TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

頭 崎 山 02/12/14
広島県東広島市高屋町貞重

太鼓の段 紅葉の絨毯 
 電車は呉線しか使うことがない私だが、たまに広島駅に行くと白市行きの電車をよく見る。
 
 白市とはどんな町なのか気になっていたが、近くに登れる山を見つけたのでそこに行くことにした。

 頭崎山がそれで、標高504m、標高差200mの低山で、山城の跡である。

 

案内図 
 国道375号線で東広島に北上し、西条ICを過ぎ、西高屋駅への分岐の信号を過ぎてまもなく東広島中核工業団地への標識が出るのでそこを右折する。そのまま道なりに進めば前方に山頂付近に平らな部分(郭)をもつ低い山が見え、お好み焼き屋を過ぎてすぐ左手に頭崎城の案内看板が見える。駐車場はないので、案内看板の近くに車を入れる。

 頭崎山に向けて歩き出す。最初は右折、次に左折、次に右折と畑の中を進むが、ポイントごとに案内が出ているので迷うことはない。最初の分岐で曲がらず進むと極楽寺経由で頭崎山に登れる(案内図参照)。
登山道 
 山城らしく道は広めで傾斜はいくぶんきつめだが、良く踏まれた歩きやすい道だ。展望は利かないが、落葉していることもあってすっきりとした林で、リュウノヒゲのコバルトブルーの実やヤブコウジの赤い実を見ながら高度を上げる。

 展望が多少得られるようになると、最初の郭、鳥居の段に着き、少し上に行くと石造りの鳥居がある。巨岩のそばを通りすぎ、山城によくある矢竹(本当に武器に使ったのだろうか?)の林が現れ、カエデの大木が現れる。落葉した葉っぱも多く、紅葉の季節はよいかもしれない。日陰には溶け残った雪があり冬を感じさせてくれる。
頭崎城 見取図 
 登山口から50分で三の丸に到着する。甲の丸(本丸)、二の丸、三の丸、西の丸、太鼓の段、煙硝の段などの郭があるが、だいたいの位置関係は図の通りである(左図参照)。

 展望という点では太鼓の段がお勧め。桜やカエデが植樹されており、桜や紅葉の季節は期待できる(冒頭の写真)。
太鼓の段からの展望 
 展望も野呂山、灰ヶ峰、小田山などが望め、眼下の広がりがあるので気分がいい(左の写真)。

 煙硝の段も展望はよい。甲の丸、二の丸は木々に囲まれ展望はない。西の丸は鬱蒼としている。三の丸の奥に頭崎神社があるので寄っておこう。
 
 昼食は展望の良い太鼓の段のベンチに腰掛け、眼下を望みながら食事にする。下山は極楽寺経由で下ることにする。今日は誰とも出会わないなぁと思っていると、不意に若い男性が歩いてきてびっくりした。リュックを担いでいないし山登りの感じでもない。しばらく行くと駐車場に車が止めてあり、車で来たのだと納得する。
 
 
 この山は車で上れるのだが、終点近くは未舗装で、車高の高い車でないと躊躇してしまう道だ。車道を下ってゆくと舗装路になるが、落ち葉が降り積もりほとんど山道と変わらない。

 今日は花を見ていなかったが、桃かと見間違えたくらいかわいらしい花が、枯れ木の中に映えていた(左の写真)。
 
 しばらく進むと左手に極楽寺への案内標識があるのでそれに従って下る。頭崎城の登山道よりは狭いが、ヤブにも覆われていない歩きやすい道だ。極楽寺の奥の院を過ぎると石仏が道の側に置かれている。どうも八十八体あるらしい。奥の院から5分で薬師堂に着き、頭崎城を出発してから50分ほどで下山する。

 山に登るぞ!と意気込んで登るとちょっと物足らないが、展望の良さ、歩き易さから考えると、家族連れで登るのにちょうど良い山だと感じた。
 

案内図 
 せっかくなので白市の町にある国の重要文化財「木原家」を訪れる。木原家は頭崎城主平賀氏の親戚にあたり、木原城という城を持っていた。関ヶ原の合戦に敗れたのち囚われの身となっていたが、町民という身分を条件に再びこの白市の町に帰ってきたそうだ。その後塩田の経営で財を為したとのこと。

 道が狭くて迷いやすいので、左図を参照のこと。駐車場はないが、向かいの郵便局にとめてもよいとのこと。私は迷った挙げ句、養国寺の駐車場に置かせてもらった。

 お客さんがいなかったのでちょっと寂しいが、その分ゆっくり見られた。周辺の町並みも趣があるので散策してみましょう。特記すべきは瓦。しゃちほこはよく見るが、鳥、タケノコ、桃、翁などユニークなものが多い。また、養国寺もなかなか立派なお寺で、山門や本堂の彫刻は見事。
 

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