参考タイム

牛岩
登山口


(70分)

南峰

(25分)

十畳岩

(25分)

槍ヶ峰

(50分)

権兵衛山

(15分)

鎌倉寺山

(30分)

牛岩上
登山口

(30分)

牛岩
登山口
TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

鎌倉寺山 05/5/15
広島市安佐北区

馬の背より展望 
 山登りをされない方の中には、山登り=岩登りと思っている方が時々いる。しかし、岩場を登らなくてはならない山は少なく、あっても巻き道があって登れるようになっており、岩場があるから登れないという山(山登りの対象となっている中では)はない。

 岩場のある山としては大竹の三倉岳、呉市天応の烏帽子岩山、そして今回紹介する鎌倉寺山などがあり、注意をすれば一般登山者にも登れる。

 鎌倉寺山は、東広島から安佐北区志和に抜ける県道沿いにあり、東広島方面から進むと覆い被さってくるような岩峰を見上げることになり、登頂欲をそそられる山である。

 この山はまた、シャクナゲの多い山として有名で、多くの登山者が訪れる。という訳で、今回はシャクナゲを目当てに登ることにした。

 
 広島方面からは、広島東ICを下りて右折、上深川で右折し、県道37号を三篠川沿いに北上する。八本松方面に向かう県道46号に入りしばらく進む。
 東広島方面からは、八本松から県道46号に入り道なりに進む。
 下の地図の左下の「176m」の少し南に日本一だという(食べたことはないが)ラーメン屋があるのでこれが目印。近くのカーブのところに東へ入る細い道がある。少し登ると左に登山口の案内があり、駐車場はもう200m上へ登ったところにあり、20台くらいは停められるだろう。登山口付近にも駐車スペースはあるが、駐車禁止の旨の掲示があるので遠慮しておこう。
 
鎌倉寺山登山マップ 
<鎌倉寺山登山MAP>

 赤い線が登山道です。
 灰色の線が車道、灰色の点線は未舗装路です。

 等高線は50m間隔です。

 
 一般的な登山口は鎌倉寺山の南側、牛岩地区に2つあり、関川荘跡の近くと、集落を過ぎて舗装が切れたところにある。北側にはキャンプ場からの道がひとつある。
 今回は岩場を登るつもりなので、牛岩(関川荘跡)から南峰、十畳岩、槍ヶ峰、権兵衛山、鎌倉寺山と縦走し、牛岩の上流側に下りるコースとした。
 山頂までの参考タイムは2時間30分程度だから、写真を撮ることを考えて、片道3時間半の予定とする。
 
ツクバネウツギ 
 駐車場から舗装路を下り、登山口から歩き始め、最初は狭く急な道を登る。

 ツクバネウツギ(左の写真)、ミツバツツジなどが咲いているが、少し終わりかけ。

 数年前に一度登っているが、その時と比べて何だかすっきりした感じがする。もっと鬱蒼とした中を登った気がするが、倒木が多いようなので、昨年の台風でだいぶやられたのかもしれない。その分視界が開け、一気に高度を稼いだのが分かる。
大岩のそばを通る 
 大きな岩のそばなどを通りながらやがて岩場コースと普通コースに分かれる。今日は岩場コースと決めていたので迷わず左の岩場コースに入る。

 無論自信のない人は普通コースを選んだ方がよいし、無理をして怪我をするのはバカらしい。

 西に山腹を進み大きな岩を登る道となる。注意は必要だが、特別な技術が必要と言うほどではないので、男性なら大抵登れるだろう。ところどころ展望が利くところがあり、岩の上から見下ろす景色は抜群だ。

 シイノキの花があちこちで山肌を黄色くしている。下を見下ろすと大きなホオノキの花があった。
 
 登るのが難しい大きな岩の裂け目を登った先に馬の背がある。そのままその岩を座りながら前進しようとしたが、危ないので止めた。無理をすれば行けるが、怖いと思ったら行かないという選択は正しいと思う。
 少し戻り、大きな岩に沿って踏み跡があるのでそれをたどると馬の背の上側に出る(冒頭の写真)。同じところに出るのであるから無理は禁物だ。
ウラジロノキ 
 更に登れば南峰より少し南の展望の良い岩場に出る。先ほどいた馬の背などを見下ろせ、ここからの展望も良い。

 ウラジロノキ(左の写真)やカマツカの花が咲いている。
サルトリイバラ 
 南峰へは少し進むと着くが、展望はない。

 付近にサルトリイバラの青い実がたくさん付いている。葉っぱも青々としてきれいだ(左の写真)。広島では柏餅の葉っぱはこのサルトリイバラの葉っぱを使うが、方言で「かたら」と言うそうである。

