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TONARIの 色撮り撮りの「山 行」 | |||
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半四郎山 | 01/8/18 | |||
島根県匹見町 | ||||
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山名に人名を使う山は少ない。 山は往々にして信仰の対象であり、神様の住む場所であるから人名から名付ける場合は少ないだろう。 今回紹介する半四郎山は地図上では無名の山であるが、この山で遭難した半四郎親子からその名を取っている。 悲劇的な話が残る山であるが、一部で隠れた名山との声もあり登ってみることにする。 |
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広島西バイパスを通り宮内交差点で吉和方面への道に入る。吉和を目指して進みスパ羅漢でトイレ休憩。更に進み匹見に抜ける国道488号の標識に従って左折するが、この国道は「国道」の名前の割には非常に狭い上に、渓谷が美しく紅葉の名所でもあるので車が多い。 早い時間に通るのがベストだが、それでも何台かは離合しなければならないので、注意して進まなければならない。出来れば小型車の方がベターである。ちなみに裏匹見峡の方の道は、私が訪れたときは崖崩れで通行止めになっていた。 |
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狭い国道を進むこと約30分で峠に着く。初めてこの道を通ったときは峠に車を止め眼前に広がる雲海を眺めてとても感動したことを覚えている。残念ながら雲海はなかったが、ここからの眺めはお気に入りの景色の一つである。 狭くクネクネした道を下ること約20分で登山口に到着する。右手に広見林道とその標識もあり、よそ見をしていない限り見落とすことはない。2台くらいの駐車スペースがあるが草が生い茂っているので実際は1台位しか止められない。林道に入って橋を渡った所に4台くらいは止められるスペースもある。 入口に車を止め、身支度を整え広見林道を歩くと、キンミズヒキ、ツリガネニンジン、アザミ(少し種類が違うようだ)などが見て取れる。今回は展望を期待しての登山なので花はあまり期待していなかったが意外に期待できるかもしれない。 一方川の方を見れば樹間から立派な滝が見える。さすが名勝裏匹見峡の上流域である。人の目に付かないので名前もない滝だろうが、他の峡谷ならそれらしい立派な名前が付いているだろう。橋を渡って2〜30mで登山口の標識が左手に見つかる。 |
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川沿いに登路を取り、棚田の跡をすり抜けるように登る。傾斜も緩く歩きやすい樹林帯の中の道で、夏場の山登りはこういった道がよい。 クサアジサイの花を見つけて喜び、また、沢を渡りいくらか登ったところで見かけない花を見つけた。 ミヤマウズラである(左の写真)。 すっと立ち上がった姿は背丈は低くてもスマートで気品が感じられ、さすがはランといったところか。 ランは人気があるので盗掘者が多く、各自生地で絶滅若しくはその危機に瀕している場合が多い。盗掘者が”絶滅”するのはいつのことか。 |
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さて、ここから急坂が始まる。 まるでミヤマウズラがここから急になるから一休みして行けというために姿を現したかのようである。 しばらく樹林帯の中の急坂を登り、しだいにクマザサの生い茂った道に変わる。 相変わらず急だが少しづつ展望が開ける。 |
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あれが半四郎山かと思っているとオミナエシが道をふさぐように咲いている。 更に進むとマツムシソウが現れる。 半四郎山の一つ前のピーク向半四郎山の山頂に近づくにつれて花が多くなる。オミナエシ、ツリガネニンジン、キク(種類は分からない)などが道に被さって行く手をふさぐ。 道ははっきりしているが覆い茂ったクマザサのおかげでズボンがびしょぬれになった。しかし、展望は抜群である。 |
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雲行きが怪しくなって小雨が降り出し、地図を広げられなかったので判然としないが、広見山、半四郎山、恐羅漢山、五里山の山並みが見渡せる。久しぶりに人家やアンテナなどの人工物が一切見えない山である。こういった山は結構数が少ないので貴重である。 目的地の半四郎山に向かう。 一端下って登り返す道となるが、クマザサがせり出して道が分かりにくい。鞍部まで何とか下るが1.5m程の背丈のカヤが行く手をふさいでいる。無理をして進んでも良いが、ガスがかかっている中、判然としない道を進むのは遭難する危険があるので引き返すことにする。 |
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しかし向半四郎山へ登る途中、カヤの足下に赤い花を見つけた。 ナンバンキセルである。 父がススキの原を見つける度にナンバンキセルがおらんかといつも訊くので覚えてしまった花である。なるほどキセルに似ている。半四郎山へは行けなかったが収穫有りである。 |
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空模様といえばだんだん雨がが強くなる。 降水確率0%を信じて雨具を用意していなかった同行者に合羽を貸し、私は防寒用に持って来ている薄手の上着(簡易の合羽になる)を着ての下山となった。 天気予報はあくまで平地のものなので、山に行く場合は多少重くても雨具は常備しておいた方がよい。 |
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樹林帯に入ると雨は本格的に降り始めたが、木々が傘の代わりになって小雨の中を歩くような感じであった。急坂の割に歩きやすい道である。 再びミヤマウズラの前で休憩後山を下った。 雨は広島県側に戻ったときにはやんでいた。山の天気は変わりやすいと言うのは本当である。 それほど有名な山というわけではないが、深山の趣があって展望もすばらしく、隠れた名山と言うのも頷ける山である。 人があまり登らないのか、道が判然としない場所があるので山に慣れていないと不安かもしれないが、向半四郎山までなら問題なく登れる。 恐羅漢山の眺めがすばらしいそうであるから藪こぎ覚悟で半四郎山まで行くのも良いだろう。 草の背丈が低い内に行くという手もある。 また違う季節に登ることにしよう。 |
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