TONARIの 色撮り撮りの「紀行」

アルペンルート立山登山
黒部峡谷
富山の旅
2005年9月8日〜9月11日
長野県・富山県

<9月8日(木)>−室堂散策


 室堂周辺は散策コースがいくつか作ってあるので、山登りをしない人にも歩くことができ、高山植物も見ることが出来る。9月初旬というとそんなに花は期待できないと思ったのだが、思いのほか多くの花を見つけることが出来た。
 以下、室堂で見られた植物を紹介します。なお、高山植物についてはあまり知識がないもので、間違っていたらご指摘ください。
 

立山とカンチコウゾリナ
カンチコウゾリナ(寒地髪剃菜) 

 歩き始めると、雲のかかった立山を背景に黄色い花が目に付いた。花は右下にあるもの。

 やはり時期が遅いのか萎れたものが多いので、クローズアップではなく風景のポイントとして撮影。
チングルマ 
チングルマ(稚児車)

 高山植物の代表的な花のひとつ。

 花は終わって羽毛状になっており、あちこちにこうした羽毛状のチングルマの群落が点在している。

 あの花がこんな姿になるとは普通は想像できない。
イワイチョウ 
イワイチョウ(岩銀杏)

 室堂の広大な平原を歩くと、その平原が黄色く見えたのだが、その多くはこのイワイチョウの黄葉であろうと思う。

 花は終わっているが、イチョウに似た葉っぱが黄色く色づきだし、見渡す一面が黄色く染まっていた。

 まだ緑色の葉っぱも多いので、もう少しすればより鮮やかに室堂が染め上げられるのではないかと思う。
ミヤマアキノキリンソウ 
ミヤマアキノキリンソウ(深山秋麒麟草)

 秋になると低山ではもっとも普通に見られる花にアキノキリンソウがあるが、左の写真のものはその高山型。

 アキノキリンソウと比べ、頭花が大きく、密集していて黄色が濃いような印象がした。
チングルマとみくりが池 
チングルマとみくりが池

 みくりが池の水の色が大変鮮やかなブルーで美しかったので、チングルマの群落と一緒に撮影。
チングルマとみくりが池 
 同じ場所を引いて撮ると左の写真のような感じ。

 撮るべき被写体は多いので、どれをどのように切り取るかがカメラマンのセンスかな、と思う(^^;
ミヤマリンドウ 
ミヤマリンドウ(深山竜胆)

 遠くに咲いていたのでブレてしまい、写真でははっきりと確認できないが、おそらくミヤマリンドウだろう。

 普通のリンドウよりも随分小さく(フデリンドウくらいだろうか?)かわいらしいが、とても鮮やかさで華やかである。

 ちなみに周りの赤い花はヨツバシオガマ。オヤマリンドウらしきものも咲いていた。
ヨツバシオガマ 
ヨツバシオガマ(四葉塩竈)

 やはり花期が少し遅いようだが、ヨツバシオガマもまだ頑張って咲いていた。比較的状態の良いものを探して撮影。
 
 背もそこそこ高く、花の色も濃くてよく目立つ。

 低山で見られるシオガマギクと比べると、赤が濃くて豪華だと思う。
ウサギギク 
ウサギギク(兎菊)

 この花も高山植物の代表的な花だろう。

 時期的に見られないと思っていたが、ポツンポツン程度には咲いていた。

 写真だけを見るとかわいい印象があったのだが、意外と大型のキクで存在感がある。
ホテル立山とヤマハハコ 
ヤマハハコ(山母子)

 高山植物という訳ではないが、ヤマハハコも多く見られた。

 奥の建物が今日泊るホテル立山で、その背後の山が浄土山。
  
ミヤマシシウド 
ミヤマシシウド(深山猪独活)

 シシウドの仲間は区別がよく分からないので(^^;、とりあえずミヤマシシウドとしておく。

 青空と雲が映りこんだみくりが池と一緒に撮影。

 他にもワレモコウなどが見られた。
雷鳥荘? 
←みくりが池を回り、みどりが池に向かう途中で撮影。

 文章を書いているのが4ヶ月後なので記憶が曖昧なのだが(^^;、雷鳥荘と小さな池(湿地かな?)が見える。

 草紅葉だろうか紅葉が始まっており、秋色になっている。
みどりが池から立山 
←みどりが池から立山を望む。

 明日は右手に見える峠、一ノ越から急な坂を登ることになる。

 こうしてみるとかなりの急勾配だ。
シラタマノキ 
シラタマノキ(白玉の木)