 ここから尾根道をアップダウンを繰り返しながら鎌倉寺山まで進む訳だが、ロープが掛けてある場所や、道がはっきりしないところがあるので注意して進む。

 前回来たときも、道だと思ったら行き止まりになったりした。そういうことが繰り返されるので、誤った場所に道が出来て、後から来た人が同じ誤りを繰り返すという訳だ。
マツ 
 十畳岩に到着。

 登ってきた南峰とこれから登ってゆく槍が峰、権兵衛山、鎌倉寺山の稜線がきれいに展望できる。コンパスと地形図を使って位置を確認する。

 鎌倉寺山はかなり遠くに見えるので気力が萎えそうだ。

シャクナゲ 
 今日のお目当てのシャクナゲもぽつりぽつりと姿を現せてくれる。つぼみもあって、写真的には一番見頃の時期ではないだろうか。

 時折現れるシャクナゲを探しながらアップダウンを繰り返しながら槍が峰に到着。小休止後、権兵衛山に向けて出発。だんだんシャクナゲが多くなり、すれ違う人も多くなった。

シャクナゲ 
 シャクナゲは色の濃い蕾が一緒だとより見栄えがする。

 左の写真では、本当は周りが雑然としていたので、望遠レンズでうまく切り取ってみた。

 すぐ近くに咲いている場合もあるが、割と背が高くなるので200mmくらいの望遠レンズがあると撮影がしやすい。
牛岩方面を見下ろす 
 縦走路から牛岩地区を見下ろす(左の写真)。

 シイノキの花が彩る山肌と、棚田がきれいだ。
ギンリョウソウ 
 ギンリョウソウも見られた(左の写真)。

 もう少し季節をずらすと”幽霊”がたくさん頭をもたげていることだろう。
権兵衛山から南峰方面を見る 
 権兵衛山に着くとこれからは展望が利かなくなるので、最後の景色を眺める。

 改めて今まで登ってきた稜線を眺めると、よく歩いたものだとちょっと感心する。

 ガスっているので展望はいまひとつだが、今日はシャクナゲの状態が良いので、展望の悪さは気にならない。
 
 少し下るとキャンプ場からの道と合流する。ここは道が4つに分かれ、直進が鎌倉寺山、左(北)がキャンプ場からの道、右(南)が牛岩の集落の上部に下る道で、ここはもちろん山頂へ直進する。帰りは右の道を下る。シャクナゲの季節だけあって多くの登山者とすれ違い、団体さんも数団体いる。
 
シャクナゲ 
 鎌倉寺山の山頂は、それなりに広くしてあるが、展望はあまり望めない。シャクナゲが周辺に咲いているが、登る過程でたくさん撮影したので撮影せず昼食とした。人も多くなったので適当なところで下山にかかり、先の十字路に戻り南へ下る。

 落ち葉が多く急なので、滑りやすいため注意。踏み跡はしっかりしているので迷う心配はないが、それほど多くの人は使っていない道のようだ。

 持っている地形図と周囲の地形を照らし合わせながら、だいたいこの辺だと見当をつけながら下る。谷を挟んだ向かいにある山が時々見えるが、基本的には展望はない。

 樹林の中で、こちらはシャクナゲも他の花もないのでただ下るだけとなった。いい加減休みたいと思った頃平坦になり、道が草に覆われてはっきりしなくなる。
 だいたいこの辺だろうと進んでいると川に着き、ここを渡ったところに道が見える。川を渡ってまもなく砂利道の林道に出る。
棚田 
 道を下るとすぐに舗装道路となり、もうしばらく下ると集落の端の田んぼに出る。

 棚田というのだろうか、石垣がきれいに積まれ、段々になっている。耕作していないところもあるが、田植えをしたばかりの棚田はきれいだった
 
 久しぶりに登ったが、ちょうどシャクナゲの状態も良くて楽しませてもらった。
 いつも行程の短いコースで山を登るので、ちょっと長めのコースで疲れるが、これだけシャクナゲが見られるのならそれほど苦にならないと思う。

 岩場や急なところがあって、腕力の弱い女性の方には難しいところもあるが、そういう場合は男性と一緒に行かれ、サポートしてもらうと良いだろう。
 南峰の岩場は下る人が多いようだが、こういう急な場所は登るほうが容易なので、下りに使うのはあまり勧められない。

 怪我をすると楽しい思い出ではなくなるので、無理をせず、安全な山登りを楽しんでください。
 

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