山に行こうと考えていた。

 と言う訳で、今回は聖山か高岳にしようと思っていたが、たまには縦走するのも良いだろうということで聖山−高岳の縦走に決定した。
 
 戸河内ICより国道191号を芸北方面に向かい、二軒小屋・恐羅漢山へ向かう大規模林道の入り口を過ぎて聖湖の案内が出たら左折。少し狭い道を進み、樽床ダムの堰堤を渡る。渡ってすぐ左手に三段峡へ下る道があり、駐車場がある。
 当初はここに停めるつもりだったが、車が多くて人がうろついていて停めにくかったので、聖山の登山口近くへ移動して路肩に停めることにした。道幅は広いのでそう邪魔にはならないだろう。トイレは堰堤を渡った近くにある。
 

聖山−高岳map
 <聖山−高岳MAP>

 赤い線が登山道
 灰色の線が舗装道路
 緑色の線が未舗装林道
 青い線は川。
 等高線の間隔は50m

中ノ甲林道 
 最初は未舗装の林道を十文字峠に向けて歩く。
 林道といっても舗装されていない砂利道で、場所によっては大きくえぐれている部分もあるので、普通車は入らないほうが良い。

 ツキノワグマの生息地域なので鈴をつけるが、私は普通の鈴より大きなカウベル(牛がつけているやつです)をリュックに取り付けてやかましい音を出しながら歩く。クマのいない山では迷惑な音だが、こういう場所では仕方が無い。

 周囲はミズナラの多い気持ちの良い森で、紅葉には少し早いものの、多少黄色く黄葉しているので、さわやかな感じがする。もう少しすればもっと黄葉して明るい散策路となるのだろう。

 車が通る道というと、歩くにはおもしろくない場合が多いのだが、ほとんど山道のような感じで気持ちは良い。
アケボノソウ 
 時期的にあまり花は期待できないと思っていたが、水みち付近にアケボノソウが残っていた(左の写真)。湿地や湿原の花だと思っていたが、山の水辺でも見られるようだ。ブレているので写真が悪くて申し訳ないが...

 他にはガマズミの赤い実、マムシグサのトウモロコシのような形の赤い実、コアジサイの実などが見られる。また、地味ではあるが、キクバヤマボクチが大きな頭を垂れていた。

 緩やかに砂利道を登り、木々の間から聖山の山頂部を見ながら、ミズナラの森を見ながら歩くと、十文字峠に到着。ここで小休止する。
ツタウルシ
 十文字峠から案内にしたがって山道に入る。
 しばらくはカラマツの林の中を登る緩やかな道で歩きやすい。

 全体的に紅葉には少し早い感じだが、他の木々に先駆けて紅葉するツタウルシは、だいぶ色付いていてきれいだ(左の写真)。
 でも、かぶれ易い人はかぶれる場合があるので触らないように。

 道もだんだんと傾斜が増し、今までよりはペースは落ちる。被写体を探しながら歩いているので、他の人よりペースは遅いのはいつものことで、この辺で今日はじめて団体さんに追い抜かれた。ペースが速いので先遣隊であろうか。

 南側に道が巻き、また北側に向きを変える。地形図を見ると登山道が一直線になっているが、どう見ても誤記である。上空からはそう見えたのだろうか?登山道の記載間違いは結構見つかるので今更驚きはしないが(^^;

 展望は木々にさえぎられてほとんど無いが、多少は展望を得られるところはあるので、ぼちぼちと登る。
 先程追い抜かれた団体さんの本隊(?)が迫ってきたので早々に追い抜いてもらう。時々「私たちは遅いから」といって、ピッタリと後ろをずっとついてくる人も居るが、追いついている以上はペースは早いのだから、さっさと追い抜いてもらうほうが気が楽である。逆もまた然りなので、追いついて道を譲られたらさっさと抜いてあげてください。自分のペースで歩くのが一番ですから。

 十文字峠から40分弱で高岳方面と聖山との分岐に到着。
 先程の団体さんの何人かがここで待機していたので、写真も撮らずそのまま聖山へ向かい、数分で三角点のある小さな広場に到着。ちょうど人が居なかったので団体さんのしんがり部隊が来ないうちに記念撮影をする。

 ここからの展望は無いので、展望を得られる場所まで移動するが、ちょうど団体さんがやってきてゴチャゴチャしてきたので、団体さんが先に行くのを待ってから展望地まで数分移動する。
 
リンドウ 
 数分で展望地に到着。
 以前登ったときはもっと展望が良かったはずだが、今日は霞んでいることも加わって展望はいまひとつ。ここも周りの木々が高くなったのだろう。

 まだ花を開いていないリンドウがあったので撮影(左の写真)。

 団体さんに先に行ってもらおうとしばらく待っていたのだが(全体的に私より早いペースなので、後から追い抜かれることは分かっているのだが)、行く気配がないので先に行くことにした。

