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TONARIの 色撮り撮りの「山 行」 |
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カタクリ咲く右谷山 |
00/ 4/29 |
山口県玖珂郡錦町 |
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山で写真撮影をする人間が、必ず撮影したい花の代表のひとつは、「カタクリ」である(私見)。何を隠そう私もそう思っている一人である。
東日本の人にとってはこのカタクリの花というのはそれほど珍しくもないかもしれないが、西日本の人間にとってはそうではない。
雑誌などで見るカタクリの撮影場所はほとんど東日本で、群生して咲いているところを撮ったものが多い。
私の住む広島県周辺ではいくつか群生地があり、それなりに多く咲いているものの、お花畑と評されるほどのものはない(もし知っている方がありましたら是非教えて下さい)。
今回紹介する右谷山もそういった群生地のひとつである。
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右谷山は、山口県の最高峰 寂地山の側にあり、県下第2位の高峰である。この一帯は寂地山系とよばれ、寂地狭、浦石狭などの峡谷などがあり、ゆっくりと自然を楽しむには絶好の場所である。
右谷山に行くことに決めたのは、何気なく山関係のホームページを見ていたときのこと。カタクリの開花情報を載せているページがあり、そこにこの右谷山が掲載されていた。
寂地山自体は数年前に登ったこともあり、ある程度の土地勘はあるので行ってみることにした。
朝4時に起き、自宅から車を走らせ、約2時間で寂地峡に到着する。昼間は2時間半は必要な道のりだが、これだけ早い時間なら予定よりはかなり早めにつく。
まだ、早い時間だけに(6時頃)寂地峡の駐車場の心配はないと安心していたが、ついてびっくり!駐車場の7割方が埋まっていた(ほんの少し離れたところの駐車場はあいていた)。まさか皆カタクリ狙いかと一抹の不安を覚えながら登山準備を始める。見ればバスも数台止まっており、ツアーも組まれているのかもしれない。
数分で登山準備を終え、右谷山に向け出発する。今日のコースは五竜の滝を登り、寂地峡→みのこし峠→右谷山→浦石峡→寂地峡駐車場である。
登山口になる五竜の滝は5つの滝が豪快に流れ落ち、遊歩道が滝のすぐ側にあり、滝の流れをすぐ側で楽しみながら登ってゆける良い場所である。滝を写そうとファインダーを覗くが、スローシャッターとなってしまうので、仕方なくフラッシュ撮影を行う。滝を写すだけが目的なら三脚を使うのだが、今日の目的はカタクリなので、滝は次の機会にしよう。
急な階段を上り、後ろを振り向けば、いかに急なところを登ってきたのかがよく分かる。
階段を上りきると左右に長いトンネルがある。左に行くと寂地峡の駐車場に向けて下り、右に行けば寂地峡に向かう。右の道は駐車場への下りのコースにも行けるのだが、少し見た感じでは荒れているような印象だった。
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右の道を取り、寂地峡へと入って行くが、途中に竜ヶ岳という岩峰があり、展望の少ない本日のコースでは貴重なので、ここに立ち寄る。
急な階段をいくらか上り、頂上に立つ。寂地山方面の山々を展望できるが、さほどすばらしい展望とはいえなかった。しかし開けた場所というのは気分がさわやかになるので、ここで軽食を摂る。
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元の道に戻り、寂地峡に入る。まだ朝早いため、光量が少なくスローシャッターはやむを得ないので、1/30くらいでシャッターが切れる場所を探し撮影する。
水がきれいですがすがしいが、花は見あたらないようだ。
水を主役にいくらか撮影しながら登って行き、10人くらいの団体にあったが、先にいかせてもらい上を目指す。 |
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そしてようやく、みのこし峠に到着する。
展望が利かないのは残念だが、これからは尾根伝いに歩く比較的平坦路なので、急な登りが後に待っていない分気分が晴れる。
さて、情報によるとこのみのこし峠付近にカタクリの群生があるようだが、あたりを見渡しても見つからない。
まさか時期がずれたかと不安がよぎったが、右谷山方面に向けて少し歩くとカタクリの花が見つかった。もっとも群生というにはほど遠く、近くに5株も生えていればいいくらいの感じだった。
カタクリの花というのは光がないと花を開かず、萎んだままという性質がある。早い時間であるので花びらを開いたものは少なかったが、どこの世界にも例外はあるもので、花びら反り返したカタクリの花をいくつか見つけた。
この花は花びらを閉じたもの、ラッパのように先が開いたもの、90度開いたもの、反り返ったものなど様々な表情を見せてくれる。
時間を考えなくてもよいなら、ひとつの花が萎んだ状態から反り返るまでをゆっくり眺めるのも暇つぶしによい。あいにく、そうゆっくりは出来ないので、それぞれのパターンをひととおり撮った。
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右谷山山頂は木々に包まれ視界は利かない。ただし、他の視界が利かない山と違い、ブナの林なので雑然とした雰囲気ではなく、すがすがしさが感じられる。
山頂には他に3グループほどいたが、団体さんはいなかったので、窮屈な思いはしなかった。しかし先ほど追い抜いた団体が追いつくだろうし、団体が来る前に簡単な休憩を取って下山する。
山頂にいたグループは寂地山へ行くと言っていたが、健脚を自負する方には、寂地山への縦走をお勧めする。寂地山までの尾根にはカタクリの群生がいくつかあるとのことである。
しかし、ここから寂地山へは距離がある上に、寂地山の登山口へ下りると、寂地峡の駐車場まで林道を相当な距離を歩くことになる。故に寂地山〜右谷山を縦走する場合は車を2台用意してそれぞれの登山口に置いておくのがよい。
また、長くてもへっちゃらという元気な方は寂地山からさらに冠山への縦走が出来ます。私はそこまでしたくはありませんが……。
さて、下山は寂地峡の裏に当たる浦石峡へ下るコースを取る。
山頂からしばらく行くと展望が開けるので、ベンチに荷物を下ろし、早い昼食を摂る。多少かすんでいるが、小五郎山などが展望でき、なかなか広々とした景色である。
下山途中に何グループかとすれ違ったが、皆カタクリ目当てらしく、「咲いていましたか?」と主語をつけることなく訊かれた。この時期にこの山に登るのはほとんどカタクリ目当てというのが常識のように感じた。
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さて、浦石峡は、印象としてなめら滝が多いらしく、さほど急流という感じは受けなかった。
舗装道路に着いて少し行ったところに木目の滝という比較的大きな滝があるが、これもなめら滝のように平たい傾斜を流れ落ちる滝だった。
浦石峡で見つけた花は、ショウジョウバカマ、タチツボスミレで、ショウジョウバカマは1カ所でしか見れなかったが、タチツボスミレは群生しているところがいくつかあった。
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今回のコースは峡谷を登り、カタクリの花を愛で、また峡谷を下るという、比較的疲れを感じにくい変化のあるコースであった。
他の山もこのように変化がたくさんあると良いのだが、これも山それぞれの個性である。
今回の被写体は無論カタクリの花ではあるが、このコースはまだいろいろと写欲をそそられる。
せっかく峡谷沿いの道を登り下りするのであるから、峡谷の表情をいろんなアングルでアプローチするのも良いだろう。今度は逆のコースで登ってみるのもいいかもしれない。 |
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