 花のときはアカモノと酷似する釣鐘状のかわいらしい花をつけるが、実となると区別は容易になる。

 しかし、ピントが甘い...(^^;
 丸い被写体はオートフォーカスはうまくいかないことが多い。
コウメバチソウ 
コウメバチソウ(小梅鉢草)

 おっと!見慣れた花が咲いている。ウメバチソウだ。場所的なことを考慮すれば、ウメバチソウの高山型になるコウメバチソウだろうか。

 多少勢いが感じられないので、この花も時期的には終わりかけなのだろう。 
ハイマツ 
ハイマツ(這松)

 高山帯に見られる代表的な松。名前の通り這うように広がる。

 中央の黒味がかった紫色のものは球果。
立山 
 みくりが池、みどりが池などを花を撮影しながら約1時間半ほど歩き、ホテル立山へ戻る。

 雲のかかっていた立山雄山の山頂もよく見えるようになっていた。


<ちょっと堅い話>


 室堂周辺は、コンクリート舗装した遊歩道がめぐらされています。それもごつごつした石を適当に並べた大変歩き難い道です。このコンクリートの道のため、水道(みずみち)が変化し植生にダメージを与えているという必要のない舗装道路です。

 また、みくりが池周辺に展望所を造ってありますが、それは周辺に住むライチョウが外敵から身を守る為の見張り岩を爆破して造ったものです。そのためライチョウが見張りをする為の岩がなくなり外敵に襲われやすくなったそうです。

 日本の山岳観光地は、自然を破壊しておきながら自然の大切さを訴えるという不思議な体質を持っています。ちょっと堅い話で申し訳ないのですが、こういう側面を持っているということを知っておいて貰いたいと思います。
 

夕日に照らされた立山
 ホテル立山にチェックイン。いわゆるリゾートホテルというものに泊ったのは初めてだ(笑)

 さて、18時前、風呂から上がると、窓の外が鮮やかに染まっているのでカメラを持って外に出る。

 夕日に照らされて周囲の山々が赤く染まっていた(左の写真)。

 私と同じ様に夕日につられて(笑)外に出てきた宿泊者がたくさんいた。
室堂から見る夕日 
 雲海が広がるその上に日が沈み始めるところで、沸き立つ雲に赤い夕日があたり、幻想的な光景を演出していた。(左の写真)

 ガスがかかっていた山のほうも、すっかり晴れ渡り、全周囲の山の山頂が見渡せるようになっていた。

 こういう景色はこういう場所に来ないと見られないもので、ここに来ても天気の関係で見られないことも多く、ラッキーだと思う。結局全部の山々が見えたのはこのときだけだった。

 なお、夕日は見ることが出来ても室堂からは朝日は見えないのだが、大観峰まで行って朝日を見るツアーをホテルが企画しているので、見たい方は申し込まれると良いだろう(3000円くらいだったかな?)

 お品書きが添えられた和食(洋食は一杯で予約できなかった)を食べ、日が暮れて暗くなって夜外に出ると、星が無数に見え、なんと天の川が見える!

 天の川を見たのはこれがはじめてのように思う。
 町中で空を見上げても、星は見えるものの天の川は分からない。「なるほど、これは川だな」と思える星の川が出来ていた。写真に撮ったが、三脚もない状態で撮影しているので、まぁ結果は惨敗...(笑)

 普通の人は快適に眠れるのだろうが、貧乏性?なもので、ホテルのふわふわのベットは寝難いものだった(笑)。どこでも眠られるタイプなのだが、あまり快適すぎると眠れなかった。固い床では眠れるのに不思議だ(^^;
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2005年9月8日(木): 黒部ダム〜室堂
室堂散策
      9月9日(金): 立山登山(前編)
立山登山(後編)
称名滝
      9月10日(土): 黒部峡谷・洞杉
 

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