<参考タイム>

東のりば

(35分)

小坪峠

(50分)

小ピーク

(10分)

山頂

(20分)

水平道合流

(10分)

堰堤

(30分)

住宅地
TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

白岳山 05/1/29
広島県呉市広白岳

白岳山 
 案外地元の山というのは登らないもので、こうして県内外いろいろな山に登ってホームページにレポートをUPしていても地元の山のレポートがほとんどないというのもおかしいので、我が家の裏山である白岳山を紹介します。

 新しいルートが開かれたと聞いたので、その確認も兼ねている。

←白石地区より白岳山を望む


 登山ルートとしては、白岳山と隣の螺山(つぶやま)との鞍部 小坪峠から登るルート、白石地区から登るルート、西の谷からのルート(ほとんど消失)などがある。石灰石の採掘をしていた関係で、採掘場同士を結ぶ平行道が中腹にある。
 みなさんに紹介できるルートとしては小坪峠ルートと白石ルートの2つであるが、ガイドブックに紹介される山と違ってあまり整備されていないので山に慣れた人向きと言える。ツルやイバラが多く、多少の擦り傷は覚悟のこと。ただ、道案内のテープはあるので、気をつけていれば迷う心配はあまりない。
 

白岳山マップ
<白岳山MAP>

 赤い線が登山道、
 灰色の線が車道です。

 道は分かりますが、ヤブ化している箇所も多く、多少の引っかき傷は覚悟してください。
 かつて人が住んでいた関係で、排水路などの人工物があり、草に隠れているのではまる可能性があります。
 また、堰堤横の階段は非常に危ないので足元には十分気をつけてください。

 登山道としては整備されていませんので、山に慣れた方以外は、小坪峠から山頂までの往復としたほうが無難です。


 今回は小坪峠から登って白石に下るルートをご紹介する。

 電車で来られる場合はJR広駅下車。すぐ前の国道に出て右折し500mほど歩き左に「東のりば」右にガソリンスタンドのある角を右折する。道なりに進んで山が近くなり、歩いてきた大きな道が右に直角に曲がる突き当たりを左折、すぐの分岐を左折して川沿いに進む。あとは道なりに山に向けて登ってゆけばよい。

 車で小坪峠まで行く場合は、国道185号線東のりばの信号で南に入り、2回目の角で左折(斜めに屈曲しているところ、大塩するめ有)し、Y字に分岐したら右に入る。くねくねした道を進み採掘場跡があるところが小坪峠である。基本的に交通量は少ないので、道の端に停めてもよいだろう。
 

小坪峠へ登る途中、振り返ると灰ヶ峰が見える 
 白岳山は標高357.9mで突出して高いわけではないが、広の町から見ると、むかし石灰石を採掘した白い切刃跡が見え、石灰石の多い山独特のこんもりとした山容をしている。

 広町内の独立峰としては最高峰であり、特徴的な山だけに広町のシンボル的な山である。

 麓の地名としては「白石」が前からあり、住所が新しくなってからは、麓の福浦地区とその周辺をあわせて「白岳」の地名ができた。地元の白岳小学校の校歌には「朝日ににおう白岳の〜♪」、白岳中学校の校歌には「朝雲の白岳山を〜♪」とある。両校とも朝が最初に来るのは、この山が広町の東に位置するからであろう。
 
矢竹のトンネルを登る 
 小坪峠に着いたら、のり面の端から斜めに登れるようになっており、ここが登山口。登山口のプレートが掛けてある。

 ツバキの多い道を少し登ると尾根に乗り左折する。矢竹の間をくぐり抜ける細い道を進み(左の写真)、徐々に傾斜が増してくる。

螺山を望む 
 ジグザグに尾根を登るが、尾根道ながら展望はあまりない。

 となりの螺山と海に面した小坪地区、少し遠くに休山などの展望が得られるが、木々に邪魔されて爽快な展望という訳にはいかない(左の写真)。


 急登が一旦終わると、平坦な場所に来る。この辺は少し迷いやすいが、「?」と思ったらテープを探せば正しい道が見つかる。少し歩くと再びの急坂となり、登り切ったところで左に方向を変える。もう少し進むと小さな広場になっている小さなピークに着く。残念ながら展望はない。

 ところで、白岳山西隣の螺山は戦時中に砲台があり、今でもその跡が残っている。北西にある吉松山にも砲台跡がある。ある人の話しによればこの白岳山にも砲台があったらしいのだが、場所は不明である。砲台を置くのにふさわしい地形は何処かと地形図を眺めるに、この小ピーク南の比較的平坦な地形があやしいのだが、何せヤブ漕ぎが億劫なので推測で終わっている。

