<参考タイム>
大山祗神社
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(45分)
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安神山
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(60分)
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鷲ヶ頭
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(50分)
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安神山
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(30分)
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大山祗神社
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TONARIの 色撮り撮りの「山 行」 |
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安神山−鷲ヶ頭 |
05/1/8 |
愛媛県越智郡大三島町 |
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今年はまだ初詣に行っていないので、新年最初の山登りは初詣と巨樹巡りも併せてできる愛媛県大三島の鷲ヶ頭に登ることにした。
瀬戸内の山は標高こそ低いが、ほぼ海抜0mから登るので登り甲斐があり、何より瀬戸内の展望が抜群である。 |
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大三島へはしまなみ海道を使う手があるが、呉からだと大回りになるので、忠海港からフェリーで渡ることにする。大三島フェリーのHPでダイヤを調べ、始発の7時半の便に乗る。呉からだと車で1時間くらいで忠海に着く。港は忠海の駅を過ぎて次の曲がり角で右折すればよい。
実は今年は初日の出を見ていないので、船の上から朝日でも見ようかと期待していたのだが、10分ほど遅く、すでに上に登ってしまったので写真には撮れなかった。
忠海港から大三島の北側の盛(さかり)港までは約20分。大久野島に寄る便もあるが、それでも30分程度の短い船旅である。広島県と愛媛県の県境にあるひょっこりひょうたん島(ひょうたんと言うよりウサギみたいに見えるが)などを見ながら盛港に到着する。
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島に上陸して最初の道を左折し、多々羅大橋方面に向かって走る。県道51号から朝焼けの多々羅大橋が見えた(左の写真)。
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まもなく大山祇神社の案内が出るので右折。峠を越して緩やかに下ると大山祗神社に到着する。
駐車場は観光地(と言うのは不遜かな?)にしてはありがたいことに無料駐車場ばかりで助かる。道の駅もあるし土産物屋の駐車場もあるのでどこがよいか迷うが、鳥居近くの広い駐車場に車を置く。
身支度を整えまず大山祗神社へお参りする。まだ朝早いので神職さんたちが長い箒を使って掃除をしている。広い境内を歩くと右手前方に巨大なクスノキが大きく枝を伸ばし鎮座している(冒頭の写真)。左手にはすでに枯死して樹皮だけとなっているが、日本最古という樹齢3000年の能因法師御手植えの楠が静かな威厳を示して横たわっている。
大山祗神社のクスノキ群として国指定天然記念物に指定されているが、なるほどクスノキの大木、巨木、巨樹がたくさんある。まだ早いので参詣する人が少なく、巫女さん達が見ている中お参りするのは少し恥ずかしかったが、今年一年よろしくお願いしますと一礼してから歩き始める。
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<安神山−鷲ヶ頭MAP>
赤い線が登山道、
灰色の線が車道、
青い線が川、
等高線の間隔は50mです。 |
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鷲ヶ頭に登るには、教善寺から車道が伸びているのでそちらを利用しても良いが、車道歩きはおもしろくないので、教は安神山を経由して尾根を歩くコースの往復とする。
神門(石段を登ったところ)に向かって右手(南)に曲がり境内を出る。すぐそばに日本最大の武具の収蔵量を誇る国宝館があるので下山後立ち寄ると良いだろう(入館料1000円)。
川に沿って左折し、神社の敷地の端のほうで安神山わくわくパークの案内が出るので右折し坂を登ると公園に着く。公園の駐車場があるのでここまで車で来てもよい。公園内を、南に見える岩肌を露呈した安神山に向かって進む。公園の端にはトイレがある。
ここからだんだん山道らしくなり、まもなく自然探勝路の看板があるのでコース概略を把握しておく。この案内は他の山に比べて詳しい。
この山の登山道はほとんど全てコンクリート舗装がしてあって滑りにくく、運動靴で登っても大丈夫だろう。 |
やがて山腹をトラバースする観察路が右手に分岐するが、ここは直進する。やがて展望台に着き、ここからは参詣した大山祗神社や宮浦港が展望できるようになる。
上から見ると鎮守の森にはたくさんのクスノキの巨木が見える。
今日の天気予報では午前中は曇りとなっていたので、海の景色はもうひとつかなと思っていたが、お参りのお陰か、空は晴れ海の色がきれいだ。 |
