TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

天狗石山 02/6/15
広島県山県郡芸北町

ササユリ 
 初夏の花で何が一番好きか聞かれたら答えに窮する。
 
 ピンクのタニウツギ、かわいいアカモノ、鮮やかなノハナショウブ、存在感のあるハンカイソウなど候補はいくつもあるが、敢えて挙げるとすればササユリであろうか。
 
 山野草の多くは華やかさの点で言えば園芸種に遠く及ばないが、ササユリだけは別格であろう。
 というわけで今回紹介するのは、ササユリが咲く山で、未踏の山である天狗石山である。
 
 戸河内ICを下りて国道191号を進み、深入山への分岐を見送り県道11号を北上する。T字路にぶつかったら右折し、数百m進んで左折し、交差点に出たら右折する。基本的にサイオトスキー場の案内に従えばよい。
 サイオトスキー場を過ぎ、狭い道を進むと島根県との県境、来尾峠に着き、その手前右手に駐車スペースと登山口があり、左手に一兵山家山の登山口がある。止め方に寄るが周辺の空きスペースからして8台くらい止められるだろうか。
 
 踏み跡はしっかりしているが、ちょっと狭めなので、霧に濡れた葉っぱがズボンを濡らした。ニガナの黄色い花は多く見るが、日が出ていないためか多くはしぼんでいる。ツルアリドオシの小さな白い花がポツポツと散見された。やがて道幅が広くなり急登が始まる。
 
コアジサイ 
 歩きのペースをつかんでない段階での急登はこたえるが、歩幅を少し狭め、一定のペースで登ってゆけばよい。
 ところどころでコアジサイ(左の写真)の淡い紫の花があるのでそこで小休止しても良いだろう。
 
 コアジサイはまだつぼみのものも多いので来週以降で丁度見頃だろうか。
 
 この急坂は滑りやすいので、雨の日や前日に雨が降ったりしているときは注意のこと。乾いているときは問題ない。
  
タンナサワフタギ 
 約30分ほどで急坂を登りきる。
 タンナサワフタギ(左の写真)の白い花が現れ、日陰にはコアジサイが群れている。
 
 やがて展望の開ける尾根に到達する。
 
 一兵山家山などの山の連なり、サイオトスキー場のある高杉山などが展望できるようになるが、目当てのササユリが見つからない。ヤマボウシやウツギ(下の写真)、レンゲツツジは咲いているが、尾根道の笹原にあるはずのササユリは見えない。時期がずれているようだ。ようやく登山道沿いの木の陰に一輪ひっそりと咲いているのを見つけた(冒頭の写真)。
 
 何とも言えない淡いピンクの大きな花。花を生ける人は持って帰りたくなるだろうが、自然の中にあってこそ美しいのであるので、他の人のためにも持ち帰らないようにしてください。
 
 展望の良い尾根道を軽快に歩き、登山口から1時間弱で高杉山への分岐に着き、ここで小休止。山頂に向けて直進し、これからはブナの多い森の中を歩くことになる。朝と言うこともあろうが、森のひんやりとした空気が大変気持ちいい。
 
 花は見ないが、道の状態も良く歩きやすい。鳥のさえずりもところどころで聞かれる。巨大な岩(天狗石?)が現れるあたりから傾斜が増すが、山頂まではもう少しである。
 
 大木に巻き付いたツルアジサイを見つけるが、数個花を付けているだけで来週あたりが見頃だろうか。ほんの少しで山頂に着く。高杉山分岐から30分ほどだった。
 
 展望が良いとは言えないが、島根県側は開けている。展望所が作られており、その向こうにオオヤマレンゲの花がある。花を開いたものは皆向こうを向いているので写真にならないが、こちら向きのつぼみはかわいい。
 
ウツギ 
 昼食後約1時間強で下山。
 
 登りはササユリだけを探していたので気付かなかったが、アカモノの花やモミジイチゴの実を見つけた。また、登山口から間もないところにもう一つササユリを見つけた。
 
 ササユリの花は少なかったが、咲き始めの勢いのある状態なので大変きれいだったので良しとしよう。
 

<02/6/22撮影>
 
 もっと多くのササユリを見たくて1週間後にまた登りました。
 あいにくの雨模様で、尾根まで行って引き返しました。ササユリはぽつぽつ咲いている程度でした。
 先週多く見かけたコアジサイが見つからず、代わりにツルアリドオシが沢山咲いていました。
 尾根道ではヤマボウシが沢山咲き、ピンクの濃いものもありました。
 
ササユリ
ササユリ
イワガラミ 
イワガラミ
 
 ツルアジサイに似ていますが、装飾花が1枚なのですぐ見分けがつきます。

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