TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

徳島 百名山・百名瀑

百名山「剣山」/百名瀑「轟九十九滝」「大釜の滝」「雨乞の滝」+α
02/7/19〜21
徳島県

 5.<雨乞の滝> +奥祖谷の二重かずら橋

奥祖谷の二重かずら橋 雄橋 
 次の目的地は奥祖谷の二重かずら橋。
 
 西祖谷のかずら橋は有名だが、この奥祖谷のかずら橋はそれほど知名度はないが、怖さはこちらが上とのこと。
 
 国道439号に入り、約7qの長い坂を下る。
 
 当初の計画では車のガソリンを満タンにしておけば家まで帰れる予定であったが、燃費の悪い山道とクーラーで予想以上に燃費が悪く、燃料の警告灯が灯った。私の車はクーラーをつけても1リットルあたり10qちょっとの燃費効率なのであと100qくらいは走れる計算だが、この山奥ではちょっと心細い。やむを得ず燃費効率を上げるためクーラーを切った。
 
 15分ほどでかずら橋の駐車場に着く。入場料は大人500円。
 
 階段を下っていくと雄橋が見え、その奥には小さな滝がある。橋板の間隔が広めで、高所恐怖症の方にはちょっと怖いかもしれない。どこの世界にもいるもので、わざと揺らす輩もいた。ワイヤーは当然入っているが、かずらで組んだ橋は秘境の雰囲気を感じさせるものがあった(上の写真)。
 
かずら橋近くの滝 
 雄橋を渡りきり、雌橋に向かおうとすると、河原に下りる道があったので寄ってみた。
 
 階段を下ってゆくと冷気が体を包み、先程見えた滝の正面に出る(左の写真)。
 
 落差自体はないが水量が多く、何より水がきれいだ。天然のクーラーの前でしばし涼み、かずら橋を見上げてから雌橋の方へ向かった。
 
 雌橋に行くとその先に何やらおもしろそうなものが見えた。野猿である。ロープが渡してあり、人間はかごの中に乗ってロープを引っ張って移動する乗り物である。
 
 中程まで行くと雄橋、雌橋の二重かずら橋が一度に見える。
 
 ガソリンのことを心配しながら見の越に戻り、トンネルを潜って延々と続く坂道を下ってゆく。下りはスピードが出るので登りよりは時間が短いようだ。地図上でガソリンスタンドのあるところに行くが、我々を見放すかのように閉まっている。次の場所も閉まっている。この辺は日曜日は休みらしい。次の目的地、雨乞の滝は後回しにしてガソリンスタンドを探した。標高の高いところはクーラーなしでも構わないが、下に下りるとさすがに暑い。
 
 国道193号との分岐を過ぎ、道の駅神山の側にあるガソリンスタンドを目指す。途中、神山町役場に入る道があり、入口にガソリンスタンドの標識を見つけ入ると、天の助けか営業しているガソリンスタンドがあった。1リットル110円と広島ならハイオク以上の値段だが仕方ない。やっとクーラーをつけることが出来た。最終手段はJAFを考えていたので、JAFを呼ぶよりは安いだろう。
 
 さて、肝心の雨乞の滝を目指す。
 このまま役場を目指し、とある場所で右折する。案内は見つからなかった。役場まで行っては行き過ぎなので引き返すと案内が出ていた。分岐が多く、文章では説明しにくいが、案内が出ているので見落とさないように進むと、雨乞の滝の駐車場に着く。20台くらい置けるだろうか。見の越から約1時間半。
 
雨乞の滝 雌滝 
 最奥の雨乞の滝(左の写真)までは遊歩道を800m、25分くらい歩くが、急なので疲れた体にはこたえる。
 
 うぐいす滝(下の写真)、不動滝、地獄淵、もみじ滝、観音滝とと続くが、手前の木が邪魔でいまひとつ。
 
 遅い時間で疲れていることもあろうが、轟九十九滝の印象があまりに強かったのかそれほど魅力は感じない。
 
 一番奥に着くと最初に見えるのは、雨乞の滝の雄滝で落差は約30m。水量が多ければ見応えのある滝だろう。
 
うぐいす滝 
 更に回り込むと巨大な雌滝が現れる。落差45m。雌滝は文句なしに百選に選ばれるだけの見事な滝である。3段になって流れ落ちる様は、巨体にもかかわらず優美さを感じる。
 
 一般的に雄滝の方が大きいものだが、どうしてここでは大きい方が雌滝なのだろうか。
 
 
 滝の名前の由来は、名前通り雨乞いをしたことによるそうだ。豊富な水量を誇る雨乞の滝を見ていると、雨乞いの必要があったのかと訝しく思ってしまう。
 
 ちょっと話がそれるが、広島県近辺では滝のことを「リュウズ」と呼ぶ。漢字を当てはめるのなら「竜頭」。
 
 島根県の百選の滝、竜頭の滝は「滝滝」ということになる。
 
 流れ落ちる様を竜に見立てているわけで、滝という字を見ても竜が滝に関係することは明らかだ。
 
 また、百名瀑の「瀑」の字も「タキ」と読めるのだが、タキと読める人は少ないだろう。日本ではナイアガラなどのような「瀑」という字がふさわしい滝が少ないことが原因だろうか。
 
 世間ではマイナスイオンがどうのこうの言っているが、滝という自然の力をひしひしと感じるところに来れば理屈抜きにすがすがしいのである。
 
 
 雨乞の滝を出て国道438号に戻る。徳島市方面に数q進み、道の駅神山に立ち寄り、神山町のパンフレットをいくつかいただく。徳島名産のすだちのポン酢とドレッシング1本630円を買ってみる。普通のポン酢のようなツンとくる酸味ではなく、柑橘の果物の酸味なのでおいしかった。
 
 国道438号を引き返し、国道193号で山川町へ向けて北上する。一部狭いところがあるが、広いところも多く、昨日の山道よりは走りやすい。
 
 脇町ICから高速に乗る予定だったが、「うだつ」の町並みがあるところなのでちょっと寄ってみることにした。阿波の土柱も行きたかったが既に日が傾いているのであきらめる。
 
 県道12号を走っていると案内標識があるので左折し、また案内に従って右折する。吉野川沿いに走り、街路樹100景のきれいな柳並木を右手に見てすぐ左手に駐車場があり、うだつの町並みはその反対側になる。
 
うだつの町並み 
 「うだつが上がらない」という言葉で有名なうだつ。
 
 夕焼けの赤い光の中で見ると雰囲気がいい。お隣の貞光町では二重うだつの町並みもある。
 
 引き返すのも癪なので(少しでも高速代を浮かせようと)美馬ICまで一般道を走る。渋滞もなくスムーズに進む。
 
 美馬ICから高速に乗り、途中石鎚SAで夕食を取り、堀江港から阿賀港へ渡り、二日ちょっとの強行軍が終わった。
 

 
 強行日程で少々疲れ気味だが、念願の剣山は晴天で、百選の滝もすばらしく、わざわざ遠いところにいった甲斐があった。次は秋にでも行けばいいのだが今回のコースはちょっと遠慮して、剣山だけ(といっても近くに行きたいところはあるので立ち寄るが)としよう。
 
 剣山周辺の一宇村、木屋平村、神山町、木沢村などは滝がいっぱいあるので、滝巡りオンリーで行ってもいいかもしれない。ただ、道路事情は余りよくないので、国道ではなく山道を走るという感覚で、十分余裕を持った計画で行った方がよいだろう。
 

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