タイム 休憩・撮影時間 を含む 9:30 奥匹見峡 駐車場 | 10:05 大竜頭 10:10 | 10:29 大竜頭上の 渓流に合流 | 10:34 大竜頭 落ち口 | 11:15 サラサラの滝 11:24 | 11:30 沢分岐 | 11:37 まぼろしの滝 <下段> 11:48 | 11:55 まぼろしの滝 <本滝> 12:00 | 12:08 まぼろしの滝 <上段> 12:10 | 12:10 二段滝 | 12:40 沢から離れ 枝尾根に突撃 | 12:58 天杉山登山道 に合流 988ピーク (昼食) 13:10 | 13:21 三の谷標識 | 13:30 高岳分岐 | 14:22 奥匹見峡 駐車場 |
TONARIの 色撮り撮りの「渓 谷・ 滝」 | |||
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奥匹見峡まぼろしの滝を求めて(Part2) | 07/6/10 | |||
島根県益田市匹見町道川 | ||||
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昨年、まぼろしの滝を求めて奥匹見峡を遡上し、これがそれかな?と思うものを見つけてレポートを書いたが、まぼろしの滝へは到達していないとのご指摘を頂いたので、再挑戦となった。 参加メンバーは前回のメンバーのうちRyohkoさん、三宅さん、Shin-raさんと私、それからまぼろしの滝の情報を頂いたakapajさんを加えての5人。 Shin-raさんがGPSを持っているとのことなので、私は2.5万の地形図に緯度経度の線を引いて正確な現在地が分かる様に用意。 前回の反省を踏まえ、足元の装備を整えるため渓流シューズとネオプレンの靴下を購入。ついでに藪漕ぎがありそうなので沢関係グッズのところにあったネオプレンの手袋も併せて購入。ヘルメットは会社で使っているものを流用(^^;取り敢えず最低限の装備は整えた。 |
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心配だった空模様は天気予報では晴れ。しかし戸河内を過ぎたあたりから小雨が降り出し、降ったかと思えば止んだりずっとこんな感じの天気になった。やはり山間部は天気が崩れやすい。 集合時間の10分前、9時20分頃奥匹見峡の駐車場に到着。 すでに三宅さん、Shin-raさん、akapajさんが待っており挨拶を交わす。まもなくRyohkoさんも到着し、まずは渓流シューズではなく登山靴を履いて9時半に出発する。 天気は小雨が少し降っているが、気になるほどでもない。荷物を軽くしたかったので合羽は置いて行きたかったが、念のため合羽を入れておいた。 |
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<奥匹見峡MAP> | ||||
・赤い線が遊歩道・登山道 ・黄色い線は遡上ルート (サラサラの滝までは踏跡) ・青い線は川 ・緑の線は滝 ・等高線の間隔は50m ※大竜頭から上は危険箇所が多いので、装備の無い人は絶対に入らないように! |
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魚切、小竜頭と通り過ぎる。 花は少なく、咲き始めのヤマアジサイ、タツナミソウ、タンナサワフタギなど。花は咲いていないがウリノキの蕾があった(左の写真)。 対岸にはヤグルマソウの群生があるが、遠すぎて写真にするのは難しかった。 荷物を軽くしたかったので、300oの望遠レンズを持って来なかったのが悔まれるが、今回の目的は撮影旅行ではないので、判断としては良かったと思う。 |
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何タツナミソウか分からないが、青い花が渓流のそばに群生して咲いており、花が少ない時期だけに、その淡い彩りが嬉しい。 同じ淡い色合いのコアジサイはまだ蕾だった。 蛇の穴付近では、今回もカエルの鳴き声がこだましていた。 |
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2回目なので途中の滝には殆ど目もくれずに進む。止まるのは花の撮影ぐらいで今回はペースが早い。大竜頭に到着して一休憩。いつ見てもこの滝は気持ちがよい(冒頭の写真)。 ここから鹿の背に入るが、前回危険だったのを覚えているので、道中の撮影は諦めて一眼レフをリュックにしまい、今回買った指先だけ外に出るタイプの手袋をはめる。前回は掌に軽く怪我をしたのでこれがあれば安心して岩や木の枝、笹がつかめる。軍手と違って掌は滑り難くなっているし、指先は出ているので岩やくぼみを掴みやすい。 前のレポートにも書いているが、鹿の背からは絶対に指導の出来る沢登り経験者と同行すること! 鹿の背を越えると次は小さな谷の左岸を登るが、倒木を越えるところが手がかりが少なく一番危ない。他の難しいところはロープが垂らしてあるので補助にすると良い。 急な岩を登って一旦安定した道になるが、右岸に渡るのに少し草をかき分けて進む。谷の小さな流れを越して右岸に入り、ササを避けながら進めば大竜頭の落ち口近くに着く。ここを少し右に回り込み渓流に下りて対岸に渡る。 |
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沢を渡ったら一旦大竜頭の落ち口へ向かう。 木が多いので掴むところは多いが、道なく傾斜もあるので要注意。 ←大竜頭の落ち口 落ち口の流れまで行けるが、恐がりの私は少し高見まででやめておいた。ここを滑れば50mを一気に転げ落ちることになり命はない(^^; 実は引き返す時に掴んだ木が思わず枯れ枝で、一瞬バランスを崩した。ふぅ〜危なかった(^^; |
