TONARIの 色撮り撮りの「紀行」

四国西南の旅 (滝・海・川・巨樹) 2005年4月30日〜5月1日
愛媛県・高知県

<5月1日>四万十川・新玉様のモミ・鯉のぼりの渡し・地吉の夫婦杉

7:40
石垣荘

 今日は四万十川周辺をうろちょろする予定になっており、遊覧船と川を渡る鯉のぼり、巨樹を2箇所まわってから帰広することにした。しかし、週間天気予報どおり今日は雨...(−_−;

 早朝、ささやかな期待を込めて(笑)テレビの天気予報を見る。
 やっぱり前日の天気予報どおり雨...降水確率70%...山間部だから100%だ。
 しかし、ここまで来てただ帰るだけというのはもったいないので、予定通り四万十川に向かう。

 四万十川というと=中村市というイメージなのだが、市町村合併で四万十市になっていた。

 石垣集落から県道34号で国道56号に合流。宿毛市に向かい、更に東進し、有岡で県道50号に左折。四万十川河口を回ると大回りになるので、この道はショートカットになる。10kmほど進むと国道441号に合流し、ここからは四万十川沿いに5kmほど北上すると遊覧船が出ている場所に着く。
 
9:20
大川遊覧船

9:30〜10:20
四万十川遊覧
勝間沈下橋と遊覧船 
 早速遊覧船に乗りに行く。

 旅行会社のツアーなどで行くと、ほとんど海に近い河口ところで遊覧船に乗るそうだが、人と同じではおもしろくないので、上流付近の遊覧船を選んだわけである。

 選んだところは勝間沈下橋そばの大川観光というところで、ここの遊覧船に乗ることにした(左の写真)。


 ちなみにここは映画『釣りバカ日誌』でロケに使われたそうだ。
 一人2000円...せめて1000円になりませんかねぇ〜(笑)他にも遊覧船を出しているところはあるが、まぁ同じくらいの値段だろう。
 
勝間沈下橋 
 雨のせいかお客さんは他におらず、我々家族だけの貸切状態になった。

 お昼は(頼んでおけば)食事が出来るらしい。

 川岸にはキシツツジがきれいに咲いていたが、望遠の上、雨で光量が少ないので、船の上からはブレて写真にならなかった。

 このところ雨が降らなかったので川の水が少なく、通常の航路を運行できないということで、多少狭い範囲をゆっくりと船を進めてもらった。

 沈下橋の下をくぐったりしながら50分ほど遊覧を楽しむ。雨が強く降っているので写真を撮るのは難しいが、雨の四万十川というのもそれなりに情緒があってよい。
 
土砂降りの沈下橋 
 「なかなか良かったなぁ」と船を下りると土砂降りの雨...(左の写真)

 遊覧船は屋根つきなので中は快適だが、外ではお天道様か誰かがバケツをひっくり返したようだ。

 傘をさしてもズボンや靴はずぶ濡れになったが、それでも橋を渡ったりしながら周辺を歩いてみた。

 

 この雨だというのに合羽を来た登山者風の一団が沈下橋を渡っていった。この辺に散策コースでもあるのだろうか?さすがにこれだけ土砂降りだと歩く気になれないのだが、よく歩くなぁと思う。

 濡れたズボンと服は車のヒーターで乾かしながら、更に上流に向かう。
10:35
大川観光発
四万十川の流れ 
 車で走っていると、スダジイかコジイか分からないが、山にモコモコッとしたシイノキの黄色い花がたくさん咲いている(左の写真)。

 あれが花だと思った人はどれくらいいるだろうか?たぶん新芽だと思った人が多いのではないだろうか。

 ←四万十川の流れと一緒に撮影。

 4月から5月にかけていろいろな木の花が咲くので、注意してみるとおもしろい。桜やコブシのように明らかに花だと分かるものもあれば、「これ花?」というようなものもある。

 強い雨が降り続く中、次の目的地、日本一のモミ「新玉様のモミ」を探しに向かう。新玉様は、「あらたまさま」読むそうだ。

 調べても場所がはっきりしないが、いつも巨樹めぐりをしているのでそういうことはザラであり、行けば何とかなる(地元の人に訊けば分かる)ということで、四万十川のそばを走る国道441号から離れて、狭い県道8号に入った。ちなみにこの道は滑床渓谷へ向かう道である。

 津賀という集落に入ると、橋の所に案内があり、500m先ということなので案内に従って進む。
 
11:55
新玉様のモミ
新玉様のモミ
 しかし、雨が強いこともあって視界が悪くよく分からない。地元の人に訊こうにもこの雨では外にいる人はいない。ということでいろいろ迷ったが、山のほうに巨樹特有の樹形が目に入ったので、畑のそばを通り抜けて行ってみたらそれが日本一のモミだった。

