TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

カタクリ咲く 船通山 02/4/28
島根県仁多郡横田町

カタクリの群落 
 カタクリの花というのは人気があるもので、平地は4月初旬から中旬、山は4月下旬から5月初旬まで各自生地は人で賑わう。
 
 今年は平地でたくさんのカタクリに出会っているので、人が多いカタクリが咲く山にわざわざ行かなくても良いのだが、船通山にサンインシロガネソウが咲いているとの情報をつかんだので、それを目当てに船通山に行くことにした。
 
 庄原ICを下りて左折し、すぐの大きな交差点を右折し、国道183号を北上する。仁多・横田方面の案内が出たら左折し今度は国道314号に乗る。有名なおろちループを過ぎ、出雲坂根の延命水を過ぎる。横田町に入って、奥出雲たたらと刀剣館を過ぎて数百メートルのところで右折する。2つ目の信号で左折し、突き当たったら右折する。道なりに進み、道が細くなるところで右に広い道が出るので右折する。あとは案内に従って進めばよい。基本的に案内が出ているので見落とさないように。
 
 トイレ休憩にヴィラ船通山に立ち寄る。まだ数台止まっているだけだが、「歓迎〜」の看板はびっしり詰まっていたのでカタクリ目当ての登山者の多さは予想に難くない。ヴィラ船通山を発ち、今日は亀石コースで登るので案内に従って左に入る。未舗装の道で狭く離合が大変であるので人が少ないときにいくのがベスト。
 
 登山口の駐車場は舗装され、ぎゅうぎゅう詰めにして30数台くらい止められる。トイレもある。止まっている車はまだ5、6台と少ない。
  
サンインシロガネソウの群落 
 歩き始めるとキケマンが道を彩り、スミレの群が待ち受けていた。
 
 ボタンネコノメソウの鮮やかな黄色を見ながら歩いているとちょっと違う印象の花が目に付いた。
 
 腰をかがめ下向きの花を覗いてみるとサンインシロガネソウだった(左の写真)。
水辺のサンインシロガネソウ 
 神之瀬峡で見つけられなかったのに早々の出会いに感激した。
 
 一通り写真を撮ると目的の半分が終了したので、このまま帰ろうかと思ったが、やはりカタクリの花を見るため歩を進めた。
ボタンネコノメソウが彩る登山道 
 サンインシロガネソウはそれからも延々と現れるが、ボタンネコノメソウと一緒にいる上に、ぱっと見の印象が似ているので、気を付けていないと気付かれないだろう。
 
 ハシリドコロも今が盛りと黒い花を付けて、エンレイソウも花を付けたものが多かった。
 
 亀石コースは沢沿いに登り詰め、水平道に取り付くコースで、ブナ林の雰囲気がすばらしい。紅葉の時期も新緑の季節も捨てがたい魅力がある。
 
 
オオカメノキ 
 新緑の時期は若々しい新緑に包まれ気分が良く、オオカメノキの白い花がアクセントとなるのでこれまたすばらしい(左の写真)。
 
 水平道になるとサンインシロガネソウは姿を消すが(水辺は別)、今度はスミレの群が待ち受けている。
 
 時折イカリソウが見られたが数としては少なかった。見たことがなかった白花のニシキゴロモを見ることもできた。
 
 スイッチバックで高度を稼ぎ出すとブナの巨木が現れるようになる。山頂部のブナはこれからたくさんの葉っぱを出す準備中のようだ。
 
 鳥上コースと合流する辺りからカタクリの花が現れ出し、ロープが張ってあるので保護していることを示してある。
 男鹿山のスズランの檻よりはましである。10時頃ではまだ開いていない花も多いが、色も良く今が盛りのようだ。
 
 山頂にはたくさんの人がいたが、まだ腰を下ろすスペースは十分だったので、カタクリのお花畑を後にしてイチイの木を見に行った。天然記念物のイチイで、背は高くないが、地面を這うように斜面を覆う大きな木である。雌株なので秋には赤いおいしい実を付ける。この周辺にもカタクリが咲いている。
 
スミレ 
 鮮やかな赤紫色のスミレを見ることができた。
 
 展望の良い山頂に戻り昼食にする。晴れていれば伯耆大山が大きく見えるが今日は残念。どんどん人が登ってきてだんだん賑やかになってきたので早々に下山する。この時間帯に下山する人は私ぐらいだったが、ひっきりなしに登る人とすれ違う。ただでさえ人気のある山であるのにカタクリの季節はなおさら多い。
 
ミヤマカタバミ 
 日があまり差さないのでミヤマカタバミも閉じ気味だが、相変わらずきれいだ。
 
 行程としては登り1時間半、ゆっくり目の人は2時間であるので、ハイキングには少しきついが、展望は抜群であり、道に迷う心配もない家族向けの山でもある。また植物も多いので私のような写真撮影をメインにする人間にも楽しい山である。
 
 
 ある場所でヤマシャクヤクの花を見つけた。写真で見たことはあったが実物を見たのは初めてだった。立てば芍薬云々…といわれるが、気品の漂う花である。来年またここで会うことを楽しみにしておこう。
 

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