TONARIの 色撮り撮りの「山 行」

徳島 百名山・百名瀑

百名山「剣山」/百名瀑「轟九十九滝」「大釜の滝」「雨乞の滝」+α
02/7/19〜21
徳島県

 5.<剣山B>

剣山山頂 
 剣山山頂は、平家の馬場という名前があるように、馬術訓練をしたといわれるほど平坦で、ここが2000mに達しようかという高山であることが不思議に感じる。
 
 山頂は植物保護のため木道がつけられており、木道の上からはイヨフウロウの鮮やかなピンク色がよく目立つ。
剣山から三嶺を望む 
 遠く三嶺の登頂欲をそそられる山容が遠望されるようになると(左の写真)三角点まですぐだ。
 
 一の森から剣山まで1時間半。歩くだけなら1時間くらいだろう。三角点からは、一の森への連なり、次郎笈への連なり、更には三嶺への連なりが見渡せる。やはりここからは次郎笈の山容が印象深い。記念撮影後次郎笈へ向かって下る。
次郎笈 
 剣山と次郎笈は兄弟のような山で、かつては剣山を太郎笈と呼んでいたそうだ。
 
 剣山の名前の由来については、安徳天皇の剣を埋めたからという説と、中腹(といっても8合目ぐらいだろうか)に剣を思わせる御塔石があるからという説に分かれている。
 
 山頂もしくはその近くに特徴的な岩があると、立石山とか石立山と名付ける例は広島県にもあり後者の説も信用は出来る。しかし、剣山と次郎笈をセットにして考えると、太郎笈という名前を捨ててまで剣の名前をもってくる必要はないように思う。天皇というシンボル的な人物が関係するのであれば、太郎笈の名を変える可能性は十分に考えられると思う。
 
 ところでこの「笈」の意味だが、漢和辞典で調べると書物などを担ぐ「おい」だそうだ。当て字なのか、それとも逸話でもあるのか興味があるところである。
 
 余談であるが、平家の落人伝説は全国各地にある。当然広島県にもある。しかし、この奥深い山々に身を置くと、平家の落人が住んでいたのも信憑性が強い。安徳天皇は壇ノ浦で入水されたことになっているが、本当は生きていたとする伝説がある。これは幼い天皇の死を哀れんでの作り話と思われ、生き延びたという歴史的な根拠はない。
 
剣山を見上げる 
 さて、次郎笈への下りは結構急である。しかしながら次郎笈の眺めがよいのでそれほど疲れは感じない。
 
 20分ほどで西島駅から山腹を回るトラバース道(大剣コース)との分岐に着く。リュックがいくつか置いてあるが、身軽になって次郎笈を折り返すのか。
 
 剣山ではどうか知らないが、残念なことに山での盗難がよくあるそうなので、貴重品は携帯するようにしたい。
 
 小さなアップダウンのあと、15分ほどで次郎笈峠に着く。このまま次郎笈へ登る道と、片道7時間はかかるという三嶺への道に分かれる。直進し次郎笈へ向かう。コモノギク、シモツケなどの花も現れるが、大変色がきれいだ。
 
 ここを登るのかというほどの急坂だが、ちょうど三瓶山の子三瓶と孫三瓶の鞍部から孫三瓶に登るくらいの感じだろうか。時折振り返って剣山を眺めながらゆっくり登るのがよいだろう。
 
 また、剣山と次郎笈に挟まれたジロウギュウ谷からは、ホラ貝の滝と思われる瀑音が聞こえてくる。晴天なので直射日光にさらされて暑いが、時折吹く風が大変気持ちがいい。三嶺方面はガスがかかって展望は悪くなっていた。
 
 
 
次郎笈から剣山を望む 
 急坂を終えた頃、再び三嶺への道しるべが出る。既に次郎笈に登った1グループがこの道を下っていった。三嶺へ縦走をかけるのかと思ったが、よく見ると次郎笈峠からの道と途中で合流していた。平坦路をいくらか進み、30分ほどで次郎笈の山頂に着く。
 
 今朝出発した一の森から二の森、三の森、剣山の連なりが一望できる。
 
 全周囲展望が利くが、地図を車に置いてきたのでどれがどの山かわからない。
 
 無数のトンボと共にしばらく休憩したあと、先程の別の道を使って下ることにする。
 
 こちらの道は遠回りになるが傾斜は幾分か緩い。振り返るとクマザサが輝き、きれいである。
 
 次郎笈の斜面と剣山を見ながらの下山となり、やがて三嶺への縦走路と合流し、ここから次郎笈峠へ向け水平道を歩く。
 
 途中水場があり、クセのない味で冷たくおいしい。剣山には名水百選に選ばれた御神水(おしきみず)があるが、ここの水とさほど変わったところはないだろうから水筒にこの水を入れておく。
御塔石 
 40分ほどで次郎笈峠に戻り、剣山へ少し登り大剣コースに入る。
 
 日陰で一の森ヒュッテで作ってもらった弁当を食べていると、一匹の小さな蜂がやってきた。いやいやながらも振り払ったりすると攻撃される場合があるので、腕に留まってもそのままほっておいた。いなくなったようだったので安心して何気なく腕をおろして足の上に置くと「ちく!」とした。蜂がちょうど腕と足の間にいて攻撃されたと思って刺したのだろう。すぐ薬を塗ったので腫れはしなかったが、我ながらちょっと不注意だったと反省した次第である。
 
 トラバース道を進み、剣山山頂への分岐を通過すると目の前に大きな御塔石が見えてくる(左の写真)。まさに剣を思わせる巨岩である。
 
 その下に御神水があるのだが、多くの人が並んでいたのでそのままやり過ごした。先程の水場で水を汲んでおいたのは正解だった。
クガイソウとアサギマダラ 
 ヤマアジサイ、クガイソウなどが道端を飾り、渡りをする蝶アサギマダラも遊んでいた(左の写真)。
 
  登ってくる人とすれ違うことが多くなり、分岐から40分ほどで西島駅に到着する。ガスが取れた三嶺の端麗な姿を見ながらリフトで下山した。
 
 下りてみると人が多い。駐車場はほぼ満杯。観光バスも何台も止まっている。やれやれと思いながらリュックをおろし、登山靴から普通の靴に履き替える。
 

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