 【樹齢300年、樹高27m、幹周り7.8m】

 モミの木というのはクリスマスツリーで有名だが、直立した樹形がオーソドックスで、スギのように樹高が高くなる樹種である。

 しかし、このモミは根元付近から分岐し、台杉のような形状をした生命力溢れるモミの木だった。大枝が折れた跡が見えるが、樹勢は旺盛のようで力強く圧倒される雰囲気を持っていた。

 こんな大雨の中でなければ(次の予定がなければ)、ゆっくりとこのモミの巨樹と向き合いたいところだが、土砂降りに近い状態なので数枚写真を撮っただけでここを後にした。

 再び会える機会があれば晴れた日に訪れたいものだ。

 なお、この木は日本一のモミであるにも係わらず、天然記念物の指定がされていないのが不思議である。
12:20〜12:50
昼食

 新玉様のモミを後にして四万十川に戻り、道を外れる前に確認しておいた橋のそばの食堂に入る。
 またまたうどんを頼み、今回はそれだけでは寂しいので川えびのから揚げを頼んでみた。
 1500円くらいしたが、殻が香ばしくておいしかった。少々高くてもその土地の名物はちゃんとチェックするのが旅の楽しみだ。

 食堂を後にして次に向かうのは十川(とおかわ)の鯉のぼりの渡し。
 今でこそ川を鯉のぼりで渡すのが全国的に普及(?)しているが、もともとのはじまりは四万十川で始まったそうだ。

 国道441号から国道381号に入り、四万十川に沿ってクネクネ蛇行しながら十和村へ向かう。その途中にもいくつか沈下橋が見える。沈下橋というと狭くて小さなイメージがあるのだが、両脇には普通の道路のように白線が引いてあり車が通れるほど広い(離合は無理だが)。
 
13:25〜13:40
十川
十川の鯉のぼりの渡し 
 十川の町に入ると街灯が鯉のぼりの飾り(っていうのかな?)になっていて、鯉のぼりがシンボルの町のようだ。

 どんな感じかと鯉のぼりの渡しのところに行ってみると、くたびれたようにだら〜んと鯉のぼりが垂れ下がっていた(左の写真)。

 今日は雨が降っているので仕方ないのだが、元気に泳いでいる姿を見たかった。駐車場有。
 
 十川の鯉のぼりの渡しを見た後、最後の目的地「地吉(じよし)の夫婦杉」に向かう。この夫婦杉は同じ十和村にあり、この村のシンボル的な杉のようである。

 国道から県道106号に入り、夫婦杉の案内に従って狭い道を15分進むと神社に到着。途中、ここにも川に鯉のぼりの渡しをいくつかしてあった。
 
13:55〜14:10
地吉の夫婦杉
地吉の夫婦杉
 夫婦杉の名の通り2本の杉があるが、
(夫)樹高60m、幹周り8.35m
(婦)樹高55m、幹周り4.75m   樹齢は700年から800年とのこと。

 スギは樹高の高い樹種の代表格だが、60mというのはトップクラスである。ひょっとしたら日本一かもしれないが、こういうデータは間違っている場合がよくあるので断言は出来ない。

 樹高を正確に測るのは難しく、周囲がよく開けていれば三角測量(タンジェントとか)が使えるが、森の中にあると使えない。サルに紐を持たせ天辺まで登ってもらえれば正確な数値が分かりますが...(笑)

 しかしながら、高いというのは間違いなく、幹周りも太いので本当に堂々としている。
 神社などではこの夫婦杉のように根元を近くにして植えている場合が多く、根や幹が融合している例が多いように思う。夫婦は土台が一緒ということだろうか(^^;
 
14:40
長生沈下橋

15:10
虹の森公園まつの

16:35
西予宇和IC

17:25
松山IC

18:05
堀江港

18:30
堀江港発

20:30
阿賀港
 
 夫婦杉を後にしてあとは帰るだけ。
 帰る頃になって雨がやみ、「やむなら早くしてよ」とお天道様に愚痴をこぼしながら帰路につく。
 国道381号→国道441号→国道320号→国道56号→松山自動車道の順で帰る。

 途中道の駅でソフトクリームを食べ、近くの酒屋さんでピーチワインをお土産に購入。アルコール度数の低いジュースのような感じのワインだった。

 連休だからいつもつきものの渋滞をかわそうと裏道を選んだら道に迷ってしまった。簡単な地図しかないのに”裏”を選んだのは無謀だった(^^;でも、リルートはバッチリだったので、思いがけず裏道を発見しましたが。

 2日目は雨に遭ったが、新緑の渓谷、美しい海、見事な石垣、雄大な流れ、巨樹と、たった2日だったが、バラエティに富んだ旅行が出来て満足。今度はどこに行こうかな(笑)
 

1.滑床渓谷
2.西海・外泊石垣集落
3.四万十川  

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