TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

曽場ヶ城山 01/12/15
広島県東広島市八本松町

セイタカアワダチソウ 
 広島県には山城(跡)が結構あり、本丸まで登れる山は多い。
 
 登るといっても低い山が多いので散歩感覚ではあるが、中には今回紹介する曽場ガ城山のように登り甲斐のある山もある。

 
 呉から行く場合、国道375号を北上し、夕方にはいつも渋滞する樋ノ詰橋を左折し県道67号を走る。新幹線の高架をくぐり、広島大学の側を通り過ぎ、八本松の七ツ池に着く。国道2号線の高架の手前50m位のところに左折(ふくれてハンドルをいっぱいに切らないと一回では回れない)する道があり、少し見えにくいが曽場ガ城登山口の標識がある。300m位で右手に登山口の標識が見つかり、駐車スペースはすぐ先のカーブのところに3台くらい。
 

 
 歩き始めると地面が凍って固くなっている。白く見えるのは霜かと思いきや近くで見ると雪のようで、ここ数日冷え込んだから、この辺りでは雪が降っていたようだ。 霜柱をゴリゴリと踏みしめ、日陰に残った雪とヤブコウジなどの赤い実を眺めながら登ってゆく。
 
 20分で分岐に出るがここは左折。右は八本松小学校へと続くようだ。葉っぱの落ちた雑木林の道で、そこそこ急ではあるが、樹間から見える八本松の町を見ながらなので気分的には楽。葉っぱの生い茂る季節はずっと日陰だろうが、展望のない山行となるだろう。
 
 15分ほどで尾根にとりつき、ここからはアップダウンのある道となる。
 
 この山は松茸が採れるのでその季節は入山しない方がよいとガイドブックにあったが、松茸が生えるという割には手入れがされていない。登山道とは別の場所で採れるのではないだろうか。
 
幸とヤブコウジ 
 ヤブコウジが群生して実を付け、周りに雪がショールのように降り積もっているので、なかなかきれいである(左の写真)。
 
 更に45分で牛の段と呼ばれる小さな広場に出る。名前からして牛でも飼っていたところかもしれない。
 
 道を少し逸れた近くに32番の石仏が安置されている。曽場ガ城山の北斜面に88体の石仏が安置された道があり、下から石仏を巡りながら上り下りできる様になっているので信心のある方はこちらの道で登るのも良いだろう。
 
二の丸からの展望 
 まもなく結構広い二の丸に出る。
 
 展望もなかなか良いが、葉っぱの生い茂る季節はどうだろうか。感覚的にここが山頂といった雰囲気である。
 
 
 ヤダケのトンネルをくぐり、本丸を目指す。二の丸から距離もなく、やっと山頂かと思いきやあくまで本丸であって山頂ではない。本丸も広場になって、展望もあるのでここで引き返しても良いが、山頂まで行きたいというのが人情というもの。
 
 本丸からは一旦急な坂を下る。トラロープが張ってあるが、ロープに頼り過ぎると危険なので、あくまで下る時の補助に使うと良い。 林床に残った雪を見ながらいくらか歩き今度は急坂を上る。こちらもトラロープが張ってあるが、登りの時は敢えて使う必要はない。
 
 山頂には、10人程度先客がおり、そこそこ広く展望もまずまず。野呂山、灰ヶ峰など瀬戸内の高峰がよく見える。展望はあまりないと聞いていたが、葉のない季節は別のようだ。昼食を摂り、冬の日差しに暖められながら時間を過ごす。
 
雪とヤブコウジ 
 下山は大山峠に向けて下るコースを取ることにする。
 
 12時になっても日当たりのない場所は雪が残っているところも多い。山頂からもまたトラロープの張ってある急坂を下ることになる。
 
 後は比較的楽な道で、樹間からの展望を楽しみながら下る。鉄塔を2本過ぎると舗装道路に着く。近くに入山禁止(9月20日から)の標識があるので、この辺が松茸山なのだろうか。
 
 ここからは舗装路に従って下りても良いのだろうが、左に登る道をとる。鉄塔やアンテナを過ぎると山道があるのでこれを下る。途中で2つに道が分かれており、案内もないので困ったが、基本的に右手の方向に向かって下りれば先程の舗装路方面に出るので、右手の道に行く。
 
 テープがしてあるので間違いではないのだろうが、登山道とは少し雰囲気が違う。道といえば道だが、道でないといわれればそうにも見える。足下はふかふかで、明らかに人が歩いていない。後でガイドブックをみると尾根に沿って下るようになっているので、谷に下りていくこの道は間違っていたかもしれない。
 
 不安を抱きつつ下り、やがて広い道に合流する。ここも右手の道をとり平行道を進む。車も通れるくらいの道幅なので山仕事をする人の作業道だろうか。
 
 やがて舗装路に出て、人家が現れる。後は曽場ガ城山を右手に車道を進めばいいだけだ。
 
 下に下りてから約1時間くらいで、車を置いている登山口に戻った。登山靴で車道を歩くのは少々歩きにくい。
 
 車のところに戻る途中、道路脇で咲いているスミレを発見した。雪が積もるほどの寒さのなか花を咲かせるとは植物というのは逞しい。
 

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