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元に戻り右岸のトラバースを進む。 akapajさんによれば国体で使用した道だそうだが、実際はかなり草が被り、辛うじて踏み跡が分かるくらい。いや、分かり辛いという方が正しい。 最初は沢から10mくらい上を進むが、やがて大きな岩にぶつかる。行けないことはないが足がかりが少なく掴める木がないので、恐がりの私としては岩の上の方まで上がって高巻きする。ここで滑ると一気に沢に転落するので、怖い人は高巻きすべきだろう。 一旦登って先程の岩の先に向けて下がるが、道がある様なない様な微妙な雰囲気。道はないものとして高い位置で進むと良かったかもしれない。沢から20mくらいの位置に赤いテープがあるが、他にテープがないのでよく分からない。 5人がバラバラに斜面を進み、道を探して上下する。悪戦苦闘しながら進み、右手に少しつき出した尾根が見えるあたりで、沢から20m〜30mくらい上の位置に道を発見。丸太が渡してあったり、道の保護に谷側に枕木を置いたりしている箇所があるので、これが国体のルートだろう。 沢から上40mくらいの位置まで上がって右につき出した枝尾根の根元付近に到達。 少し手前で沢の方に滝の白い筋が見えたので、前回昼食を取ったF1の滝だろう。2.5万の地図に三の滝とあるのは位置的におそらくこの滝のことを指しているのでは? Shin-raさんにGPSの緯度経度を教えて頂きだいたいこの辺だと見当をつける。 つき出した尾根には下らず、北東に向けて下る道があるのでそれを下る。この辺は草が余り被っておらず踏み跡がよく分かる。 まもなくしてサラサラの滝が下に見えてきて、大竜頭から約1時間でサラサラの滝に到着。寄り道をせず、道がちゃんと残っていれば40分で行けるのかもしれない。 |
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サラサラの滝は水量が少なめであり、名前の通りだろう。 ここからは沢歩きになるので渓流シューズに履き替えてから出発する。 |
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渓流のそばにはタツナミソウのちょっとした群生があったりする(左の写真)。 少し川が増水すれば水を被りそうな場所だが、保水力の高い落葉樹の山なので洪水になることはないのかもしれない。 表面がギザギザになったサラサラの滝を登る(下の写真)。 |
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登り切るとヤマボウシやコツクバネウツギなどの花が咲いていた。 少し上流にも2m弱の小さな滝がある(左の写真) Shin-raさんにGPSの緯度経度を教えていただく。 川が東へ曲がる、いや上流から見るのだから、西へ進んだ流れが南西に曲がる付近にサラサラの滝があることになる。 |
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平坦地を渓流に沿って進むと、前回登山道に向けて登った沢の分岐に到着し、ここで渓流は(遡上する目線で)南にカーブする。 少し進むと、左の写真のように、川床の岩が樋の様にえぐられたものも見られる。岩は赤茶色に見え、こうしたえぐられた場所が時々見つかる。水はもちろん清らかで美しい。 タカノツメの花が咲いていた(下の写真)。 |
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少し進むと落差5m位の2段の細い滝があり、深い滝壺がある(左の写真)。 水量はそれ程多くないのに、滝壺は結構深い(1m以上?)。しかし、透明度が高いので浅く見える。これが求めていたまぼろしの滝(下段)だろう。 また、右岸の急斜面にはヤグルマソウのちょっとした群落があり、花が良く咲いている(下の写真)。 |
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大きな滝壷を形成しているあたり、水が流れ落ちる勢いは強いのだろう。両側に壁のような崖が迫っているので、滝の筋は細いが、奥行きのある良い滝である。 稜線に近い位置だし、「まあ規模としてはこんなもんだろう。」と一人納得していたが、奥に白い筋が見え、三宅さんが左岸の斜面を登って見に行く。akapajさんは滝を登り、置いて行かれた私は(笑)、滝を登るのは怖かったので^^左岸の斜面に登る。 |
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少し薮を漕いで登り、やがて大きな岩肌を流れ落ちる滝が見える。 ←左岸の斜面からまぼろしの滝(上段)を見下ろす。 写真を撮った後、(実は)高所恐怖症の私はしばらく下りるところを探していたが、akapajさんの誘導に従って下りることが出来た。感謝。 |
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上からだと木々の向こうでよく分からなかったが、こうして下から見るとなかなか立派な滝である。 落差は10mくらいはあろうか? 水量は少なめの優美な滝で、まぼろしの滝という場合、これが本滝になろうか。 |
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akapajさんとRyohkoさんは滝を登られるが、私は怖いので右岸の急斜面をよじ登ることにした。今回の遡上では一番怖かった場所である(^^; しっかりした木がなく、わずかな足場を作って草の根っこを掴みながらよじ登る。ここは上からロープを垂らしてもらった方が良かったかもしれない。しっかりとした木が生えているところまで這い上がり、強引に木の枝をかき分けて滝上に出る。木の枝が刺さってくるので、ヘルメットを被っていたのは正解だった。 |
