TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

星山 (ほしがせん) 01/12/1
岡山県勝山町

星山と天狗山 
 登る山を決めるとき、意外に気になるのが山の名前。
 
 名前が気に入らないからといってその山に登らないということはないが、ある種のブランド意識(?)があるのか、いくつかの候補地から選ぶ際に山名が影響するときがある。
 
 今回紹介する星山(ほしがせん)は、文句なしに名前が良い。この地方では「山」を「やま」や「さん」ではなく「せん」と発音するので音も心地よい。
 岡山の山は初めてであり、せっかく遠くに行くので有名な神庭の滝も見ようということで星山を選んだ。
 

 
 三次ICから落合ICまで中国自動車道を使い、国道313号を使って北上する。深い霧が立ちこめ晴天が予想される。神庭の滝の案内に従って進み、細い道となって神庭の滝の駐車場とおぼしきものを見つけたら右に橋を渡る道があるのでこれを進み、勝山美しい森の案内を頼りに進む。
 見晴らしの良いところで雲海を楽しみ、坂を下るとこれから登る星山が見えてくる。丁度戸河内町の深入山と雰囲気が似ている。坂を下りきると分岐があり、右手が勝山美しい森に行く道で、ビジターセンターが奥にある。
 
 ガイドブックにあった登山口を目指していたが、先程の分岐でまっすぐ行く道がそうであったらしい。しかし、大きな星山登山者駐車場もあり、こちらから登ることにする。ちなみにこちらは東側登山口で、当初予定していたところが西側登山口だったようだ。
 
  駐車場から舗装路をいくらか登ると勝山美しい森の案内看板がある。少し進むとビジターセンターでそこからも登れるが、看板を正面にして左に少し行ったところに登り口があるのでこれを行く。
 

登山道沿い 
 最初の内は植樹されたばかりと思われる公園内の道を登る。卒業記念や還暦記念、登山記念と書かれた杭をいくつも見ながら高度を稼ぐ。
 
 公園内を過ぎるとクマザサに覆われた松林の急登となる。松林を抜けると展望が開け、右手前方に星山(矢印で案内がある)、右に櫃ヶ山と展望できる。
 
 まだ登りが続き辛いところだが、振り向くと未だに雲海が広がり、逆光の為光る海となって眼前に広がるので高度を上げることが楽しくなる。
 写真は撮ったが、予想通り露出オーバーで雲海が写っていなかったが…。
 
 大きなピーク(天狗山)の上に立ち小休止。青空の中の星山、光る雲海。いい気持ちだ。
 
 さて、ここから星山との鞍部まで下ることになり、下り切ったところで西側登山口と合流し、また急登が始まる。
 
 左手は檜林、右手は松林で、登山道はその中間を縫って通っている。道幅は広い。
 松林を抜けて少し登ったら八合目なので小休止。星山の稜線と光るクマザサに雲海。いい気持ちだ。葉っぱの落ちた森が見えるので、紅葉の時期はきれいではないだろうか。
 
 山頂まではそれほど距離はなく、展望がよいのであまり疲れを感じない。
 
星山から櫃が山 
 雲が多くなって大山方面の展望はだめだったが、先日悪天で登れなかった毛無山が見える。
 
 樹間から櫃ヶ山も見える(左の写真)。
 
 昼食後、櫃ヶ山への縦走路を少したどってみた。標識に櫃ヶ山まで180分とあったが、見えただけで4個のピークを越える縦走路で、歩き甲斐があることは間違いない。
 
 望遠鏡で登山道が確認できるくらいだから道に迷うことはないだろうが、朝早くに出なければ往復は出来ないだろう。
 
 最近は楽ちん登山ばかりやっているので少々気が重いが、歩いてみたいコースではある。
 
 11時頃になってやっと雲海が消え始め、天気は悪くなってきた。寒い時期の登山は体温を奪われると危険なので早々に帰ることにする。
 
 落ち葉で足を滑らせないように気を付けながら下り、約1時間強で下山。ビジターセンターに寄ってみるが、さすがに12月になったら閉めるのか、鍵がかかっていた。
 
 ファミリー登山の山とも聞いていたが、その手の山としてはきつい方ではないだろうか。ただアップダウンのおもしろさ、展望の良さ、山頂での達成感などを考えると家族で楽しむには良い山だと思う。
 
 登山シーズンでないためか子供連れはいなかったが、中高年パーティは何グループか登っていた。
 

 
神庭の滝 
 さて、帰りに神庭の滝に寄ってみる。
 
 さすが有名な滝とあって、紅葉は終わっているのに8割方駐車場は埋まっている。遊歩道をいくらか進み料金所で入場料300円を払う。
 
 あたりは切り立った断崖で、崩れた岩がゴロゴロ転がっている。
 そして猿の鳴き声が聞こえる。丁度飯時に行ったため猿はお食事中。たくさんの猿が地面にまかれた餌を器用についばんでいる。
 
 猿の世界を通り抜け神庭の滝を目指す。落差140mだから見上げるような高さから落ちてくる。紅葉がないのが寂しいが、きれいな滝である。
最後の紅葉 
 紅葉がないと書いておいてなんだが、一部きれいな紅葉が残っていた。

 
 帰路、勝山町の中心部に差し掛かると「町並み保存地区」の看板が目に入った。川を挟んだ向こう側だが、白壁の町並みが見える。いつもなら登る山の周辺のリサーチをしているのだが今回はそれを怠っていた。時間が無いので今度にしようと思っていると「木の駅」というところの側にそば屋さんがあったので寄ってみた。
 
 値段は少々高めだが、そばはそれに見合うほどおいしかった。コシがあり、香りも良い。最後にそば湯をいただいたがこれもおいしい。哲西町の道の駅鯉が窪のそばは、鯉が窪湿原に行ったときには大抵食べているがここのそばもおいしい。岡山のそばは何処もおいしいのだろうか。
 

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