TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

釜峰山 03/5/17
広島県比婆郡口和町

釜峰山 
 最近は山登りと巨木巡りがセットになりつつあるが、WEB上でいろいろと調べていると、口和町の釜峰山に西日本一のアベマキの群生林があると知り、山登り関係のHPでは情報がないのでちょっと不安はあるが行ってみることにした。


 国道54号線を北上、三次市に入り尾関大橋を渡ってすぐを右折し、いくらか走って君田村への案内が出たら左折し県道39号に乗る。数q走ると口和町に向かう県道186号の標識が出るので右折。
 ところどころ狭いので注意。モーモーあいすらんど(アイスクリームがおいしい)を過ぎてまもなく、交差点に出るがそのまま直進。基本的に道なりに走ると、「湯木のアベマキ」の案内標識があり、その少し先の左カーブのところにある右折する道に入る(感覚的には直進)。
 この辺で既に形の良い釜峰山の山容を見ることが出来る。基本的に道なりだが、Y字路のところは右に入る。左手に鳥居が出たらその横の道に入る。
 離合の難しい狭い道なので注意しながらすすむと突き当たりに社が見え(上の写真)、ここが登山口になる。駐車スペースは10台くらい。簡易トイレがある。
 

キランソウ 
 歩き始めると大木の根元に「キンランソウ」と札あり、?と思ってよく見ると、幹にキランソウが生えていた。岩場や地面に生えているのは見るが幹に生えているのは初めて見た(植えたもの?)。
釜峰山 
 辺りは新緑で気持ちがよい。この一帯は釜峰山森林浴公園となっているが、確かに森林浴には良さそうだ。熱帯地方かと思えるくらい多くの鳥の声が聞こえ、時折ドラミングも聞こえる。

 昔は樹肌からコルクを採ったというアベマキの大木が多く見られ、中には幹周り2m以上と思われるものもいくつか見られる。アベマキの他にもコナラ、イヌシデなどの木も見られ、樹種を書いたビニール袋に入った紙がところどころぶら下がっている。

 釜峰山は中世にこの一帯を治めた湯木氏の山城跡であるが、釜峰神社があるように修行の場所でもあったそうだ。登山口から5分で光明寺跡、さらに10分で釜峰神社に着く。

 修行の場所だったという巌洞窟は断崖絶壁にあり、こんなところで修行したのかと驚く。そばには水量はないが滝が流れ落ちている。その水は天狗名水と名付けられ、神社の近くに飲めるようになっている。断崖絶壁を見渡しているとホオノキの大きな白い花が咲いていた。
 
 釜峰神社までは新緑の美しい広葉樹の森で、ここから上はヒノキの植林地となる。急傾斜地の植林だが、手入れはされているようで林床は比較的明るい。スイッチバックで急な坂を上るが、日差しはなく、風もよく通るので意外と気持ちがよい。
 
 植林が終わり再び広葉樹の森となり、まもなく空が開けてきた頃、二の丸に着き、少し登れば本丸となる。登山口から約40分。周辺が開けているので展望が良く、湯木の田園風景が展望できる。また、樹間からではあるが、きれいな円錐状の八国見山が見える。東屋があり展望も良いのでここで昼食を摂ることにして、取り敢えず山頂を目指す。
 
七条の堀切 
 釜峰城跡にはここだけしか見られないという七条の堀切がある。堀切とは尾根を切った防御施設で、大きな溝とでも言えばよいだろうか。この溝が7つあり、山頂へはこの堀切を超えてゆく。ただし、明確な踏み跡がなく、山に慣れていないと不安かもしれないが、基本的に尾根の頂点(?)から外れないように進めばよい。

 まず城跡から高低差20mくらいを一気に下る。足下は松葉なので滑らないように注意。堀切を7つ超えると急坂になり、登り切って水平道をしばらく行くと最後の急登となる。明確な登山道はないので、尾根の最高地点からあまり離れないように登ってゆく。マツとヒノキが多く、あまり花は期待できそうにない。ヤブ漕ぎとまではいかないが、それに近い道だ。

 城跡から40分程で山頂に到着。山頂は少し広くなっているが、木々に囲まれてあまり展望はない。人があまり来ていないのは明らかで、次第に雑木林に変わりつつあるように見える。良く探すとチゴユリやスミレが咲いていた。

 展望が期待できないので、予定通り城跡へ戻る。やはり明確な道がないので道を外れてしまいそうになり、時折全体を見ながらルートの確認をする。七条の堀切を再び越える。珍しいものなので写真を撮ったがやはり雰囲気が出ない(上の写真)。
 
アベマキ 
 昼食は見晴らしの良い城跡の東屋で摂る。正面にブナの木があり、双眼鏡で見ると花をつけていた。周辺はアカマツが多いが、手入れはされていないので松茸は期待できない(笑)。

 樹間を吹き抜ける気持ちよい風と鳥のさえずりやドラミングの音を聞きながら下山。

 マイナーな山だけあって他の登山者には会わなかったが、城跡までの登山道は良く整備されていて歩きやすい。麓の湯木の町からよく目立つ山であり、地元の方には親しまれているシンボル的な山なのかもしれない。
 

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