TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

河平連山 02/11/17
広島県佐伯郡大野町

渡の瀬ダム湖畔の紅葉 
 11月中旬といえば平野部の紅葉の見頃である。

 しかし、例年にない早い寒気の訪れで紅葉の色づきが早まり、今週末が紅葉の見頃の終わりだという。

 という訳で、最後の秋の彩りを求め、広島県南部の未踏の山である河平連山に登ることにした。

 河平連山は、0号峰から8号峰まで9つの峰が連なる山で、最高峰の5号峰を河平山と呼ぶことにより名付けられたようだ。縦走を目的に登られる山で、他山の縦走と比べ行程が比較的楽で展望も良いことから人気のある山と聞く。


 広島西バイパスを通り、宮内交差点で右折し、県道30号で佐伯町を目指す。右手にセブンイレブンがある河津原信号のところで左折して県道42号に入り、少し走って、おおの自然観察の森の案内に従い左折する。狭い道なので注意して進み、渡ノ瀬ダムのそばを通る。この辺の紅葉もきれいだ(冒頭の写真)。
 分岐がいくつかあるが、県道42号で大竹方面を目指せばよい。道が広くなり、峠のところに東登山口がある。歩道が広いので5台以上は十分駐車できる。そのまま坂を下り、左に電話ボックスがあるところで右折し、道なりに進むと河平連山のハイキングコースの看板がある。駐車場はないが、道が広めなので路上駐車させてもらう。5台程度は十分止められる。

ツルリンドウの実 
 目の前に岩峰が見えるので山に向かって舗装路を歩く。ちなみにこの岩峰(石山)には登らない。舗装路を歩いていると登山口の標識があるのでそれに従い右折する。山道に変わり、しばらく歩くと登山届けのボックスと簡易トイレがある。

 登山道沿いには、アキノキリンソウ、コウヤボウキなどの花が数株見られた程度だが、ヤブコウジやツルリンドウの赤い実(左の写真)は多く見られた。

 紅葉はというと、登りはじめは常緑樹が多くて緑が多く、段々と上に登るに従ってコナラなどの紅葉が現れるようになる。赤く紅葉するカエデの類はあまり見ない。

 途中水場がある。
紅葉 
 登山口から30分程度で馬ヶ峠に着き、右手の道を登ってゆく。全体的に急傾斜は少なく、落ち葉があるためか歩きやすい道だ。

 展望はしばらく利かないが、10分もすれば視界が開け、1号峰下の天狗岩を展望できるようになる。瀬戸内の山に多く見られる花崗岩の大岩で、周りの木々も紅葉していて眺めがいい。

 ところどころ展望の良い場所があるので、展望を楽しみながら登る。岩海のような場所もあった。

 シコクママコナがまだ咲いていた。この花の花期は長いようだ。
 
 登山口から1時間ほどで1号峰と2号峰との鞍部に出る。1号峰へは数分で着き、そこから左に入り天狗岩へと下る。多少急な箇所があるので注意。一番下までは下らず、途中の見晴らしのいい岩の上で展望を楽しむ。再び1号峰へ登り、左折して0号峰へ向かう。

 0号峰はかつて飛行機が墜落したことがあり、別名飛行機山ともいい、途中、殉職した浅田大尉の殉職碑への道がある。0号峰の手前にロープが垂らしてある急な場所があるので、足場を十分に固定しながら慎重に登りたい。迂回路もある。10分もかからず0号峰へ到着する。
八畳岩から宮島方面を望む 
 八畳岩はその名の通り大きな岩で展望も大変良い。すぐ正面に傘山、右手に移動して三倉岳、その横奥に羅漢山、吉和冠山と一望できる。
 紅葉というより黄葉に近いが、緑の中に点々と紅葉している様はなかなかきれいだ。もう一つ奥にある岩は、登るのが少し難しいので、自信のない人は遠慮した方がよい。
 
 ここから引き返し2号峰へ向かう。2号峰の手前で宮島の大鳥居が見える場所があるが、双眼鏡を使わないと分かりにくい。2号峰、札木峠を過ぎてゆくが、3号峰、4号峰付近は傾斜がきつく、マサ土で滑りやすいので注意。
  
縦走路から三倉岳方面を見る 
 しかし、縦走路のところどころに展望が開けるのであまり疲れを感じない。渡ノ瀬ダムの堰堤や、振り返れば瀬戸内海の光る海が見える。

 
  4号峰には水神釜があり、昔はここで雨乞いをしたそうだ。標高は555mで河平山(5号峰)と同じ高さだが、巨岩があるのでこの4号峰を雨乞いの場として選んだようだ。主峰の5号峰は4号峰からすぐだ。0号峰から約1時間で5号峰に到着する。

 少し広いので5号峰で昼食にする。北に大峰山、東北に大野権現山が見え、双眼鏡が必要だがおむすび岩も見える。
 
 昼食後、6号峰に向かう。急坂なので注意して進み、約5分で6号峰、更に5分で7号峰と進む。一部、水に流され山肌が削れている場所があるので、必要以上に近づかないように。更に5分で最後の8号峰に着き、ここを過ぎるとまた急坂になる。
もみじ 
 一気に下るが、紅葉の具合は朝の登りの時よりこちらの方がいいようだ。

 コナラの黄葉が目立ち、一部ではあったがカエデの紅葉も望めた。また、大きな黄色い葉っぱが登山道に黄色い絨毯を作り上げ、気持ちの良い下山となった。

 途中三段滝があり、水量が無く迫力に欠けるものの、紅葉はこの辺がきれいなようだ。
 
 5号峰から約1時間で東登山口に到着。駐車スペースには5台車が止まっており、この山の人気の高さを感じた。ここから車道を下り、大竹市の看板が見えて次の曲がり角で右に入る。見過ごしやすいが、曲がってまもなく、右手に入る道があり、しし岩がある。ししというより私はイノシシに見えた。

 道なりに進み、東登山口から約30分で元の登山口に戻る。こちらも多くの車が路上駐車していた。

 有名な山であるが、ここまで登山者が多いとは思わなかった。いつも早い時間帯に登るのですれ違う人こそ少なかったが、後から多くの人が登っているようだ。

 縦走は概して行程が長いが、河平連山は適度な長さで、かつ展望も良いのであまり疲れを感じない。また、天気の良い日に登りたい山だ。
 
 

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