ギンリョウソウモドキ
 分岐に戻り、高岳方面に進む。すぐの下り坂はとても急で滑りやすいので、滑らないように注意のこと。たぶん何人かは滑っているはずである。

 下りきった後は、998ピーク(三つ目のコブ)、シダノ谷鞍部とアップダウンを繰り返しながら県境コブにむけて進む。

 地形図を見ると分かるように、998mピーク手前やシダノ谷鞍部などでは傾斜がきついので注意のこと。もっとも一番危ないのは聖山からの下りである。

 展望があればいいのだが、木々に阻まれ展望はほとんどない。ガイドブックでは998mピークが展望が良いと書かれているが、「?」と思うような状態である。

 花も少なく面白味は無いが、ギンリョウソウモドキを見つけることが出来た(左の写真)。

 ちなみにこの縦走路は、地形の変化がよく分かるので、地形図を見ながら歩くとなかなかおもしろい。地図を見る余裕があれば試していただきたい。
紅葉 
 紅葉はやはりもう一歩早いようだが、一部の木々は色付いている。
 上を見上げればナナカマドの赤い実も見られ、下を見るとツルリンドウの赤い実が見られる。

 他にも色付いた木々を見つけたが、不勉強なので樹種までは分からなかった。木の見分けはなかなか難しい。
ブナの黄葉 
 ようやく県境コブに到着。新しく道が拓かれた奥匹見への分岐地点ともなっている。

 高岳山頂まではまだ30分くらいはかかりそうなので、いい加減お腹もすいていたのでここで昼食にする。それほど広い場所ではないが、往来の邪魔にならないような場所で食べる。

 見上げるとブナが黄葉していたので一枚撮影(左の写真)。葉っぱが傷んではいるものの、こうして透過して見るときれいだ。
 
 弁当を食べ終わった頃、聖山、高岳の両方面から多くの登山者が行き違うようになった。人気のある場所で紅葉の時期だから当たり前だとは思うが、思ったより多くの賑わいでちょっとびっくりした。

 団体さんが切れたところで、高岳に向けて歩き始める。奥匹見への道は次の機会としたい。
 急坂を下り、再びアップダウンのある道となる。
 
キノコ 
 今日はかわいいキノコがないなぁ〜と思って歩いていると、それに応えたのか、かわいいキノコを発見(左の写真)。

 これより大きくなったら、どこにでもあるような形になるのだろうが、このような子供の状態はとてもかわいらしい。
高岳からの展望
リンドウ
 最後の急坂を登ると広い高岳山頂に到着。 聖湖の向こうに見える臥龍山(左側)、深入山(右側)が大きい(上の写真)。

 高岳の山頂は広い広場になっているが、多くの人が腰を降ろしていて、あまり場所が無いほど(むろん通り道はある)。昼食はもう食べたので、この素晴らしい展望を見ながら小休止することにした。
 もともとはこの展望を見ながら昼食の予定だったが、写真を撮りながらだと思ったより時間が取られるので、まあ仕方がない。お茶を飲みながら休憩する。

 先程の聖山では閉じていたリンドウも、昼になればきれいに咲いていた(左の写真)。やはり日の光があるところに咲いていると絵になる花である。
 
コハウチワカエデ 
 展望を楽しんだ後は聖湖へ向けて下る。
 展望の無い下り坂だが、明るい森で雰囲気が良い。黄葉がすすんでいればもっと良かっただろう。

 コハウチワカエデも色付きはまだだった(左の写真)。ミズナラもまだ青いものが多く、来週だったら良かったかもしれない。

 植林地まで下り、川を渡り、平坦な道を少し歩くと聖湖沿いを走る舗装道路に合流。高岳登山口である。

 ガイドブックにある川を渡る地点が、歩いた時間からしてどうも違う気がするのだが、どの尾根を下ったか私自身も断定できない(修行不足...(^^)ので、とりあえず上の地図には予想ルートを書いてみた。間違えていても1本道なので害が無いはずなので、参考までに見ていただければよいと思う。

 あとは舗装道路を歩いて聖山登山口に戻るだけ。
 高岳登山口付近にはたくさんの車が置いてあり、こちらから登る人が多いようだ。縦走する人も多いと思うが、高岳だけに登っても素晴らしい展望が得られるので、高岳だけという人もいるだろう。車が2台あれば両方の登山口に置けば便利だが、そう離れていないので1台でもいいかな?

 久しぶりに聖山と高岳に登ったが、歩き応えのある縦走路で、これまた久しぶりに「歩いた〜!」という感じだった。高岳からの素晴らしい展望にも出会え満足できた山行だった。これで紅葉がもっとあればよかったのだが、そこまで言うのは贅沢かもしれない。

 奥匹見への道はまだ歩いたことが無いので、いずれ歩いて紹介できたらと思う。
 
 

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