 ここから山頂に向けての稜線を歩く。
 一旦急に下り(山頂方面が少しだけ見える)、不明瞭な道を進む。テープが巻いてあるので、足下だけでなく遠くを見るように進むと迷わない。
 
キヅタ 
 ツルやイバラがあるので注意。左の写真はキヅタである。

 冬場なら多少の展望はあるが期待できるほどではない。
白岳山山頂 
 まもなく小さな広場になっている山頂に着く(左の写真)。

 山頂は木々に囲まれて展望がないので、北西に少し進むと切り開かれた場所に着く。木々に邪魔されるが展望はまずまず。この日はガスっていて写真の出来が悪いので、後日また登って条件の良いときに撮った写真をいずれ掲載したいと思う。

 弁当を食べるならここなのだが、イノシシが土を掘り返した跡が無数にあり、ちょっと難がある。

 
急なヒノキ林の下り 
 下山は今日の目的でもあった新しく作られた道を下る。

 この開かれた場所を下り、ヒノキの植林地に入る。テープに従って急な斜面を下る(左の写真)。かなり急なので気をつけて下ろう。

 ある程度下ると谷に向けて下る方向となり、これまた急な斜面だ。

 谷を下りた辺りで、山頂に向けて谷を上がる道を示したテープがあるが、これはむかし地元の消防団がつけたもので、現在は使われていないので使わない方がよい。十数年前だったか山火事が起きたことがあり、消防団が白岳山の登山ルートを開拓している箇所が残っている。
 
採掘場を結ぶ平行道 
 谷を少し下ると、採掘場を結ぶ平行道に合流する。南の採掘場へも行けるが行き止まりになるので今回はパスして、北側の一番大きな採掘場に向けて歩く。

 作業路として作られているので道幅はそれなりに広いが、人の往来がないのでツルやイバラで歩きにくいところも多い。

 北に向けて歩くとすぐ左手に下る道があったのだが、今ではよく分からなくなっている。分かっていたときも狭くてヤブが深く、かなりの急坂だったので、整備していない今は廃道となっている。

 平行道に合流してから10分で、堰堤に出る。背後には巨大なそそり立つ白い大きな壁があり圧倒される。広の町から白岳山を見ると一番目立つ大きな採掘場があるが、それがここに当る。
堰堤から広の町と灰ヶ峰を望む 
 この堰堤からの展望は大変よく、広の町を見る最高の展望台である(左の写真)。

 なお、手すりは朽ちているので寄りかからないように!

 また、採掘場跡に洞窟が見えるが、落石の可能性があるので近寄らないように。昔は子供たちも行っていたが、やはり行かないほうが良いだろう。
水路?の跡 
 ここから下山にかかるが、ここもまた急なのとヤブ状態なので注意。

 少し山側に回り込み、堰堤の端、石組の横の階段を下る。草に隠れて石段が見えにくいので、踏み外さないように十分に注意のこと。

 石組みが終わると右に廃屋があり、ここは左に少し進むと道がある。ここからは普通の山道となり歩きやすくなる。用水路だろうか石で作られた溝がある(左の写真)。
イトヒキマイマイ 
 白岳山は石灰岩の山なので、他の山とは植生が異なり珍しいものも見られる。しかし、盗掘者がいるので場所と種類は伏せます(でも結構盗掘されている)。

 左の写真はイトヒキマイマイと言い、白岳山と蒲刈でしか発見されていないマイマイである。


 鉱石に関しても、紫水晶やチョークのように字を書ける石(名前はわからない)がある。ただし、紫水晶のことは地元では知られていたので、簡単に見つかるようなものはほとんど取り尽されたのではないかと思う。字を書ける石は、前にあった場所が舗装された関係で採ることは困難になった。

 また、業者や山野草愛好家がうろついてシュンランなどを盗っていって花は少なくなっている。自分さえ良ければ後はどうなろうと(その山から絶滅しようと)構わないという考えをもった人間はいなくなって欲しい。

 途中、右に向かう踏み跡があってここも下れるが、迷いやすいポイントがあるので、道幅の広い左の道を下るとよい。傾斜が緩やかになり、左に向かって登る道が現れるが、未確認なので無視しよう。やがてコンクリート舗装された道に出る。住宅街を通り抜けると大きな広場(住宅が造成されるが)があり、振り向くと白岳山が大きく見える(冒頭の写真)。

 白岳山は市販のガイドブックに紹介されるような山ではなく、山に慣れた方向きの山である。危険箇所も多いので、登られるときは十分注意して欲しい。
    

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