TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

鷹ノ巣山 03/3/9
広島県賀茂郡福富町

雪の登山道 
 福富町と向原町の町境に900mを越える大きな山が聳えている。それが鷹ノ巣山であり、カタクリの自生地としても有名である。

 ここ2ヶ月ほど巨木巡りをメインにしていたので、久しぶりに山に登ろうと比較的近い鷹ノ巣山を目指した。実は前日、建設中の福富ダムを見下ろす新しい道路を通過していたとき、新雪を頂いた神々しいその雄姿を見たこともあって登りたいと思っていた。

 コースは向原町側と福富町側の2つがあるのだが、ちょっと怠けて車で比較的上まであがる福富町側から登ることにする。鷹ノ巣山は、隣のカンノ木山と一緒に登られることが多いが、今回は鷹ノ巣山だけ。カンノ木山との鞍部は経由せず、直接上る道を選んだ。

 
 国道375号線を北上し、福富町に入ったら役場に曲がる信号で左折。役場前を過ぎてすぐを右折し、鷹ノ巣山の案内に従い道なりに進む。だいぶ上がったところで、右に県央の森への案内が出る。そちらに行っても登山口はあるが(県央の森公園)、今日は左に行く。大きな落石がありびっくりしたが車は通れた。1.6qほど走ると右手に鷹ノ巣山登山口の標識があり、道路が広くなっているのでここに車を停める。少し下にもスペースがあるので、少なく見て5台は停められるだろう。
 

つらら 
 雪が積もっていることを考えてスパッツをつける。

 幅の広い道を登り始めると山肌にきらめくものが見えた。氷柱である。雪国の人には珍しくもないものだが、そうでないものにはうれしい発見である。

 うっすらと登山道に雪が積もり、凍った水たまりを割りながら進む。
 
 二つ目の池を通り過ぎると道が二つに分かれるが、ここは直進する。地表に霜柱ができてた坂道を上り、だんだんと雪が増えてきた。木の枝には雪が積もり、道の両側から包み込むように並んでいるので、ちょうど雪のアーチの下を潜るような感じだった。

 出発から40分ほどで林道と合流する。ここまで車で来ても構わないのだが、道に雪が積もっており、安全を考えると下の方がよかったと思う。

 ここからはちょっと急な道が多くなる。雪で道がぬかるんでいる箇所も多く神経を使う。しかし、積雪が2〜3pほどあって、ほとんど誰も通った様子がないので、新雪をキュッキュッと踏みしめながら登るのは楽しかった。

 植林の中の急登を終えると、やがてフェンスのある道に着く。ここから更なる急登となる。雪は凍結していないので比較的歩きやすいが、やはり滑るので、登山道からちょっと外れて木の間を登る。
 
雪をまとった老木 
 登り切ると平坦地となり、やがてブナ林の中に入る。登り始めて1時間強。

 鷹ノ巣山は広島県のブナの南限と言われる。登山道から少し道を外れ、カタクリの自生地に少し下る。枝に雪が積もり美しい姿を見せる。県北の山に登らなければこの景色は見られないと思っていたが、比較的近い場所で見ることが分かりうれしかった。

 また、モミかツガか分からないが、針葉樹にも雪が積もって独特の雰囲気がありおもしろい。
山頂からの展望 
 登山道に戻り、最後の急登を登ると見晴らしのよい鷹ノ巣山の山頂に到着する。

 今日は空気が澄んでいて大変見晴らしがよい。雪を頂いた西中国山地の山々から瀬戸内海まで広範囲に見渡せる。

 山頂周辺の雪化粧した木々が日光に照らされて輝き大変きれいだ(左の写真)。
 
 昼食は展望台の1階で採った。さすがに体を動かさないと、冷たい風に体温を奪われ、山の上に人工物があるのはあまり好きでないが、こうした気候の場合は建物があると助かる。

 下山しようとしたところ、ちょうど団体さんが登ってきた。タイミングが良かったとさっさと来た道を下る。雪が積もっているので軽アイゼンを装着して下った。確かに滑らず助かるのだが、水気が多い雪と泥のお陰で、スパイクの部分が雪と泥で固まって盛り上がりちょうど下駄のようになりちょっと難儀した。凍結はしていなかったので不要だったとちょっと反省。

 登りには積もっていた場所も、下山時には半分くらいは溶けていた。雪が溶けた後の泥で靴は泥だらけとなった。

 鷹ノ巣山は、カタクリの季節に登って以来だったが、すばらしい展望と樹氷を見ることが出来て充実した山行であった。
 
 

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