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滝上に出ると、下からでは見られなかった少し緩やかな滝が上流にあった(左の写真)。 落差は5mくらいか?左の写真では写っていないが、この右下にも流れが続き、そこから先ほどの滝に下る。 緊張して心の余裕がなかったので、全体の雰囲気が分かる魚眼レンズで撮影出来なかった。レンズ交換するのも気力が要るのだ(笑)。 |
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今回の目的だったまぼろしの滝だが、この上の滝を併せて落差は15m程度だろう。 上の地図では大きく分けて上段と下段に分けて書いている。滝の規模からすれば上段が狭義のまぼろしの滝ということになろうか。 『西中国山地』では小滝とあるが、瀬戸の滝などと比べると小さいものの結構大きな滝である。山の上にある滝なので水量は少なめとはいえ、豊かなブナやミズナラなどの保水力が高い落葉樹の森が広がっているので、位置的なものを考慮すると思ったより水量はある。 |
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まぼろしの滝の上段を越え、少し歩くと二段になった大きな岩にぶつかる。 左右2条に分かれ計4つの筋が見える小規模な滝となっている。落差は3m程度か。 まぼろしの滝を見た後では見劣りがしてしまうがまずまずの滝か。命名のセンスとしてはどうかと思うが(笑)、取りあえず便宜的に二段滝としておく。 この滝を越えるのは簡単だった。 |
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二段滝を越えると平凡な渓流となり、傾斜も緩く歩きやすい。 両脇はササに覆われ、ブナやミズナラなどの森となっている。ハウチワカエデなどカエデの仲間も見られるので、紅葉の頃は素晴らしいだろう。 木の枝も苔むして趣がある。 流れに覆い被さる枝に着生植物があり、珍しいランか?と思われたが、後日確認したところヤドリギであった。 |
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しかし、苔むした幹の上にヤシャビシャクを発見(左の写真)。 私は名前自体知らないものだったが、RDBでは絶滅危惧U種になっているそうだ。貴重な植物にお目にかかれた。 この日は小雨が降るあいにくの天気で、写真を撮るには厳しい条件だった。ISO800以下にすると手ブレ限界になるので、画質の細やかさより、手ブレしにくい方を選んだ。 う〜ん、手ブレ補正のある70-300oレンズを持って来られればなぁ(^^; |
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平凡な渓流をある程度進み、このまま詰めれば野田原の頭に出るが、適当なところで東にあるはずの天杉山登山道に向けて登ることになり、小さな枝尾根に向けて突入(笑)。 ササが生い茂る中を強引に藪漕ぎする。ササは密に生えていて、時々張り出した木で足に引っかき傷をもらう。傾斜もあるので少々ハード。 |
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一旦平坦地に出て少し歩くとブナの幹に熊の爪痕を発見(左の写真)。 私はまだ実物を見たことがないが、この辺なら確実に熊が棲息しているであろう。 再び傾斜が増し、再び緩くなると天杉山登山道に合流した。位置的には988ピーク付近。 |
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ここで13時なので昼食をとる。お腹が空いていたので余計ハードだったのかもしれない(笑) 雨が少し降っているが、木々が生い茂っているので気にならない程度。これくらいなら合羽を置いてくれば良かったが、何があるか分からないので、やはり持ってきておいて良かったのだろう。 昼食後、渓流シューズから登山靴に履き替える。前回はゴム底の地下足袋だったので滑りまくりだったが、今回は殆ど滑らず、少々高かったが買った甲斐があった。沢登り以外にも滝の写真を撮るのに水の中に入ったりできるので、他にも使い道はあるだろう。 登山靴に履き替え、奥匹見峡駐車場に向けて進む。 988ピークを下り、再び登り坂になって960M台ピークに入る。960M台ピークは地図では2つコブがあるが、北側のコブに教育委員会の三の谷の標識がある。 ここから先程の渓流に向けて下れるが、全く道がある気配がないので、藪漕ぎを余儀なくされるだろう。様子が分からない人間が下るのはよした方が良い。 |
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ここから滑りやすいかなりの急坂を駆け下り、やがて平坦地に着く。この辺はアカマツが多い(左の写真)。 まもなく高岳への分岐に着く。聖岳〜高岳の間にある県境コブで匹見に向かう道があったが、その道と続いている様だ。 再び登りになり、アップダウンを繰り返す。 |
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途中でヒトツボクロ というランを三宅さんが発見(左側の写真)。花には到底思えない(^^; 時期的に咲いている花は少ないが、オモゴウテンナンショウもまだ元気(右側の写真)。 |
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他にはササユリ(左の写真)、タンナサワフタギなどの花は見つかる。 いつもはゆっくり歩くが、皆さん結構早いペースで歩くので、988ピークから1時間強で奥匹見峡の駐車場に到着。あの遡上の後にこのペースで歩けるとは、皆さん健脚である。 |
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