TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

竜王山 (西城町) 03/6/8
広島県比婆郡西城町

コアジサイ 
 竜王山といえば、数年前の夏に登り、見晴らしの良い山頂でオオバギボウシのお花畑と無数のトンボに出会ったことが印象に残っている。

 熊野神社の老杉群の撮影を兼ねて久しぶりに登ってみることにした。
 
  庄原ICから国道183号を北上。比婆山駅を過ぎてまもなく左に鳥居がある県道254号への分岐が出るので左折。熊野小学校を過ぎてまもなく熊野神社の案内が出るので右折して登ってゆくと鳥居が見える。広い駐車場とトイレ有り。
 

熊野神社の老杉群 
 登山口となる熊野神社には県の天然記念物である老杉群があり、幹周り8.2mを筆頭に県内有数のスギの巨木が聳えている。巨樹群といわれる場所にはいくつか行っているが、幹周り3mを越えるいわゆる巨木が当たり前のようにそこかしこに聳え、5mクラスも数多く見ることが出来る場所は県内でもこの熊野神社くらいだろう(左の写真)。

 スギの巨樹たちの足元を歩き、いくつかの小さな神社のそばを通りながら登ってゆくとミヤマヨメナの群生があり、お花畑と言える規模で咲いていた。

 相変わらず大きなスギが続き、最後の神社の社を過ぎると大木は少なくなってくる。
那智の滝(鳥尾の滝) 
 一旦谷を離れ、ある程度登ると緩やかな登りとなって再び渓流に近い場所を歩くようになる。

 小規模な滝が現れ始めると那智の滝まではもうすぐだ。熊野神社から30分ほどで那智の滝に到着する(左の写真)。

 那智の滝は落差30m、横幅はあまりなく、何段かに分かれて(3〜4段?)流れ落ちている。水量がない時は写真を撮るのをためらうほど貧相な滝となるが、水量があるときは優美な姿を見せる。

 説明看板には「鳥尾の滝」とあり、船通山の鳥上の滝に対するものだそうだ。
ギンリョウソウ 
 ここからはスイッチバックで高度を稼ぐ。
 ところどころギンリョウソウ(左の写真)が顔を出し、咲いているものは少ないがコアジサイが淡い青い色で山道を彩る(冒頭の写真)。
 木々は新緑から深緑へと移り変わりつつあり、光が差すと新緑の鮮やかさを感じる。

 那智の滝から15分ほどで滝の落ち口への分岐に着く。以前は落ち口に行けたが、現在は通行止めになっている。

 ここから傾斜は緩やかになる。
 スギの林の中を歩いていると小さなタニギキョウの花がポツポツと咲いている。見過ごしてしまいそうになるくらい小さな花だが、他に花が見当たらないので比較的よく目に付く。
 
 那智の滝から30分、少し開けた天狗の相撲場附近から道幅が広めになり、傾斜も多少きつくなる。やはり花はあまり見ないが、ギンリョウソウが群生している場所やかわいいキノコが生えている場所もあってなかなかおもしろい。ずっと森の中で直射日光にさらされず、風も適度に吹いてくれるので登りやすい。

レンゲツツジ 
 天狗の相撲場から25分で水場に到着し、ここからキャンプ場に向けて日光にさらされながら階段を登ってゆく。暑いのが難点だが、ここからの草原(?)は花の多い場所だ。今の時期はタニウツギ、レンゲツツジなどが咲いており、あと1〜2ヶ月もすればヒヨドリバナやイブキトラノオ、オオバギボウシなどが咲いて、たくさんの蝶々やトンボが舞うようになる。

 階段を登り切るとバスが止まっており、50名くらいの団体さんがおり、団体さんが動き出す前にさっさと横を通り過ぎた。山頂まではすぐで、日当たりの良い場所にはアカモノの花が咲いている。

 熊野神社から約1時間40分(休憩含まず)ほどで山頂に到達。

 高木のない見晴らしの良い山頂からは360°見渡せ、今日はガスって展望はいまひとつだが、開放的な草原の山頂は大変すがすがしい。
 
 冒頭にも書いたが、山頂は夏場にはオオバギボウシ、イブキトラノオ、ホソバシュロソウなどがたくさん咲き、トンボが鬱陶しいくらい舞っている。今はタニウツギが点々と咲いている程度。適度に空が曇り、直射日光もなく、山頂を通り抜ける風が気持ちよい。

 竜王山は熊野神社の老杉群、那智の滝、豊な森、山頂付近のお花畑と見所が多く、歩きやすくて楽しく登れる良い山である。紅葉の時期は登ったことがないので機会があればまた訪れてみよう。
 

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