<参考タイム>

熊野神社


(40分)

那智の滝

(15分)

滝落ち口

(15分)

天狗の相撲場

(30分)

水場

(15分)

山頂

(30分)

天狗の相撲場

(30分)

那智の滝

(20分)

熊野神社
TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

竜王山 2 04/8/8
広島県比婆郡西城町

竜王山山頂部 
 甥と姪が夏休みでやって来ており、どこか山に登ろうということになった。この子達は片道4qの道のりを通学しているので体力はある程度あると踏んで、夏の暑い時期にはちょっとキツイかと思ったが、比婆山の竜王山に登ることにした。

 広島県を代表する熊野神社の老杉群、那智の滝、山頂の展望とお花畑など変化があっておもしろいだろうと思い計画した。
 

竜王山マップ 
【竜王山map】

 赤い線が登山道です。
 熊野神社を登山口とし、那智の滝、天狗の相撲場を通り山頂に至ります。

 左欄に参考タイムがありますが、子供の足に合わせていますので、多少遅いペースになっています。

熊野神社の老杉 
 今回、いつものように熊野神社の駐車場に入ろうとすると係員が立っていた。今までこんなことはなく、夏祭りでもあるのかと訊いてみると、「映画のロケをしている」とのことだった。西城町では『いとしのヒナゴン』の映画ロケをしているとニュースで見ていたので納得。かつて世間を騒がしたという(私は記憶はないが)ヒバゴンを題材とした映画とのこと。西城町をあげて協力しているようだ。

 鳥居のそばにある案内看板で子供達にだいたいのコースを説明後、熊野神社の石段を登り始める。

 今まで多くの巨樹に出会っているが、ここの老杉群を見るといつもその大きさに感心する。子供達と比べるといっそうその大きさが際だった(左の写真)。
 
 杉の巨樹の中のひっそりとした道を歩き、小さな神社のそばを通りながら奥に歩を進める。気温はそう高くないようだが、少しムシムシするので疲労を感じる。子供達は元気にさっさと前を歩いていく。

 最近、山行レポートに地図をつけるようにしたため、竜王山を中心とした地形図をA4に印刷して持ち歩くようにしたので、都度現在地を確かめながら登る。
 
那智の滝 
 最後の社を過ぎるとだんだん杉の巨樹がなくなってくる。

 沢のそばを通る道からいったん山側に登り、沢を左に見下ろす感じで北上する。途中、沢に向けて下る大きめの谷があるが、2万5千分の一の地図で那智の滝までの間にその谷を読めない。???と思いながら那智の滝に着く。

 地形図と見比べるがどうも周りの地形と一致しない。おかしいと思いながら地図で那智の滝と示された位置の北側に周囲の地形とよく似た地形を発見。ここが那智の滝とすると、先ほどの深い谷が途中にあるので納得できる。

 ガイドブックの地図も滝の位置が間違っているし、滝周辺の登山道の図示もでたらめで、本当に歩いたのかと疑いたくなる。

 そもそも地図にある登山道は間違っている。地形図を頼りに登山する人は少ないと思うので(ガイドブックがメインかな?)実害はないが...。
 
 那智の滝のベンチで10分ほど休憩。滝の水は冷たく気持ちがよい。休憩後、滝に向かって右手の斜面をジグザグに登ってゆく。

 ウバユリはつぼみ、ヤマジノホトトギスもつぼみが多いが少しは花を開いている。地図を片手に地図を見ながら歩いているので、花を探すのがお留守になってあまり見つけられなかった。
 森の緑は美しく目に優しく、酷暑が続いているので枯れた葉っぱが多いのではないかと心配していたが、この様子だと今のところ(紅葉の方は)大丈夫のようだ。
 
 滝の上部とほぼ同じ高さまで登り、平行道を進んで滝の落ち口付近まで来る(落ち口にゆく道はあるが危険なため現在通行止め)。
 小休止後、橋を渡り杉林の中に入る。渓流が静かに沢を流れており、沢を右手に緩やかな道を進む。
 6月に訪れたときは小さなサワギキョウが咲いていたが、今はカニコウモリやモミジガサがつぼみを付けている。また、足下に橙色の小さなキノコを発見した。前回もそうだったが、この山では何故かよくいろいろなキノコに出会う気がする。
 
大木 
 緩やかに登り、再び沢を横切ってしばらく登り、右にカーブしてまもなく天狗の相撲場に着く。

 小さな尾根が平らに伸びた場所で、天狗が相撲をとった場所だという。標識がなければ見過ごしてしまいそうな場所だが、読図する立場からいえばチェックポイントとなる場所である(沢沿いの道から小さな尾根に乗る場所)。ここで10分休憩をとる。

 ここからは小さな尾根に沿って登ってゆく。傾斜は比較的きつめなので自分のペースで登ろう。

 不思議といっては失礼かもしれないが、2万5千分の一の地図にある登山道は、この小さな尾根道に限っては正確に記されている。
オオウバユリ 
 子供達もさすがに疲労の色が見え、立ち止まる回数も増えてきた。励まし励まし、だましだまし登る(笑)。ただ、基本的な体力はあるはずなので、体力よりも気持ちの問題であると思う。

 ようやく水場に到着。顔や手を洗い気分一新。
 途中に水場がある山というのはありがたい。夏山は水分を十分とる必要があるので、途中に水場がある山を選ぶようにすると良い。

 ここから山頂までは木陰が少ないものの花が多い場所である。またその花に集まってくる蝶々も多い。
 歩き始めると早速アサギマダラが優雅に舞っている。蝶々の中では比較的撮影しやすいし、羽根の色・模様がきれいなので好きな蝶々のひとつだ。
ヒヨドリバナのお花畑 
 日当たりのよい草原の中に群生して咲くヒヨドリバナに多くの蝶々が群がっていた。

 草原にはヒヨドリバナの他にもツリガネニンジン、カワラナデシコが咲き、ポツンと見られるコオニユリの鮮やかな橙色が目に付く。

 アサギマダラも多いがトンボも無数に飛んでいる。暑いのが難点だが、この草原の道を歩くのは楽しい。
 
 駐車場まで登ると車が数台停めてある。長い時間かけて登ったその山の上で車を見ると、自分たちがバカみたいに思えるときがあるが、少なくとも車で上がって来た人には、歩いて登って感じた・見つけた経験を得ることは出来ない。

 車の横を通り過ぎ、最後の登りを過ぎてまもなく山頂に着く。
 竜王山の山頂は県内でも有数のオオバギボウシのお花畑なのだが、すでに花を終えている状態(冒頭の写真)。酷暑のせいで開花時期が早まったのか。
 
コオニユリとキアゲハ 
 竜王山の山頂部はかなり広い草原なので大変見晴らしが良く、直射日光にさらされるものの、平地の気温より5〜6度は低いので風は気持ち良い。

 今日はちょっと雲が多めなので日陰となることが多くて助かる。

 双眼鏡で見ると池の段の山頂にも人影があり、池の段南の大岩辺りで腰を下ろしている人影が見える。
 
 下山はもと来た道を引き返す。
 山道では他の登山者とほとんど出会わず、那智の滝を見に来た人と出会ったくらい(滝の水をも汲まれたようだ)。真夏に登る山としては行程が少し長いので敬遠されるのかもしれないが、途中に滝や水場があり、山頂部以外は木陰の中でそよ風も吹いてくれるので、暑い日でも登れる山であろう。

 帰りには道後山方面に車で進み、頑張ったご褒美に子供たちにアイスクリームを食べさせた。ちょっときつかったようだがよく頑張りました!
 
 

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