TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

池の段 01/8/5
広島県比婆郡

ノギランと福田頭 
 山頂、若しくは山頂近くまで車道が着いている山は思ったより多い。
 
山登りをしていて今ひとつ達成感が感じられない山は往々にしてこういった山である。
 
車で上がってきた人が山頂にうじゃうじゃいると歩いて登った自分が馬鹿みたいに感じるときもある。
 
しかし、手軽に頂上に立てるというのもありがたい話であり、難しいところではある。
 今回紹介する池の段は比婆山の一角に位置する展望のすばらしい山で、車で山頂近くまで上がることが出来る。
 
 庄原から国道182号を北上し、鳥居のあるところで左折する。道路脇に咲いているキツネノカミソリを見ながら奥に進み、道を間違えているのではと思う頃、ハンドルをいっぱいに切らなければ曲がれない右折する道に出会うのでこれを進む。
 
 途中光る橙色の花が見えたので車を止めるとフシグロセンノウだった。更に進むとウバユリが咲いている。花は期待できるかなと思いながら立烏帽子駐車場に着く。
 
 最初は池の段に直接上る最短コースで行こうと考えていたが、霧もかかっていることだし、千引岩経由でブナ林の中を森林浴しながら花を探しながら池の段を目指すことにする。
カニコウモリ 
 霧がかかり幻想的な雰囲気を味わいながら歩を進めると、カニコウモリの花が咲いている。
 
花自体はあまり写欲をそそられる事はないがカニコウモリの特徴的な葉っぱがおもしろい。
 
他に見つけたのは咲きかけのアキチョウジとヒヨドリバナといったところで、カニコウモリが盛期のように見えた。
ホツツジ 
 ブナ林を抜け見晴らしの良い池の段への最後の坂にでる。
 ホツツジが満開である。

 別掲の紅葉の比婆山縦走で紹介したように、秋にはこのホツツジが紅葉し、池の段や立烏帽子を赤い刺繍で彩る。
 
単体で見るとそれほどでもないが、固まりになって咲いているのでなかなか印象的な花である。
 
他にはツリガネニンジン、ノギラン、イヨフウロウといったところが咲いていた。
 
 池の段山頂に着き、辺りの山々を見るとガスがかかっているので展望はそれほど良くはなかったが、秋の空気の澄んだ時期の展望は抜群である。
 
 ここから立烏帽子に行く道とは逆の下山道のコースをとる。
 道路地図を見ると破線で登山道が下の車道まで続いているようであるが、登山地図では何もかかれていないので荒廃してることを予想しながらも途中で引き返すつもりで進む。
 
ノギラン 
 相変わらずのホツツジ、ノギラン、イヨフウロウにワレモコウ、マツムシソウ、イブキトラノオ、ユウスゲなどが加わり賑やかさを増す。
 
 
 平行道が終わり緩やかな下り坂になると道が分かりにくくなり、辛うじて人が通ったような跡が分かるのでこれに従って下る。露を含んだ葉っぱにズボンを濡らされながらどんどん下ると正面に山容の美しい福田頭が鎮座している。早速形の良いノギランを探して福田頭とフレーミング(冒頭の写真)。
 
 大きな岩のところで道が分からなくなり、無理すれば行けそうだが危険なのでここで引き返そう。ふと大岩を見上げるとコオニユリが2輪岩の上に咲いている。「お!絵になるぞ。」と思ったが距離が遠く断念。
コウリンカ 
  また、しばらく登ると橙色のコウリンカが咲いている。
 
 やはり下りより登りの方が花を見つけやすい。
 
 ところどころ、右手(竜王山側)に行けそうな道らしきものがあったのでいってみるが途中で道がなくなっている。
 
 引き返すとまたコウリンカを見つけた。群生している花というのもいいが、一輪だけ咲いているとういうのも存在感があってなかなかいい。
再び池の段山頂に戻って休憩後、立烏帽子との合間に下り、ウツボグサやゲンノショウコウなどを撮影し駐車場に戻った。
 
オオハンゴンソウ 
 隣の竜王山へも車で行けるのでついでに寄ってみることにする。
 車道沿いにウバユリとオオハンゴンソウ(だと思う)が咲いていた。
オオバギボウシ 
 竜王山の駐車場から山頂まではわずかの道のり。
 去年はオオバギボウシの花畑だったが、今回も満開だった。
 ただ、去年はチョウチョとトンボの数がこれでもかと思えるほどだったのにチラホラとしかいない。時期と時間帯によるのか。
 
 30度を連日超えている暑いこの時期、1200Mクラスの山の山頂は涼しく直射日光さえなければ本当に気持ちいいので、夏の花々を愛でに出かけてみてください。
 

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