急坂と階段を繰り返し、尾根の側面を登って高度を稼ぎ、左手に露頭のある尾根が見えてくるとその方向に道の向きが変わっていく。尾根筋に乗ってからも安神山に向けての急坂が続く。時折樹幹の間からの展望が楽しめ、安神山から鷲ヶ頭への稜線も目に入る。逆光気味なので写真は撮らなかった。
朝早くは寒いので上着を着ていたが、急坂が続くので汗ばんでくる。汗をかくと体が冷えるので上着を脱ぎ再び登り始める。ゆっくり登ったので45分ほどで安神山に到着。祠の裏手にゆくと展望がよい。
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安神山からの展望(左の写真)。
晴れた午前中の瀬戸内海の色は大変美しく、手前は台(うてな)地区、少し奥に大崎上島とその最高峰の神峰山、一番遠くになだらかな山容の野呂山(左の写真では切れています)、おや、あの急激に落ち込んだ山容は我が家の裏山の白岳山だ。南方を見れば折り重なる島々とそれを縫って走るしまなみ海道が遠望される。 |
しばしの休憩の後、鷲ヶ頭に向けて歩き出す。
多少のアップダウンをして烏帽子岩のあるピークに着く。踏み跡があるので岩に向けて登ると烏帽子岩のそばまでゆける。烏帽子岩自体にも登れそうだが、無理をしてけがをするのもばからしいので登らなかった。登るのは簡単でも下るのは難しいものなので、岩に登る場合は安全に下りられるかを考えて登りたい。
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元の道の戻り尾根歩きを始める。
この程度の勾配なら道がコンクリート舗装してあると歩きやすい。
振り返ると烏帽子岩、さらに奥に進んで振り返ると安神山と一緒に展望でき、奥にはなだらかな野呂山が見える(左の写真)。
相変わらず海の色がきれいだ。 |
コンクリート舗装された道を瀬戸内の景色を眺めながら歩く(左の写真)。
安神山から鷲ヶ頭を望むと、見た目は結構距離があるようだが、実際に歩くと展望の良さも手伝ってそれほど長くは感じない。
花が少ない時期だが、ミツバツツジやヤマツツジの狂い咲きは見られる。 |
紅葉した葉っぱも残っているので、冬とは言っても山の彩りはある。山の彩りといえばサルトリイバラの大きな赤い実が目立つ。
瀬戸内の松は枯れたところが意外と多いのだが、この山の松は青々とした葉っぱをつけていて元気だ。
薄紫色の小さな実があると思ったらネズの木が割とあるようだ。 |
まもなく林道終点に到着し、幅広の道を少し歩くと舗装された林道に合流する。道の向かいに階段が見えるのでそこを登る。相変わらずの急坂を終えると再び舗装された林道ヘアピンカーブのところで合流する。この辺になると手前に邪魔なものがないので展望がさらによくなる。少し林道を歩くと案内看板が出るのでそこから最後の登りになる。
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やはり急な階段を100段近くを登り、階段が終わればコンクリート舗装になるが、勾配は相変わらずでしんどい。ただし、振り返っての展望はとてもすばらしく、今まで登ってきた尾根とその向こうの景色が一望のもととなる(左の写真)。
鉄塔が見えてくるとほとんど頂上だ。山頂へは登りはじめから2時間弱で到着。ゆっくりペースで登っているので、一般的には1時間半程度だろうか。 |
ガイドブックにある写真では、山頂からの展望がすばらしいのだが、年月を経て周りの木々が大きくなって、あまり展望が得られなくなっていた。まあ、山頂手前の急坂ですばらしい展望を得られたのでよしとしよう。
車道でも登ることができるが、尾根からみるとブルーシートがかけられ、なにやら工事している様子。崖崩れか何かだろうか。車道を利用する方は役所などで確認してから行った方がよい。
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下山する頃になると多少海の見え方が変わり鮮やかさはなくなるが、今度は東側の海がきれいに見えるようになる。多々羅大橋の主塔のてっぺんが少し見えた。
下りとなるとコンクリートで舗装された道はクッションがないので次第に膝にくる。道の保護には有効なのだが、膝の悪い人にはちょっと辛いかなぁ。 |
安神山を越え安神山わくわくパークまで下る。広々として、遊具もたくさんあって見晴らしのよい公園だが、ほとんど人もいないのが寂しい。冬だから人がいないのかもしれないが、冬だからこそいっぱい動き回って遊べるこうした場所は、多くの子供達で溢れていて欲しいものだ。
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大山祗神社の端まで下り、次は生樹(いきき)の御門へ向かう。案内看板があるのでそれに従って、民家とミカン畑の間を通り抜けると見えてくる。クスノキは樹形が独特なので安神山に登っているときにあの辺だと見当をつけていた。
生樹の御門は根元部分がアーチとなり、その中を通れるように石段が作ってある。樹齢2000年とのことで、老樹の風格を備えているが、葉をモコモコと茂らせている辺りから見るとまだまだ長生きしそうな雰囲気である。 |
再び大山祗神社境内に入って他のクスノキの巨木を見てから駐車場に戻った。人も随分と増えて賑やかになっていた。
せっかくなので駐車したところのお店で鯛飯と地鶏を食べる。山登りをしていると本当にいろいろなところを訪れているので、その地の名物は大抵食べているなぁと感じる。
その後伯方の塩の大三島工場へ行って(操業はしていなかったが)から再びフェリーに乗って帰宅。
距離だけでいうと県北の山に行くより近いのだが、船を使うと随分と遠出した気分になり、山登りと言うより旅行的な感じとなった。島々を結ぶ橋がたくさん出来て車での往来が可能になり、随分と便利になったが、そうなってくると船で行く島が何だか魅力的に思えてくる。島の魅力と言うのはこういうところにもあるのかもしれない。 |
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