北海道である。
定山渓のパンフを見ると結構登れる山があることが分かった。「定天」と呼ばれる定山渓天狗岳という魅力的な山があったが、あくまで仕事のついでなので2、3時間で帰れる山を探した。
候補としては恐竜の背中を思わせる山容をした八剣山、定山渓を挟む朝日岳、夕日岳の3つ。山登りとしておもしろそうなのは八剣山なのだが、少し離れており、車が必要になる。残る二つは共にホテルから近いが、より近い夕日岳に決定した。山頂までの参考タイムは1時間10分。休憩を考え2時間半と見当をつけた。この朝日岳と夕日岳には割と植物が多いらしく、カタクリ、エンレイソウ、ヒトリシズカ、シラネアオイなどが見られるらしいが、季節が1ヶ月ほど違うようなので期待はしないでおく。出張のついでなのだから文句を言う方がおかしい。
朝3時半に目が覚め外の様子を見る。心配していた雨は今のところ降っておらず登頂を決める。広島より東のためか3時半でも結構明るかった。準備している内に4時になり、ホテルを主発する。
近くのコンビニでサンドイッチとスポーツドリンクを買い、リュックに入れる。何度も書くが、出張のついでなので、いつもの山登り道具はかさばるため持参していなかった。登山靴の代わりにトレッキングシューズ、リュックは折り畳みの出来る簡易リュック、レインコートの替わりにこれまたコンビニで買ったビニール傘といった感じの装備である。例によっていつものカメラを首に下げ、北海道だからと念のため熊よけの鈴をつけた。
夕日岳登山口は定山渓神社であり、神社の左手の道を行くと登山届けの箱があった。見てみるとかなり書き込みがあり、割と人気があるようだ。やはり広島から来た人間はいなかったが。
登り始めてからまもなく雨が降り出し、コンビニで買ったビニール傘をさす。花を探しながら登って行くが、やはり季節がずれているようで、4,5種類しか見つけられなかった。いくつか写真を撮ってみたが、光量の少ない早朝でましてや雨の中なので、三脚もない状態では露出アンダーの写真となった。フラッシュは使ったが、人工の光では被写体の表情が引き出せない。
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