TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

開聞岳の初日の出 
(922M)
00/ 1/1
鹿児島県

開聞岳の初日の出

 世の中は2000年だ、ミレニアムだと叫んでる中、敢えて流行?は追わない私であるが、2000年の初日の出を開聞岳で見るというツアーに申し込んでしまった。
 
 別に2000年の記念だからと初日の出登山に行くわけではない。
 
 毎年特に用事がなければ初日の出登山をしているのだが、日本百名山の頂上で見るのもいいなと思っていたところにたまたまぶつかっただけである。
 

 
 初日の出の登山といえば(広島県人でないと分からないと思うが)、比較的距離の近い呉市の灰が峰、わずかな時間で登れる忠海の黒滝山が多かったが、これだけの遠隔地は初めてである。
 
 ちなみに呉市の人間として広島県外の方に宣伝しておくと、灰が峰は737mで、登山口はそれほど標高の高い場所ではないので登りごたえのある山で、呉の街はもちろん瀬戸内海の島々が展望できる秀峰である。ただ、山頂まで車道がついているため、山頂に立ったときの達成感に難があるが……。

 
 少し話がそれたので本筋に戻そう。

 開聞岳はこれで2度目の登山であり、1999年の6月にやはりツアーで来ているが、この度は暗い中の登山である。
 
 さて、朝の2時頃に駐車場に着いてびっくり!一般車だけでなく大型バスもたくさん停まっている。まさかこんなにいるとは予想だにしていなかった。せいぜい数台がいるだろうと思っていたのに!久しぶりに山での渋滞を覚悟しながら登山準備を整える。

 開聞岳は1度登っているだけにどのようなコースか分かるので気分的に楽であったが、前回は写真を撮りながらゆっくり登ったので3時間半かかり、今回は渋滞のためやはり3時間半かかってしまった。
 
 参加ツアー以外の登山客は小中校生から年輩まで幅が広く、若年層が特に目立った。

 
 コースの状況などは別掲の記事を参考にしていただきたいが、今回特筆すべきは”暑い”ということ。
 
 いくら南国とはいえ冬なのだから早朝は寒かろうと防寒対策していたが無駄な配慮だった。温度計は持参していなかったが20℃はあるのではないかと疑いたくなるほど蒸し暑かった。さすが南国といったところか。もっとも登り終えた後は急激に体が冷えるので防寒対策はしておくこと。

 さて、山頂は人の海!開聞岳山頂はそれなりに広いところなのだが、動きがとれないような状態である。しかしここまで来て初日の出を写さないわけにはいかないので何とか隙間を見つけてカメラをスタンバった。
 
 天候はあいにくの曇りで初日が拝めるまで少し時間がかかったが、2000年の初日は午前7時14分(あくまで姿が見えた時間)2000年を照らす赤い太陽が静かに昇った。前の人が邪魔に思えたが”初日の出の写真”というテーマでは雰囲気の出たものになった(冒頭の写真)。

開聞岳 
 
←登山口付近から見上げる開聞岳
ブーゲンビリア

 
 
 下山後は「休暇村 指宿」に入浴して帰路についたのだが、この指宿と言うところ当初は入浴に立ち寄るだけだと何も考えていなかったが実にすばらしい。
 
 「南国」である。
 
 海岸に出れば夏の海のごとくきらきらまぶしく輝き、水平線が広がる。
 
 海岸を彩るかのようにブーゲンビリアの赤紫の花が咲き乱れ、負けじと黄色い菜の花の絨毯が広がっていた。
 
 かと思えば池の側に寒椿の花が咲き、山を見上げると紅葉が見える。
 
 いったいここの季節は今なんだろうかと思ったが、ここは”南国”なのだと理解する。
 開聞岳の初日の出を上回る感動があった。ほかのツアー客はホテルでのんびりしている中、時間が許す限りホテルの周辺を動き回り数多くのシャッターを切った。
 

菜の花 
 
 このページは「開聞岳の初日の出」というタイトルがついているが本当のメインはこの指宿である。
 
 登山はやはり時間的にみて1日の多くを占めるが、短時間であっても印象に残るということは多々あるもので、今回はそれを再認識させてもらった。
 
 「山登りは終わったから後は寝るだけ」というのでは多くのチャンスを逃してしまう。
 
 写真を撮る人間だからこその”習性”か、ただ車窓から外を見るだけでも「この景色はいいな」とか「ここはこう撮りたい」と無意識に考えている。
 
 目的地以外の場所でも興味を持っ見みると違った発見が出来ますのでお試しあれ!

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